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3Dレーザートーニング(3次元レーザートーニング)

2015年06月29日(月) | カテゴリ: しみ
しみ、肝斑などに効果を発揮するレーザートーニングは、
当院の人気メニューの一つです。

最新トーニング機「レブライト」は従来機と異なり
いろいろな打ち方が出来るので、その組み合わせで様々な効果を発揮します。

トーニング機としての打ち方は主に分けると2通りあります。

1)従来通りの打ち方(シングルパルス)
2)シングルパルスと同じ時間内に、
 2分割して従来より大きなエネルギーで打つダブルパルス(PTPモード)

従来機では、照射面のスポットサイズを6mm固定として、
パワー(ジュール数)を徐々に上げていき
肝斑や他のしみを悪化させないレベルの出力を探ってゆくという方法が一般的でした。

ただ、クリニックによってはスポットを6mmより絞って、
出力を強く当てるなどの工夫しているところもあると聞きますが、
メーカー側が蓄積したデータに基づいたものではないので
自己流の手探りな感じは否めずしみの悪化などリスクを伴う可能性もあります。

これに対し、レブライトはダブルパルスモードを用いた場合、
スポットサイズを連続的に変化させるとそのサイズに合わせて
「最も適切な出力」を機械が自動で計算ではじき出します。

この数値はこちらでの変更は不可能で、(安全性確保のためと考えられる)
そのエネルギー(J/cm2)は、通常のトーニングよりもかなり高めの値が表示されます。

高めのエネルギーではありますが、
1峰性ではなく2峰性に2分割して打つことでピーク時のパワーをあまり上げることなく照射し、
しみを不用意に刺激し悪化させるのを防ぎます。

という中で、私自身も疑問に思っていたのですが
従来の6mmスポットの単発1峰性の打ち方(シングル)と
PTPでの2峰性の打ち方(ダブル)とでは、どちらがより効くのでしょうか?

最新鋭機レブライトを導入して半年あまりですが、
様々な打ち方を試してみて感じたことがあるのでここにまとめます。


※今回は、下記のようなパターンを比較しています。

パターン1:
従来通りの6mm, 2.5-3.0Jくらいまでの打ち方(シングルパルス)で3パス(3周)

パターン2:
従来の口径6mm, 2.5-3.0J で1パス + PTPモード(ダブルパルス) 口径8.5mm, 7.5mm で2パス(計3パス)

パターン3:
PTPモード(ダブルパルス)の口径8.5mm, 8.0mm, 7.5mm (3パス)

「1.従来の打ち方単独」
「2.従来の打ち方とPTPモード(ダブルパルス)の混合」
「3.PTPモード(ダブルパルス)単独」

と比較して反応を見てまいりました。


結論から言いますと、どのやり方でもある程度効果が得られます。

しかし、しみのタイプと年齢によっては
一定の傾向があり打ち方との相性があるように感じます。

これは、まだまだ症例を重ねないとはっきりとしたことは言えませんが、
あくまで現時点での所感としては

1.40代後半以上の年齢で、日光斑と肝斑、色素沈着、場合によっては
 ADMなど様々なしみが混ざっているようなタイプでは
 PTPモードのみか従来のシングルパルスとPTPを混ぜて打つと反応が得られる。

2.年齢40代前半までで、肝斑がメインの場合は
 PTPモードで反応がないか悪化が見られることがあるため
 シングルパルスで2.7J付近で当て続けると効果が得られる。

3. 年齢40代前半までで、典型的な肝斑とは言えないが顔全体の薄い日光斑があり、
 軽い色むらを整えたい場合はシングルパルスの方が結果が出やすい。

4. 年齢40代以上で、しみや色むらが気になるというよりも
 皮膚にハリツヤを与えたり、毛穴を引き締めたいという
 いわゆる肌若返り(リジュビネーション)効果を期待している方の場合
 シングルパルスとダブルパルスでは、ダブルの方が早く効果を感じやすい。
 (早いと初回で感じられる。)

などといった感じです。

また、更に現在考えている点は、

「メラニンが存在する深さに、
より特定の深さを狙ってピンポイントで集中的に効かせるのが良いのか?」

あるいは

「逆に表層から深い層まで連続的に全層にまんべんなく効かせるほうがいいのか?」

ということです。

ADMのような深い層にあるしみでも、
表面にうっすらと浅いレベルの色素斑が乗っかっていることもあり悩ましいところです。

これには、フォーカスの距離や、
シングルパルスで打つのか、ダブルパルスで口径を1回1回連続的に変えながら
打った方がいいのかなど、様々な要素が関係してくると思います。

サイノシュア社の回答によれば、口径を大きくすると
パワーの単位はJ/cm2とエネルギー密度で表されるため、
照射面積が大きいほどたくさんのパワーを皮膚の中に送り込むことができるとのことで
今まで分解できなかった深いレベルのメラニンも破壊出来るはずとのこと。

ただ、一般的なレーザーの光学的な性質として
口径を絞って小さくした方が奥まで届くという説もあり、

大口径と小口径、
フォーカスの距離を変える(照射面を皮膚から近づけたり、遠ざけたり)など、
様々な方法を試みつつより確実で高い効果を得るべく試行錯誤を日夜繰り返しています。

(しかし、仮にどのような打ち方であったとしても
 効果が全くなくなってしまうということはありませんのでご安心下さい)

現在の仮説としては、表層から深層まで様々な層のメラニンを消すために
連続的な深さにエネルギーを入れることが出来れば
あらゆるタイプのしみに対し効果を発揮出来るようになるかもと考えております。

このようなトーニングのコンセプトを、
当院では「3次元トーニング」or「3Dトーニング」と名付けて行っています。

一定の深さに対する平面的照射ではなく、
3次元的な奥行きをもったトーニングという意味です。

具体的には、1回のセッションで3パス打つ中で
シングルとダブルを組み合わせて打ったり、ダブルで口径を連続的に変えながら打っています。

下はダブル8.5mm>ダブル>8.0mm>ダブル7.0mmとして5回照射を終了したところです。

左の列が照射前、右の列が照射後の写真です。
※当院のレーザートーニングの詳細はこちらです。


0000000 ※レーザートーニング(しみ・肝斑治療)の効果を上げるコツについてはこちら。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:レーザートーニングによるしみ治療 費用:22,000円/回 5回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ



監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士