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鼻筋を高くするにはプロテーゼがベスト

2016年11月14日(月) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
「鼻を高くしたい」というリクエストを頂くとき、
それが「鼻先」なのか、「鼻筋」なのか、もしくはその両方なのかで行うことが異なってきます。

パターン別に分けると、

・鼻先: 鼻尖耳介軟骨移植 and / or 鼻尖修正 and / or 鼻中隔延長
・鼻筋: ヒアルロン酸注入レディエッセ注入鼻プロテーゼ、耳介軟骨移植
・鼻先と鼻筋: 上記の組み合わせ

が当院で推奨する治療手技です。

鼻先には、注入物を注射してもほとんど変化がないという認識が
一般の患者さんの間にも既に浸透しつつあります。

いまだにこれをやっているクリニックがあるのはむしろ驚きです。
鼻先については、手術こそが高く出来る唯一の方法であると断言しておきましょう。

ところで、鼻尖耳介軟骨移植や鼻中隔延長において鼻先が前に出て高くなるのは
イメージがつかみやすいかと思いますが、これに鼻尖修正を加える意味はいったい何なのでしょうか?

それは、1つには鼻先に皮下組織が多く丸いと鼻先がより低く見えてしまうので、
鼻尖修正によって鼻先を痩せさせ、シャープにすることで、
鼻尖耳介移植や鼻中隔延長の効果をより大きく見せるという「視覚効果」を狙うと意味と、

さらに、鼻先に軟骨を移植する際に移植の土台の鼻翼軟骨が左右に広く開いていたり、
柔らかく強度が充分でないと、移植した軟骨が下に沈んで充分に鼻先が前方に出ないなどの問題が生じます。

一般に軟骨は、1枚よりも何枚か寄せて合わせるほど強度が増します。
ベニヤは一枚では弱いですが、合板とすることで強度を上げるのと同じです。

鼻翼軟骨の間にある
余分な柔らかい皮下組織(fibrofatty tissue; 線維脂肪性組織)を除去して、
左右の軟骨を糸で寄せて硬さ・強度を上げることで、耳介軟骨を鼻先に移植した時の土台の強度を高めます。

家を建てる時に、土台の基礎部分をしっかりと強固に作らないと
地震でもくれば上部構造を支えきれずにすぐに倒れるか沈んでしまいます。

そういう意味では、鼻中隔延長まで行うと
軟骨の板を左右の鼻翼軟骨と2枚の移植耳介軟骨の4枚の合板として土台を形成するので、
いっそう移植床の構造を固く沈みにくく作ることが出来るという理屈です。

そして鼻筋についてですが、以前から比べるとプロテーゼ手術は減りましたが、
シャープに細く鼻筋を通し、ある程度以上の高さを望むなら、固形物であるシリコンプロテーゼが
圧倒的に有利です。

同じような理由から、注入物であっても高さを出す時に、
横に広がりにくく細い鼻筋とするのに有利なタイプは、

レディエッセ>固いヒアルロン酸>柔らかいヒアルロン酸

の順になります。

さらに固いものほど出来映えがシャープな上に、
一般に効果の持続期間も長いというメリットを伴います。

しかし、わずかに高くする程度であれば、固いヒアルロン酸でも横に広がり太い鼻とせずに
充分自然な形とラインに仕上げることは可能ですので、お試しください。

また、ヒアルロン酸については万一気にいらなかった場合
溶かして戻すことも出来るという利点がある一方で、
レディエッセは、戻すことは出来ないなど、どの方法がベストとは一概には言えず一長一短です。

また、プロテーゼのような人工物を挿入することに抵抗があるという方には
耳介軟骨をつなぎ合わせることで、プロテーゼのように加工して鼻スジ部分に挿入することも可能です。

注射の場合、1年から2年の間で注入物の補充が必要ですので、
そのような定期的なメンテナンスが煩わしいと感じる方には、鼻筋への耳介軟骨移植をお勧めします。

しかし、耳から取れる軟骨の量には限界があるため、
出せる高さにもある程度限界が生じる点がこの方法の難点です。

昔、形成外科専門だった頃には、交通外傷によって鼻がつぶれて変形したケースなどに
肋骨移植も行っていましたが、現在美容外科では一般的ではなく、固形物を用いるなら
鼻プロテーゼの方が一番簡単かつ結果がよいと言えます。

肋骨では、骨吸収や挿入後の自然変形、そして素材加工の自由度不足など
多くの点でプロテーゼに比べると不利です。

とういことで、鼻筋を通す時にある程度以上の高さを出しつつ最も美しく自然に仕上げるには、
シリコンプロテーゼがベストという意見に多くの美容外科医が異論を唱えないと思います。

さて、下は目と目の間(鼻根部分)から、鼻筋(鼻背)にかけて高さを出して欲しいという
リクエストの23歳の女性です。

人工物の挿入に全く抵抗がないとのことだったので、鼻プロテーゼを勧めました。
鼻先の高さは必要ないとのことで、I型を右の鼻孔縁切開で挿入しています。

 
 

上の段:左が術前正面、右が術後正面
下の段:左が術前左斜め前、右が術後左斜め前

よくプロテーゼを入れると「極端に整形顔になるのでは?」とか、
「不自然になり、ばれるのがいや」などの意見を患者さんから聞きますが、
上の写真を見る限りでは、ごく自然に仕上がっていると思います。

日常見かけるプロテーゼ挿入における不自然な仕上がりの例として典型的なのは、

1.プロテーゼが骨膜の下、深い位置に正確に入っておらず皮下の浅い層に入れられてしまって
形が浮き出てばれている。

2.L型プロテーゼで、L時の角の部分が全く削られて薄くされることなく無加工で挿入されていて、
鼻先がつっぱって形が浮き出ていたり、鼻先が上に向いてしまっている。

などです。

いずれもさすがに昔ほどは見なくなりつつありますが、それでもいまだに時々、
外来にいらした方で他院にて行った上記1, 2のような出来映えのプロテーゼを見ることがあり、
「他の人が見たときにプロテーゼを入れると不自然だと思われてしまう」という誤解の原因の元は
これなのだなと感じます。

私自身プロの目から見て大変気になって仕方がないのですが、
実際尋ねて見ると、意外にもこのような方に限って何故か不思議と本人は全く気にしていないので、
ますます他の人の目にとまりそのような誤解が広まっているというのが残念なところではあります。
当院のプロテーゼ挿入について詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:鼻プロテーゼ  費用:220,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、皮膚の傷跡、左右の非対称など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士