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ニキビ外用薬としてイチオシのアゼライン酸

2015年11月30日(月) | カテゴリ: ニキビ・ニキビ跡
今回はニキビ治療薬についてのお話です。

ニキビ治療の外用薬としては、

1.ダラシン・ローション(保険診療)
2.ディフェリン・ゲル(自由診療)
3.トレチノイン(自由診療)
4.ベピオゲル(保険診療)

などがメジャーです。

ダラシンは、抗生物質のため炎症性ニキビに対して
赤み・痛みなどの炎症症状を抑える程度の効果であり、
いわゆる対症療法の一つで根本的に頑固なニキビをを治すまでには至りません。

トレチノインおよびディフェリンは、ビタミンAないしその誘導体であり
角質を剥くピーリング効果により角栓を除き、皮脂の毛穴からの排出を
スムーズにしたり、皮膚の代謝を正常化する、皮脂の分泌を抑制するなどの
メカニズムで、確かにニキビ治療に有効です。

しかし、角質をむくことで赤みが出たり、皮膚が乾燥したり、かゆみが出たり
いわゆる「A反応」と言われる副作用が出る点がネックです。

*A反応のAは、ビタミンAのAです。

赤いニキビがもっと赤くなるため、鏡で自身の顔を見た患者さんが
ニキビが悪化しているというネガティブな印象を抱いてしまって、
途中で辞めてしまうことがも多いです。

にきび肌の方は、乾燥とそれに対する反応としての
皮脂の過剰分泌が混在するパターンが多く見られ、乾燥すると聞いただけで、
治療前に既に拒絶反応を示す方もいらっしゃいます。

最近ヒルドイドで有名なマルホから新しいニキビ治療薬として
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)が保険適応のにきび治療薬として発売されました。

まだ試していませんが、説明書を読むと
やはり赤みや表皮剥離(落屑)があることが記されており、
患者さんが長く続けられるかどうか難しい要素があるように感じます。

この薬については、どれくらい効果があり、副作用がどの程度のものか
近々取り寄せて、実際に使ってみて結果はブログで報告する予定です。

赤みをほぼ出さずに、相応のニキビ治療効果を出せるものとして
当院で勧めている外用薬は、(少々渋い選択となりますが)アゼライン酸です。

目薬で有名なロート製薬から出ている、「DRX AZAクリア」という商品になります。

製品分類上、医薬品ではなく化粧品とはなっていますが、
だからと言ってなかなか侮れないくらい良い効果を発揮します。
実は世界的にはかなり昔から使われている製品であり、
元々はメラニン生成抑制作用があるので美白剤として使われていました。

しかし、美白剤としての臨床試験中に全くの偶然に
ニキビを治す効果があることが発見されたのです。

その仕組みは、古い角栓を除去し
アクネ菌(ニキビ菌)への抗菌活性によるものです。

欧米では、実はビタミンA類の医薬品の次に推奨されている成分なのだとか。

効果が期待出来るにもかかわらず、ビタミンA類に見られるような
皮膚に生じる赤み、かゆみ、ヒリヒリとした刺激感がほぼないことが売りです。

また、ビタミンA類は妊娠中の女性や妊娠の可能性のある女性には
催奇形性のリスクから推奨はされていませんが、
アゼラインはこれらの女性にも安全に使える薬です。

さらに、元々美白剤であるためにニキビ跡の色素沈着や赤みに対しても
ある程度の効果があることも特筆すべき特長の一つです。

アゼライン酸は穀類や酵母に含まれる成分であり
私たちが普段口にしている天然由来の酸です。

酸ゆえにわずかな刺激感がありますが、使っているうちに慣れてしまうレベルのものです。

当院では、内服薬フォトセラピー(IPL・光治療)レーザーニキビ専用光治療(クリアタッチS)
ピーリングイオン導入など様々なニキビ用スキンケアの手段を取りそろえていますが、
数ある外用薬において、確かな効果と少ない副作用という点で
このアゼライン酸もイチオシです。

※ニキビ治療詳細についてはこちら。

※当院のフォトセラピー(IPL・光治療)によるニキビ治療結果も参考までにアップします。
 ICON(アイコン)という最新の機種を使用しており比較的効果も良いです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:アイコンによるニキビ治療 費用:22,000円/回 6回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士