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下まぶたの若返り治療(クマ編)

2015年08月03日(月) | カテゴリ: 目の下のくま
前々回、上まぶたの若返り治療のお話ししましたが、
今回は下まぶたの若返り治療について触れます。
なお、上まぶたのくぼみ解消についてはこちらのページでも解説しています。


下まぶたのお悩みで、
当院でご相談を受けるもので多いものは、

1.クマ
2.たるみ
3.しわ
4.目袋(下まぶたのふくらみ)
5.しみ・色素沈着
6.目周りの出来物

などがあります。

「下まぶた」と一言に言ってもこれだけ多岐にわたるわけで、
全てについて話すとさすがに長くなるので、今回はクマの治療にしぼります。

クマのように見える原因としては、

・線状のくぼみがある。(瞼頬溝)
・目袋がある。
・下まぶたにしみがある。
・下まぶたに深いしわが入っている。
・下まぶたにたるみがある。(皮膚のゆるみと余り)
・静脈、筋肉の色が透けて見える。
・下まぶた全体に色素沈着がある。

などがあり、上記のそれぞれが単独で存在するというよりは
複数で混在しているケースが多いです。


1.の「くぼみ」は、クマの原因として一番多く見られます。

皮膚と皮下組織がゆるんで下方に下垂するとことで、
目の下のボリュームが不足して線状の凹みとして見えます。

目の周りをクッションのように包んでいる
脂肪(眼窩脂肪)が表に突出している状態、
つまり「目袋」とあわさることで余計にくぼみが目立って見えます。
(山と谷の高低差の関係です)

また、若い方の場合、目の下にくぼみがないのに
線状の影が入るのはこの目袋が前方に出ているため、
相対的に目袋(山)の下の高さが低くなり
そこに線状の影が入ることでクマとして認識されます。

(下図参照)

加齢のサインといわれるクマと目袋ですが、
20代後半から既に目袋とクマの両方があり目元が老けて見える場合もあります。

寝不足のように見えたり、特に疲れていないわけではないけれども
疲労感を強く感じさせる目元となります。

また、日光性のしみや肝斑が
目の下のクマのラインに線上に並んでいる場合には、
上記1、2のような凹凸が治療により改善したとしても
色味が残ってまだクマ(くぼみ)が残っているように見えることがあります。

もしレーザーフォトフェイシャル等で取れるタイプのしみなら、
そのまま取ってしまえばこの問題は解決します。



さらに難しいのが、下まぶたの皮膚にたるみがある状態で
ちょうどクマの位置に細いしわの線がクッキリと入っているケースです。

凹みや色味がなかったとしても、
患者さんの認識としてクマが入っていると相談を受けることがあります。

ヒアルロン酸などの注入物により
これら下瞼の細いしわを伸ばそうとすると逆に膨らみが生じて
目袋がかえって目立つようになり、目元が老けて見えてしまいます。

この部分の小じわを目立たなくしたいなら、
炭酸ガスレーザーの照射により皮膚にハリツヤを与え引き締める
「マドンナリフト」
がお勧めです。


下まぶたの小じわは手術によってもなかなか取るのは難しいのですが、
3回ほど照射するとかなり目立たなくなってきます。

また、しわだけでなく皮膚の質感自体も照射部全体で良くなり
回数を重ねるたびに表面が滑らかでつややかな皮膚になってきます。

さらに下まぶたたるみがあると、仮に瞼頬溝の凹みがなかったとしても
たるんだ皮膚と正常な頬の皮膚にくっきりと境界線が生じ
これもまたクマとして見えることがあります。

この場合はマドンナリフトもしくはたるみ取り手術の適応です。

このように患者さんが「クマを治して欲しい」といった場合
その原因は様々なものがあります。

美容外科医として欲を言えば、手術でたるんだ皮膚を切除したり、
眼窩脂肪をクマへ移動したり眼輪筋の引き締めをしたりした上で、
残った細いしわにヒアルロン酸注入まで行えばほぼ完璧な結果を得られますが、

それは言ってみればあくまで
こちら側の願望・都合(ここまでやればよくなるのに!という思い)であり、
患者さんのニーズとはまた別なものです。

そもそも昔と違って若返り治療を希望される患者さんで
メスを使った手術を受けてみたいという方自体、
昔に比べるとかなり減りつつあります。

そこでやはりなんと言ってもこの部位の治療で一番手軽で
かつお勧めな治療は、下まぶたのクマへのヒアルロン酸注入です。


クマへの脂肪注入もありますが、
体の他所から脂肪を採取することで負担がかかる点と、
1回では100%注入した脂肪が生着して残るわけではないので
複数回の治療が必要な点がネックです。

