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レーザートーニング(しみ・肝斑治療)の効果を上げるコツ

2015年07月13日(月) | カテゴリ: しみ
前々回のブログで当院における
レーザートーニングの掛け方の工夫(3Dトーニング)についてお話ししましたが、
今回はトーニングの効果を上げるのに有効な補助手段についてお話しします。

レーザートーニングには、しみを薄くする、毛穴を引き締め
肌にハリとツヤを与えるなどの様々な肌に良い効果がありますが、
今回は特にしみを薄くして肌のトーンを明るくする効果にフォーカスしています。

トーニング単独の治療でも5回以上行うなら効果が全く無いことは稀ですが、
色が思ったほど抜けず反応が弱かったり、5回目くらいまでは確かな効果が実感出来たのに
それ以上は回数を重ねて照射しても効果が頭打ちになるなどあります。

そこでトーニングの効果を増強してくれるもの、
トーニングによる肌の反応をより引き出してくれるものについて御紹介します。

<しみ治療内服薬>
美白内服とも呼ばれ昔からある定番の飲み薬ですが、効果はあなどれません。

一般的に トランサミン(トラネキサム酸)、シナール(ビタミンC)、
ユベラ(ビタミンE)です。

確かにこれら単独で内服しただけでも肝斑が薄くなることはあるにはありますが、
さすがにこれのみで全ての方を完治させるには至りません。

やはりしみ・肝斑治療の中心にトーニングを据えて
その作用を補強するものとしてとらえるのが一番良いです。

きちんとこれらの内服薬を朝・昼・晩飲めば、同じトーニング10回を行った場合、
内服無しなら5回目で効果がやっと出て来るものが、3回目くらいで既に効果が出始める
イメージです。

内服薬を組み合わせることで色の抜け始めるタイミングが早くなり、
また色の抜け具合がいっそう良くなります。

ところでよく聞かれる質問として、
「薬局で買える市販のトランシーノ(トラネキサム酸)などと比べて
クリニックで処方してもらう意味って何なの?」 というものがあります。

一言で言うとそれは、薬の有効成分の容量と値段が違います。

クリニックでの処方の方が、圧倒的に有効成分の量が多くて、値段が安い!

例として上げますと

・市販のトランシーノ(トラネキサム酸); 1日量 750mg 1ヶ月分 3672円

・当院処方のトランサミン;   1日量 1500mg 1ヶ月分 2200円

つまり、トラネキサム酸で容量が倍量の処方で値段が約半額となります。

クリニックでの処方なので処方時に薬代の他に処方料1000円を頂いていますが
それでも断然お得なことが分かるかと思います。

また、トラネキサム酸に関しては、
まれに悪心・嘔吐・下痢などの副作用が出る人がいますが、
それならば 「シナール+ユベラ」などの組み合わせでも充分効果が期待出来ます。

さらにトラネキサム酸に関しては、
止血作用があるため血栓症のリスクを気にされる方がいますが、
元々血液疾患があったり、血液検査で異常が指摘されてでもいない限り
治療期間の3ヶ月から6ヶ月など期間を限って服用する分には全く問題ないと考えています。

内科の先生からしみ治療でトランサミンを継続服用するのは危ないと
注意されたという患者様がいましたが、そのようなエビデンス(科学的根拠)を示す
データは今までないのですから、あまりトランサミンを悪者にしないで欲しいと思います。

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上は、トーニングを3回照射により
下まぶたから目尻に掛けての地図状の肝斑がなかなか取れなかったケースです。

治療にトランサミン+シナール+ユベラの内服を加えたところ
一気にしみが薄くなった症例です。(左が内服前、右が内服後)

単純に回数を重ねたことによる効果とも考えられますが、
このようなケースが日常診療で多々見られるため、
相乗効果であると一般的には考えられています。


<イオン導入>
イオン導入もまた、トーニングの効果を強めたり、
レーザー照射後のトラブルを抑えるのによく用いられます。

当院では、美白成分のトラネキサム酸、ビタミンCおよび
毛穴引き締め成分のグリシルグリシンの導入剤の中から選んで頂いております。

しみ抜き・美白目的ならトラネキサム酸が一番よいです。

YAGレーザーはメラニンに加え水とも反応するレーザーなので
照射によりかなりの水分を消費します。

施術前に抗炎症成分と水分をシッカリと皮膚の中にイオン導入で入れることで
レーザーの効果を高めつつ施術後の乾燥を防ぎます。

逆に、トーニングの前に肌の水分量を機器で計測した際に
余りに数値が低く出ると、トーニングの効果がとても出ずらいと感じます。

このような乾燥肌の方の場合、
イオン導入を行ってからのレーザー照射が本来必須です。

レーザーを照射するということは、例え低出力レーザーのトーニングであっても
皮膚の細胞にとって少なからずストレスを与えることになるので、
レーザーによりメラニン色素が破壊される一方で、
新たなメラニンが産生されているという説があります。


●メラニンの産生量>メラニンの破壊 ⇒ つまりしみの悪化

●メラニンの産生量<メラニンの破壊 ⇒ つまりしみが薄くなる

という図式が成り立つとすると、
ビタミンCやトラネキサム酸をあらかじめ肌に入れておくことで
メラニンの産生を前もってブロックしてしまうという手段が有効と考えられます。

