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結果重視の眼瞼下垂治療なら皮膚切開法がベスト

2016年10月31日(月) | カテゴリ: 美容外科, 二重整形・眼瞼下垂・目元
眼瞼下垂(後天性)治療と言えば、皮膚切開を行う腱膜前転法(腱膜短縮法)が本来の治療法です。

この治療とあわせて、かなり前からになりますが、

1. 経結膜的な腱膜短縮法ないしミュラー筋短縮術
2. 埋没法による腱膜短縮法

などの方法もあります。

1(経結膜的な腱膜短縮法orミュラー筋短縮術による眼瞼下垂治療)は、
皮膚を表面から切開せずに上瞼をめくって裏面から切開して挙筋腱膜なりミュラー筋を短縮するので、
皮膚面に傷跡が残らず、腫れ・内出血が少ないのがメリットなのだそうです。

しかし、実際にこの手術を見たことがありますが、
皮膚切開を行う手術と同等かむしろそれ以上の腫れ・内出血が生じていました。

治療を行ったのは、当時手術の名手と言われた某先生でしたが、術後の状態を拝見したところ
術後の結果も正直決して芳しいとは思えませんでした。

ちなみにこの先生は、これ以外の手術結果は素晴らしい方ですので、
手技的には全く問題はなかったと判断します。

つまり、ある程度の技術を持ったうまい人がやったとしても、
この方法では結果が出せないことがありうるということです。

裏面から挙筋腱膜やミュラー筋を短縮する眼瞼下垂治療の問題は、
目の開きの程度を微調整するのが難しい(特に左右差を合わせるのが難しい)のと、
通常の表側から治療する方法と比べると止血がやりづらく、皮膚切開による治療と比べて
腫れ・内出血を少なく抑えられるというのはどう考えても無理があるため誇大広告の疑いありです。

また、切開二重術、逆さまつげ手術、眼瞼下垂手術、上瞼たるみ取り手術を含め
上瞼の切開系手術において皮膚面の切開でアプローチしても「傷跡が目立つ」と言うご不満を言われたことは
私の22年のキャリアにおいて、今だ一度たりともありません。

この部分で仮に傷跡が目立つとすれば、上瞼のたるみ取り、つまり余った皮膚の切除手術において、
目尻の外側(こめかみ方向)まで、切開を伸ばし過ぎたため傷跡が二重ラインに隠れずに見えてしまうという
ケースですが、それ以外で傷跡が目立つということはまず考えられません。

上瞼は血流が豊富で傷の治りがよく、薄く伸展性に富むなどがその理由です。

そもそも、二重手術をしていない生まれつきの二重の方でも、
目を閉じたときに二重ラインの生じる場所にスジの入っている人はいくらでもいるわけで、
そこに線が残っているからと言って全く不自然と感じられることはありません。

一方、2.(埋没法による腱膜短縮法)の切らない眼瞼下垂手術ですが、
実際にこの治療で行っていることは、埋没法で余った皮膚を上方に折り込んで
皮膚のかぶりを取っているだけのケースがほとんどです。

これは、年配の方でも若い方でも上瞼の皮膚が余っているケースはよくありますから、
埋没法であたかも目ヂカラがついたかのように見えるわけです。

つまり、通常の埋没法なのに「眼瞼下垂改善」「眼瞼下垂治療」というネーミングをつけることで、
全く異なる手術として割増料金をとっているクリニックがあるということです。

また、糸を掛けるコースを工夫して若干の挙筋短縮効果を得ることも出来るには出来ますが、
実際に施術した患者さんの声を聞くと、「全く変わらなかった」もしくは「一瞬よくなったが、
すぐにまた戻ってしまった」などの声がほぼ全例のため、あまり強くお勧め出来る手術ではありません。

ということで、私は頑固なようですが、
腱膜性の眼瞼下垂(後天性)にはやはり皮膚面からの切開法による腱膜短縮法が、
効果の確実性の面でベストと患者さんに説明しています。

どうしても、上記2つの治療法は患者さんへのアピールのみを目的としており、
結果がそれに伴っていないというふうに感じてしまいます。


下は、年齢とともに両目ともに目の開きが悪くなった46歳の女性です。

1
上瞼のくぼみとたるみがあり、しわが目立ち、広い二重のせいでなおさら目が眠そうに見えます。
典型的な腱膜性眼瞼下垂の目です。

オーソドックスな、皮膚切開による腱膜短縮法を行いました。


そして、上が手術後1ヶ月目の状態です。

黒目の見えている面積で比較すれば、目の開きが改善されたのは明らかであり、
さらに上瞼のくぼみ、たるみ、広い二重などいくつものトラブルが同時に改善され、いいことずくめです。

目元の印象がガラリと変わり、若々しい雰囲気を取り戻したと言って喜んでもらえました。

美容に限らず、医療にはその時代の流行り廃りは確かにありますが、
皮膚切開による腱膜短縮法は眼瞼下垂手術のゴールデンスタンダードとして、
今後もその地位がゆるぐことは決してないことでしょう。
当院の眼瞼下垂治療詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:眼瞼下垂治療 費用:50,000円(両目・保険適用)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、皮膚の傷跡、後戻り、左右差など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士