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イボ(ウィルス性)をVビームで取る

2019年06月24日(月) | カテゴリ: その他の美容皮膚科
身体や顔にあるイボを取りたいという相談をいただくことがあります。

ちなみに「イボ」という呼び方は一般名称であり、
患者さんの言うところのイボは、
膨らんだ皮膚の出来物全般を指して言うことが多いです。

患者さんがイボを見てほしいと来られた場合、
実際に診察してみると多いものに、

1.ほくろ(特に色のないものor 薄いタイプ)
2.脂漏性角化腫(セボケラ)
3.脂腺増殖症
4.軟線維腫
5.線維性丘疹(線維腫)
6.ウィルス性イボ(尋常性疣贅)

といったものがあり、
イボというご相談の99%が上記のいずれかに該当します。

あくまで当院外来での話ですが、
他院でも似たような感じの内訳ではないかと予想します。


次に治療法について述べます。

1から5まで(ほくろ、脂漏性角化腫、脂腺増殖症、軟線維腫、線維性丘疹)は、
炭酸ガスレーザーもしくは電気分解法によってふくらみを削り取る治療で
十分かと思われますが、6(ウィルス性イボ)の治療がしばしば問題となります。

このイボはウィルス性のため、削り取ったとしても再発率が高く、
ほっておくと体のあちこちに感染伝播し、
指先・足裏・四肢などにイボが次々に生じて収拾がつかなくなってしまいます。

尋常性疣贅(ウィルス性イボ)は、
一般皮膚科に行くと液体窒素で焼いて治療することが多いのですが、
一回では終了せず数週間に一度定期的に通う必要があり、
焼く際にかなりの痛みを伴うためこれを嫌がる患者さんもいます。

特に足裏の角質の厚い部分のイボは液体窒素治療に対して抵抗性を示し、
なかなか完治までもってゆくのが難しいことが知られています。

当院では、以前は炭酸ガスレーザーでふくらみや角質を削り取った上で
その創面を液体窒素で焼いたりもしていましたが、
それでもたびたび再発を経験するため何か良い方法はないかと
前々から思っていました。


ところで、当院には現在17台のレーザー機器があります。

これらのレーザーのいくつかは、ウィルス性のイボが治療出来るという
知識だけは頭に入っていましたが、一般皮膚科と異なりそれほど
ウイルス性イボの患者さんが多くは来ないため使う機会を逸していました。

ところが先年、たまたま自分の指にウィルス性のイボが生じ、
クリニックにあるペン型の液体窒素治療器で何度も焼いていましたが
なかなかしぶとく取れなかったため、1回Vビームレーザーを試しに照射したところ
これがなんとたった1回で取れてしまいました。

しばらく血豆のような状態が続きましたが、
それが消えてからはきれいさっぱり取り切れて今でも全く再発が見られません。

そうしたところ先日膝に出来たイボのご相談を受けました。



上がその写真です。

当院に別の治療で通院中の34歳の男性ですが、
ついでに膝に出来たイボも見て欲しいとのでした。

ウィルス性のイボは、このように表面が滑らかでなく(粗く)、
点状あるいは毛羽立ちのような細かい突起物が見られるのが特徴です。

また、この写真の症例には見られませんが黒い点々が散在して
表面にあることも多く、これは細かな出血斑がそのように見えます。

間違いなくウィルス性イボ(尋常性疣贅)と判断し、
先日私が行ったVビームによるレーザー治療を勧めました。

その後、1か月後に状態を確認しましたが、
イボは1回の照射であとかたもなく消え去りました。




上は照射後3ヶ月目の状態ですが、再発は全く見られません。

少し強めの照射にしたのと、
膝という部位のため割とはっきり分かる色素沈着が見られたため、
顔などで行う場合はよりマイルドな打ち方のほうがいいかもしれません。

しかし顔の皮膚の場合メラニンの排出サイクルが体、
四肢よりも早いためこのようなことは起こりづらいことが予想されます。


実はVビームに限らず、当院にある他のレーザー・光治療機でも
イボの治療を試みていますが、1回でスッキリと切れ味よく取りきるには
現在のところVビームが一番効果的なようです。

CO2レーザーのように削ってもいないのに、
なぜイボが取れるのか一見不思議な感じもします。

しかし、Vビームはヘモグロビンへの作用を介して
血管を除去することがその本来の目的であるため、
腫瘍内の栄養血管を破壊することでイボに供給される酸素・栄養が届かなくなり
イボの組織を萎縮させるのがそのメカニズムであると一般的には言われています。

同様の理由で、傷跡の盛り上がりであるケロイドや肥厚性瘢痕の治療に
Vビームを用いている施設もあるようですので、
実は赤み・赤アザ取りだけでなくかなり応用範囲の広いレーザーであると言えます。

このように液体窒素での焼灼術を一切行うことなく
レーザーの1回照射でウイルス性イボが取れるというのは
患者さんに取って大変な朗報です。

今まで液体窒素で取れなかったか、あるいは一度は取れたが再発してしまった、
もしくは定期的に何度も通院するのが大変だと感じている方には
是非一度お試し頂きたい治療です。
>レーザーによるウィルス性イボ(尋常性疣贅)除去詳細はこちら


<本ブログの症例に関する情報>

治療名:Vビームレーザーによるイボ除去
費用:11,000円(税込)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、水疱形成、傷跡、潰瘍形成、炎症後色素沈着、再発など
鼻手術/腫れ、内出血、血腫、左右非対称性、皮膚面の凹凸、傷跡など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ




監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士