また、目のそばであっても安全に注入が可能ですし
腫れも上手く入れるとほとんどありません。

痛みに弱い方の場合、鼻の横にブロック注射(眼窩下神経ブロック)を
前もって行うことでほぼ無痛で注入が可能です。

その他、塗り薬の麻酔を注入前に塗布することで、
ブロックとの組み合わせにより痛みをさらにゼロに近づけます。

この部位のヒアルロン酸注入もクリニックよってかなり結果に差が出ます。

結果というのは、いかに

・腫れ、内出血を抑えて注入するか
・凹凸なく滑らかに仕上げるか

の2点です。

腫れ・内出血は、針を刺す角度や針を進める時の進め方なども
テクニック的には重要ですが、私が重視しているのは痛みのコントロールです。

というのも痛みを感じると患者さんは間違いなく、
血圧が上がるため内出血が生じやすくなります。

また、力が入って目周りの筋肉が緊張すると
針先が血管にヒットする確率が上がります。

そのような意味で前もってブロック注射をするのは、
単に痛みを除去するだけでなくよりよい結果を得るためとも言えます。

また、凹凸なく滑らかに仕上げるためには注入の深さが重要で
深く骨膜レベルに入れて全体的にふっくらさせた上で、
わずかに皮膚表面にしわが残っていれば
そこにごく微量のヒアルロン酸を気持ち入れるようにします。

一方、皮膚のすぐ下の深さには血管の豊富な眼輪筋があるため
そこへの注入は極力避けるようにようにすることで内出血を防ぎます。

実際の症例ですが、下の写真は40代の女性で
下まぶたのたるみとクマを気にされて当院を受診されました。

たるみ治療は基本的に、手術かマドンナリフト(レーザーによる引き締め)
以外の方法で除去することは難しいのですが、
ヒアルロン酸注入でクマが目立たなくするだけでも目元の印象がずいぶん違います。




左が注入する前で、右が注入後1ヶ月目に撮影した写真です。
目の下のクマの影がかなり薄くなっており、
長年の悩みが解消されたとおっしゃり満足されていました。

この部分の内出血を防ぐ手段として、
かつてはピクセルカニューレという先の尖っていない丸まった針が良いとして
使われたことがありますが、おすすめ出来ません。

先が鈍なわけだから、一見出血しないといことは
いかにも理にかなっているように思えますが、

そもそもピクセルカニューレ自体が通常の針よりも太いということと、
実際には皮膚面にそこそこの大きさの穴を開ける際に注射針を使う点
および鈍針のほうが鋭利な針先よりも組織内を進む時に抵抗が大きくなることなどで
実はかえって出血がしやすくなることがもう既に知られています。

いまだに、オプション設定として5000円くらい別途に料金を取って
使っているクリニックがありますが、結果は極めて悪いと言わざるを得ません。
(別な用途に用いるならピクセルカニューレの価値自体を否定はしませんが)

他院で腫れないという説明でプラスで余分にお金を払ったのに
パンパンに内出血で腫れてしまっている患者さんを見かけるたびに
本当に気の毒にと思います。気をつけましょう。

この部分の治療としてヒアルロン酸注入がお勧めな理由として、
上まぶたのくぼみ治療の記事でも書きましたが)
目周りのヒアルロン酸は原因は分かっていませんが
溶けるまでの持ちが比較的長いということが言えます。

当院でお勧めしているジュビダーム・ウルトラならもちは6ヶ月から9ヶ月ですが、
実際もっと長くもつこともあります。

また、もし予算に余裕があるなら、深層にウルトラよりも
さらに持ちのよい(ジュビダーム)ウルトラプラスを入れて、
その後に浅層にウルトラを入れる。
(※ウルトラプラスは、ウルトラより固いため浅層にはむかない)

または、深層にウルトラプラスより
さらにもちのよいレディエッセ(ノリ状人工骨)を入れて、
その後に浅層にウルトラを入れるなどの贅沢な打ち方も可能です。

当院のジュビダーム、レディエッセの料金は
都内平均価格の約半額で出しているので、
他院での1本分相当の予算で異なった注入物2種類を
同時購入して組み合わせることで
よりクオリティの高い注入を行うことも出来ます。

従来より1ランク上のクマ治療を希望される方は是非お試し下さい。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:下瞼のくぼみ治療(ヒアルロン酸注入) 費用:88,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、皮膚面の凹凸、アレルギーなど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士