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眉下切開によって上瞼のたるみを取りつつ三重も消す

2020年09月22日(火) | カテゴリ: 美容外科, 二重整形・眼瞼下垂・目元
眉下切開という手術があります。

読んで字のごとく、眉毛の下の縁(ふち)に沿うように皮膚を切除して縫合し、
瞼の皮膚を上方にリフトアップする手術で、たるみ取りの目的で行うことが多いです。

かつての上瞼のたるみ取り手術といえば、二重ラインの上で皮膚を切除するか
切らないのであれば埋没法二重の要領で、ラインの中に余った皮膚をたくしこむように
タッキングして皮膚の余りを吸収させるというテクニックが主流でした。

しかし現在の美容手術のトレンドとしては、
上瞼のたるみ取りは眉下切開に完全にシフトしつつあるように感じます。

今までの主流だった二重ライン直上の皮膚を切除するたるみ取りのデメリットは、
皮膚が厚い方の場合、眉毛の方(上方)から厚みのある皮膚が下方に降りてきて
ライン下の皮膚と縫合されるため、上瞼に肉が乗っかったようになり
厚みがさらに強調されてしまうことです。

これは、上瞼の皮膚は睫毛に近いほど(下にゆくほど)厚みが薄く、
眉毛に近いほど(上にゆくほど)厚みが厚くなることを考えれば当然の理屈です。

※横から見た断面図で、皮膚の厚い部分と薄い部分の中間の部分を取り去って
上下をつなぐため「だるま落とし」などと業界では呼ぶこともあります。

しかし、眉下切開においては
厚い部分つまり眉毛に近いほうの皮膚を切除して瞼を引き上げるため、
睫毛に近い部分の薄いほうの皮膚を生かして残しつつ、これに伸展を加えて
さらに厚みを軽減することが可能です。

対して二重ライン直上の皮膚切除では、
逆に薄い皮膚が取り除かれて、上から厚みをもった皮膚が二重ラインの上に
置き換えられるようにして縫合されます。

なお、上瞼の厚みを軽減するために
眼窩脂肪やSOOF(ROOF)の切除を勧めてくるクリニックが多いと患者様からよく聞きます。

当院でもこれを実際行うことはあるのですが、
皮膚の下の脂肪を取ったところで極端に皮膚の厚みが軽減されるということはありません。

脂肪がよほど多い方の場合は脂肪除去(脱脂)により上瞼のふくらみ感は軽減されますが、
それによって皮膚自体の厚みは変わらないということを、
手術を受ける方はよく覚えておいたほうがよいです。

そういう意味では、眉下切開では皮膚自体の厚み感が軽くなりますし、
もし希望なら切開部から眼窩脂肪やROOF(SOOF)にアクセスして、
これら余分な脂肪を同時に除去することも出来ます。

それゆえ最近この手術を積極的に勧めるクリニックが
多くなりつつあるというのもうなずける理由があります。

それでは実際の症例を見てみましょう。




上は、「上瞼の腫れぼったさ」が気になるためご来院された52歳の女性です。
上瞼の皮膚にたるみがあり、さらに左目は二重ラインが何本か見られる、
いわゆる「三重」の状態です。

単純に皮膚が余ってかぶって視野が狭くなっている=「上下方向の問題」だけでなく
「前後方向」の厚みが患者様にとっての悩みの重要パートであることは見逃せません。

このような場合は、眉下切開が一番良い手術適応です。

眉下切開の傷跡については、年齢的に中年から高齢者のほうが
皮膚がゆるんでいるので良く傷が治り、目立たなくなるのが早いです。
逆に若い方のほうが皮膚にハリと弾力があるため
傷跡が目立たなくなるのに、6ヶ月など少し時間を要することがあります。


上は、術後1ヶ月目の状態です。
この時期が傷跡の目立つピークのため赤い線が眉毛の下の縁(ふち)に沿って見えますが、
これからこの赤みが次第に取れてゆきます。

それまでの間、赤みが気になる際にはファンデーションを塗るか、
眉毛を太く描くかすれば間違いなくカバー可能なレベルです。


そして、上が術後3ヶ月目の状態です。
傷跡はこの時点でほとんど分からないと言っていいでしょう。

傷跡をさらにより見えないようにしたいとのことであれば
眉毛の中に傷跡を隠す「毛包斜切開」というテクニックもあります。
多少手間がかかるため、若干料金は割り増しになりますが、検討の価値はあります。




術前と術後3ヶ月目で比較すると、
上下方向に皮膚のかぶりが取れて黒目の見える面積が広くなっているのと同時に、
上瞼の腫れぼったさ=厚みも軽減されています。

さらに付け加えておくと、
術前に左目の二重ラインが2本以上見られるいわゆる「三重(みえ)」の状態でしたが
こちらもラインが一本に統一されてすっきりとした感じにまとまっています。

つまり、眉下切開はたるみ取り治療でありつつ、三重治療の手段の一つでもあるとも言えます。

三重は、老けた目元の原因の一つでもあるので、アンチエイジング効果の面においても
従来の二重ライン直上の皮膚切除に対するアドバンテージと言えるかもしれません。

もちろん、ライン直上(もしくは直下)の皮膚切除で三重を消すことも出来なくはないですが、
この方法は二重幅が極端に広くなりすぎるというリスクをはらんでいるため、
私なら眉下切開のほうを選びます。

最後に一つ。

この手術は、切開系の治療であるにもかかわらず、瞼自体に直接切開を加える方法と比べると
腫れ・内出血などのダウンタイムがほとんど出ないのも特筆すべきメリットであることを
付け加えておきましょう。
眉下切開法の詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:眉下切開(上瞼のたるみ取り) 費用:220,000円(税込)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、傷跡、左右差など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士