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みずほクリニック院長ブログBlog

わき汗手術の術中写真

2015年08月17日(月) | カテゴリ: 刺青・傷跡修正など
※今週のブログは、リアルな術中写真を含みますので
 不安な方はご注意ください。

当院のわき汗手術、つまり汗腺(アポクリン腺)の除去は、
保険と自由の両方のプランがあります。

費用が安く済むこともあり
現在はほとんどの方に保険診療で行っています。

保険診療でも充分に成果をあげることが出来ておりますので、
よほどこだわりのある方以外は保険によるわき汗治療でよろしいかと思います。

このわき汗の治療は、
私は30年以上行い続けていますが今までに

「効果がなかった」
「あまり変わっていない」

などと患者さんからクレームを言われたことは正直一度もありません。

しかし、当院を訪れる患者さんからは、
「他院で保険でわき汗の手術を行ったけれども全く変わらなかった」
というご相談をかなりの頻度で受けます。

手術で直視下に、アポクリン腺を物理的に除去するのだから
いくらなんでもそんなこと本当にあり得るのだろうか?
と当初はかなりいぶかしんでおりました。

そこで不思議に思い、
患者さんにどのくらいの時間をかけて手術が行われましたかと聞くと、
みな一様に口をそろえて「両脇が30-40分くらいであっという間に終わった」
とおっしゃいます。

なるほど、そういうことかと合点がいきました。

わき汗のアポクリン腺除去は、きちんとおこなった場合
本来最低でも1時間から2時間はかかる長丁場の手術です。

それが、本来の手術時間の約半分以下で終わったということは、
アポクリン腺を真面目に取りきっていないか
充分な範囲の皮膚剥離を行っていないかのどちらかということだと思います。

手技のスピードに自信のある術者なら、
いいやそんなことはない30分で充分終わると言い張るかもしれませんが、
それでも結果が伴っていないのは事実なのですから言い訳は出来ない状況です。


ただ患者さん側で、臭いに非常に敏感な方や元々の汗の出方が激しい方の場合、
「まだ臭いがする」「まだ汗は少し出る」というケースは今までに経験したことがありますが、
これと「変化が全く感じられない」というのは違うレベルの問題のような気がします。

何か、手抜き工事というか、きちんと行われていない、
いくつかのステップを省略したようなはしょった手技で行われているからこそ
そのような短い時間で終わっていると考えるのが妥当です。

わき汗手術を保険治療で行った場合、
クリニックに入る金額は自由診療で入る金額と3倍から4倍も違うため
手術を行う医師も時間で利益を計算し、1時間以上も時間をかけるのは
とても労働に見合わないと判断しているのが実際なのではないでしょうか? 

あるいは、クリニックのオーナー(医師ではない)から
医師に対してこれこれの治療は何分以内に仕上げるようにという
指示が出ている可能性もあるでしょう。

○○クリニックの△△院長とうたっていても、
結局はバックにオーナーが出資者としてついているケースが非常に多いため
オーナーが医師ではない場合は経営方針として
そのようにならざるを得ない面もあろうかと思います。

少し前ですが、ある美容医療関係の方から、
わき汗手術を受けたけれども術後に再発してしまうという問題があるため、
実際にアポクリン腺の除去を行った後に皮膚の裏面がキレイになっている
術中写真を患者さんに見せて納得して頂くという方法もあると聞きました。

当院としては、たとえ保険治療であったとしても
お金を頂くからにはアポクリン腺を有毛部の範囲で
ほぼ完全に近い形で除去しているという自信をもって行っているので、

果たしてわざわざそこまでする必要があるだろうか? と一瞬は思いましたが
世の中でこの治療に対する不信感というものが徐々に形成されつつある今こそ、
あえてそのようなサービスを行うことで患者さんとの信頼関係を構築し
治療の質を高めることにつながると考え、実際に毎回行っています。

いったんは患者さんに見たいかどうかを確認はしますが、
希望があれば撮影画像をその場でお見せし、さらに印刷してお渡しすることもあります。

もちろん、
「血液の付着したアポクリン腺などとても気持ち悪くて見たくない!」
という方もいるのであくまでご希望があればということになりますが。。。

下の写真は左がアポクリン腺を除去する前の写真で、
毛根のレベルに黄色い脂肪に混じって赤い粒が密生しており
肉眼で見えるアポクリン腺です。



右側が、アポクリン腺を除去したことで見えてくる
白いツルツルの真皮面を示します。

光沢があって貝殻の裏面のようだと誰かが言ってました。

ところで現在手術によらない治療法として
さまざまな方法(電磁波、超音波など)がありますが
困ったことにこれらの方法は、治療を受けた直後は効果を実感できたとしても、
半年から1年すると汗の量・臭いが再発する可能性がかなり高い治療です。

一度でもそれらの治療を受けてしまうと、上の写真の赤い粒状の組織が
バラバラに破壊されてアポクリン腺が散らされた状態となってしまい、
粒の塊の構造がもはやなくなってしまっているため
(しかし、アポクリン腺は依然として生きている)
手術によってももはやアポクリン腺の摘除が難しくなってきます。

先日も他院でマイクロリムーブを受けたけれども
全く効果がなかったという患者さんのオペをしましたが、かなり大変でした。

組織が瘢痕化して硬くなっており皮膚を裏返すのも一苦労で
さらにやたら出血しやすくなっている上に、
アポクリン腺を粒状の塊として除去することが難しかったです。

それら非侵襲をうたった治療は、いいことばかりを強調しますが

・金額が高額である点(最低30万円以上)
・ほぼ再発してしまう点
・後々手術で完全な汗腺除去が難しくなってしまう点

などを考えると二重三重に罪の重い治療法と言えます。

それに対して保険によるわき汗手術は、

・費用が格段に安い。(3割負担で手術代35000円前後)
・再発率はほぼゼロに近い

というメリットがあり、
永久的な効果を求めるならやはり手術が鉄板かつ王道です。

デメリットは線状の傷跡が4cmくらい残る点ですが、
1年もするとわきのシワのラインにまぎれてほぼ分からなくなります。

美容医療の中にあって最も方法が確立され
かつ効果の約束された治療の一つがこのわき汗手術ですので、
雑誌やテレビなどの華やかな広告や大げさな宣伝文句に惑わされることなく、
確実な結果を出せるクリニックと治療法を選んで頂ければと思います。

当院のわき汗治療(保険/自由)はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:わき汗反転剪除法(保険) 費用:114,600円 (自己負担34,380円)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、皮膚壊死、皮膚の傷跡、後戻りなど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士