また、トーニングにより水分が消費され肌が乾燥サイドに傾くと
皮脂腺が肌の乾燥に反応する形で皮脂を分泌してくるため、
一時的にニキビができやすくなったり湿疹が生じます。

湿疹については、施術後にお渡しする軟膏を塗布するとすぐに収まりますが、
ニキビが長引くのは煩わしいという方には、レーザー照射後に
イオン導入を行うことで施術後の肌荒れを予防します。


まとめると イオン導入は目的によって

・トーニングの効果を上げる目的 > トーニング前に導入
・トーニング後の肌トラブルを抑える目的 > トーニング後に導入

となります。

<トラネキサム酸メソセラピー>
レーザー照射と合わせてトラネキサム酸の注射液を
ダイレクトにしみの濃い所の皮膚に打ちます。

イオン導入よりもさらに積極的に外から有効成分を入れる方法ですが、
何回か針で刺すのでわずかに腫れてしまいます。

翌日にはかなり落ち着きますが、たまたま針が血管に当たると
うっすら青くなることもあるので化粧でカバーしましょう。

直打ちは、イオン導入よりも当然高い効果が得られますが
当院でレーザー治療を希望されて来られる患者様の中には、
レーザーなど照射系はOKだけれども注入系は絶対NGという方も多くいらっしゃるため
この治療法を行える患者さんは実際限られます。

ヒアルロン酸やボトックスなど注入系治療に慣れた方向けの方法ではありますが、
これらの患者さんにとってはなかなか評判のよい治療です。

より早く確実にトーニングの効果を手にしたいという方はトライしてみて下さい。

ちなみに逆に、美白系の治療でトーニングとの相性が悪いと考えられるものに
トレチノインとピーリングがあります。

ピーリングなどで皮膚の角質を剥いた状態では
皮膚に軽い炎症があり、また角質のバリア機能が弱くなっている可能性もあるため
レーザーを当てた時の反応が読めません。

皮膚に既にストレスが掛かっているところに
新たにレーザーというストレスが加えると、しみを悪化させる可能性は充分あります。

これらの治療を他院などで既に行っている最中の場合には、
レーザートーニングを同時に行うのは好ましくないと考えられるので
必ずお申し出ください。

その他、全ての患者様に推奨しているわけではありませんが、
フォトフェイシャルとトーニングを1度にダブルで掛けるという方法が存在します。

当院ではこの手法を「ダブル・フェイシャル」と名付けて行うことも稀にあります。
より早く高い効果を実感したい方の場合やってもよいでしょう。

但し今までに、トーニング、フォトフェイシャルを
ある程度回数経験されている方ならやっても問題ないと思いますが、
一度も照射系の治療を受けたことがない方がいきなり二つを組み合わせて行うのは
リスクを伴います。

ニキビ・湿疹がなかなか引かないなど思わぬ反応を引き出す可能性があります。

皮膚にかかる負担が大きくなるため施術の間隔も1ヶ月以上は明けた方がよいです。

また、続けて行うことでしみも改善され肌質も良くなると
いいことばかりのようにも思えますが、本当はいったいどちらが効果を
発揮しているのかよく分からないという疑問が残ります。

さて長くなりましたが結論です。

上記のうちしみ・肝斑治療として当院がベストの組み合わせと考えるのは、

しみ内服を続けながらトーニングを定期的に行い、
トーニングの前(又は後に)に毎回トラネキサム酸 and/or
ビタミンCのイオン導入を行う方法です。

フルコースもしくは三位一体のしみ治療とでもいいましょうか。

3つの手段を組み合わせる相乗効果により、
しみ抜きの効果を飛躍的に高めることが可能となります。
より詳しい当院のしみ・肝斑治療一覧もご覧ください。



(2016年7月追記) 最近のレーザートーニングによる症例を追加掲載します。

▼しみが気になるため来院された40代の女性です。

しみとあわせてドット上、斑状に色素が濃縮された濃い個所が見られ、
これらは大半が肝斑であると判断し、レブライトによるレーザートーニングのコース治療と
トランサミン、シナールによる内服をセットとして治療を行いました。
右は6回目の照射後ですが、かなりしみ、肝斑が薄くなってきています。
また色素沈着だけではなく赤みも改善しています。
レーザートーニングは、しみ・肝斑治療とあわせて赤み軽減、毛穴の引き締め、
肌ツヤの改善などにも効果的です。


▼目元の肝斑や鼻・頬のそばかす等を気にされて来院されてた40代の女性です。

右は3回照射後の写真です。まだまだ治療途中ですが、全体的に肌のトーンが明るくなっており、
さらにそばかすやしみ、肝斑が少し薄くなってきています。
内服をセットすることでよりスピーディに効果を実感することができますが
もちろんレーザートーニングのみでの治療も可能です。
具体的な治療プランについては事前のカウンセリングの際にお気軽にご相談ください。
当院へのご予約はこちらからどうぞ。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名①:レーザートーニングによるしみ治療 
費用:22,000円/回 3回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療名②:内服薬によるしみ治療(トランサミン・シナール・ユベラ)
費用:トランサミン 3,300円/28日、シナール 1,100円/28日、ユベラ 1,100円/28日 
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:浮腫みなど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士