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フォトフェイシャル(アイコン)によるニキビ跡の赤み治療

2019年02月18日(月) | カテゴリ: ニキビ・ニキビ跡
ニキビ治療は、皮膚科・美容皮膚科では非常にニーズの多いご相談です。
その内訳には、ニキビ自体の治療と、ニキビ跡の治療が含まれます。

当院のニキビ治療の場合、一般皮膚科で処方するような抗生物質の内服・外用や
外用薬(デュアック、エピデュオ、ベピオなど)を使うこともありますが、
中等度から重症タイプの頑固な治療抵抗性のものに対しては、
アクネトレント(経口イソトレチノイン)とフォトフェイシャル(IPL)のうち
ニキビに強い機種を組み合わせて根本的治療を行います。

治療期間は5~6ヶ月はかかりますが、根気よくしっかりと治療を
行うことができる方ならば、今のところほぼ100%根治させることが可能です。

そしてニキビが出来なくなった段階において、はじめてニキビ跡の治療へと移ります。

なお、ニキビ跡とニキビ自体の治療を同時進行で出来ないか?という要望をよく頂きます。

もちろん、同時に行うことも出来ると言えば出来ますが、ニキビが軽症ではなく
中等度から重症の場合にニキビ自体の治療なしでニキビ跡の治療のみを行っても、
結局モグラ叩きのようにニキビが次々と生じてくるので、
ニキビ自体を治癒させなくてはきりがないということになります。

ここに誤解がありそうなので、もう一度まとめてみます。

ニキビが中等度から重症で存在してまだ治癒していない状態の場合、
以下3つの治療パターンが想定されます。

1.ニキビ治療→新たなニキビが出来なくなる→ニキビ跡治療(色味、凹凸)に移行
【通常のステップ】

2.ニキビ治療+ニキビ跡(色味、凹凸)の治療
【同時進行は可能(ケースによる)】

3.ニキビ跡(色味、凹凸)治療のみでニキビ治療なし
【意味が無い(きりがない)】


そして、次に重要なポイントとして、ニキビ跡の治療は大きく二つに分かれるという点です。

治したいのは、「色味」なのか「皮膚面の凹凸あるいは毛穴の開き」なのかということです。


皮膚の凹凸、毛穴の開きなどであれば、
フラクショナルレーザーと外用トレチノインの組み合わせが一番効果的でかつ続けやすい治療です。

特にフラクショナルレーザーは、フラクセルや炭酸ガスフラクショナルレーザーなどの
かさぶた、赤み、腫れなどが生じるタイプの機種よりもダウンタイムが少ないため、
患者さんにとって定期的に続けやすく、結果として治療効果を得やすいという特徴があります。

いくら効果的とされる治療であっても1回では結果は出ませんから、
激しい副反応が出て続けられなければ、結局は治療として成立しないのではないか?
というのが私の最近の考えです。

また、アイスピック・スカーと呼ばれる極端にヘコミが深くかつヘリが急峻なタイプの凹凸の場合、
レーザー単独では効果が得づらく、トレチノインの外用を組み合わせて表皮を厚く柔らかくして
レーザーに対する反応性を上げておく下準備を前もってしておく必要があります。
(これは、ダーマローラーでも同じ)

但し、外用トレチノインでは赤みや皮むけ、
刺激感(いわゆるA反応)が激しく生じる方も希にいるため、
本来ニキビ治療で用いている経口イソトレチノイン(アクネトレント・内服薬)を用いることもあります。

そして色味に関しては、2パターンがあります。

主に、「赤い鮮やかな色」と、「色素沈着(茶色)・くすみ」に大別されます。

その治療としては、

▼赤みであれば、赤み治療に強いIPL(アイコン、M22 )、ロングパルスヤグ、VビームIIの
3機種のうちいずれか単独もしくは組み合わせで治療。

▼色素沈着・くすみについては、ニキビ自体が消失してから6ヶ月程度待ち、
しみ治療用内服薬(シナール、ユベラ、トランサミン)、
メソアクティス(電気穿孔法・エレクトロポレーション)、レーザートーニングなどを
適宜必要に応じて組み合わせる。

今回、一例としてニキビ跡の赤みに対してアイコン(IPL)の単独照射で
劇的に改善した症例がありましたのでご覧にいれましょう。



上は、にきび跡の赤みを気にされて当院を受診した24歳の女性です。

Vビームレーザーの場合、内出血(紫斑)や腫れなどの副反応が生じることがあり、
またロングパルスヤグレーザーは強く打つと水疱が生じたりすることがあるので、
このようなタイプのニキビ跡の赤みに対してはフォトフェイシャル(アイコンもしくはM22)から
まずはスタートすることが多いです。

もしフォトフェイシャルで反応が思ったほど得られない時に、
ロングパルスヤグやVビームなどを順次当てて変化を見てゆきます。


上は、1ヶ月ごと5回照射(20msec, 40-42J + 10msec, 38の2pass照射)を行った結果です。
赤みについてはほぼとれています。
ニキビ跡のしみ(色素沈着)とそれ以外のしみがある程度残っていますが、
これらに対してはまた別の治療が必要となります。

ところで、今回まとまった結果が出るまで5ヶ月ほどを要しましたが
実はもっと早く結果をだせるマシンを来月(2019年3月)導入予定です。

ロングパルスヤグの532nm, 1064nmの2波長を搭載した、
このタイプの赤み治療に強い機種;エクセルV(米国・キュテラ社)が入ってまいります。

エクセルVは平均すると2回ほどの照射程度で赤みが取れてしまうとされます。

こちらも1ヶ月ごとの照射ですので、治療完了が2ヶ月と考えると
今までの治療の半分以下の期間で結果が出せるということになります。

これにより、当院の赤み治療の手段がさらに強化されることとなりました。

合計3波長プラスIPL2機種となり、
5つの治療手段という幅広いアプローチが今後可能となる予定です。

エクセルVにつきましても結果が上がってき次第、折りをみて当ブログ内でご報告する予定です。
当院のニキビ治療詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:アイコン(フォトフェイシャル)によるニキビ跡治療 
費用:22,000円/回 ※5回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士