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【新症例】「スムースリフト」によるリフトアップ術

2020年10月26日(月) | カテゴリ: 切らない小顔治療
加齢による頬のたるみ、そしてそれによって目立ち始める
ほうれい線、マリオネットラインは、「お肌の曲がり角」とされる30代に入ったところで
徐々に気になってくるケースが多いのではないでしょうか。

これらを改善する治療法としては、以下のような治療法が一般的かつ主流かと思われます。

1 ヒアルロン酸注入
2 ウルセラなどのHIFU(ハイフ)施術
3 サーマクール、テノールなどの高周波
4 脂肪注入によるリフトアップ
5 手術によるフェイスリフト
6 糸によるリフトアップ


特にヒアルロン酸注入の最近の進歩としては、
ほうれい線など溝の目立つ部分のボリューム不足を詰め物の原理で浅くする従来の方法に加え、
顔面の立体的な構造自体を変化させ、実際にたるみそのものを取るようにして
リフトアップする方法も最近のトレンドとなりつつあります。

たるみ・リフトアップ治療における全体的な傾向としては、
いわゆる皮膚を切る「フェイスリフト手術」を受けてみたいという人の割合が減り、
仮に手術であったとしても、切らずに糸を皮下に埋める「糸リフト」や
「脂肪注入」によって失われた皮下のボリュームを与えつつたるみを取るような、
よりダウンタイムの少ない方法にニーズはシフトしています。

そのような意味合いの延長として、ウルセラやサーマクールといった
超音波や高周波を用いた照射系マシンのリフトアップ施術がはるかに低侵襲ということで、
糸リフトなどのライト系手術よりも、さらに広いファン層を獲得しています。

これらの治療は年々少しづつ改良されていますが、すでにある程度完成の域に達しつつあり、
より良い結果を出すためには今までとは全く異なった発想の新たなアプローチ方法がないかと、
ここのところしばらく待ち望まれていました。

一方で近年ではピコレーザーが画期的な新技術としてもてはやされていますが、
あくまで色素治療と毛穴引き締めなど肌質改善までの効果にとどまっており、
深部からのリフトアップ・引き締めという点で言えば
ウルセラやサーマクールに比べると効果はまだまだ弱いように感じます。
これはレーザーを皮膚面から照射した場合に、
波長的に到達出来る深さにはおのずと限界があるからです。

それに対し、より深達性にすぐれる長波長のレーザーとして、
皮膚面からではなく口腔内からの照射によって
深部から引き締め・引き上げるという発想のレーザーが開発されました。

当院にあるフォトナ社(スロベニア製)のインティマレーザー(SPダイナミス)がそれです。

このレーザーは、元々加齢による膣壁の引き締めや尿漏れなど
女性の性器・泌尿器の治療を目的として開発されたレーザーであり、
粘膜面への照射により組織を引き締めるということを得意としたレーザーです。

*ちなみにピコレーザーで一番長波長と言えばヤグの1064nmですが、
インティマはEr:YAGのため2940nmであり、約3倍の長波長と、より深部への到達性に優れます。
さらに長波長としては炭酸ガスレーザ(10600nm)もありますが、これは粘膜表面で吸収されて
粘膜面が削れ飛んでしまうため深部までエネルギーが到達しているとは言えません。


粘膜面への照射を得意とするため、軟口蓋、口蓋垂、口蓋扁桃などに照射することで
イビキ治療をも可能とするレーザーです。

そしてこの原理を頬の裏面の口腔粘膜からの照射に応用することで、
頬の深部の組織を引き締めたるんだ組織を上方にリフトアップする強力な効果を発揮します。

この治療は、ほうれい線やマリオネットラインを改善することから
「スムースリフト(別名スマイルリフト)」と言われています。

リフトアップ効果以外のメリットは、
ウルセラやサーマクールに比べると、痛みが少ないことです。

とはいえウルセラが1回で効果が得られるのに対して、
スムースリフトは1ヶ月ごと3回から5回と回数を要する点は、若干不利な点ではあります。

しかし、ウルセラやサーマクールとは作用点(レーザーが効く深さ)が全く異なるので、
ウルセラ・サーマクールで効果を実感しにくかった方に勧めることも出来ますし、
これら既存の治療と組み合わせることで、表と裏からのサンドイッチ・アプローチも可能とします。

実際の症例を見てみましょう。

下は、34歳の女性で30歳を過ぎたころから頬のたるみと、
ほうれい線、マリオネットの目立ちが気になるとのことで当院を受診された患者様です。



フェイスラインがもたついて横方向にふっくらとふくらんでおり、
典型的なjowlのカーブを形作っています。

このような場合はウルセラも良い適応ですが、ウルセラでは十分改善出来ない場合があるため
より深部からのアプローチが可能なインティマレーザー(SPダイナミス)による
「スムースリフト(スマイルリフト)」がお勧めです。






上が、術前。
下が、スムースリフト(エルビウムヤグ)の照射を1ヶ月ごと4回終了した時点での写真です。

フェイスラインがスッキリとして、
ほうれい線、マリオネットラインもかなり目立たなくなっています。

他の照射治療を一切行うことなく、ヒアルロン酸などの注入系の治療も併用していません。

そう考えると、4ヶ月はかかっていますがスムースリフト単独で、
切開手術のフェイスリフトに近いくらいの劇的な若返り効果が得られていることに驚きです。

口腔内への照射は痛みがかなり少ないため、麻酔など前処置は通常必要ありませんが、
痛みに弱い方には粘膜から吸収させることの出来る麻酔スプレーのご用意もありますので
施術の際はお申し出ください。

このマシンは、まだ導入している施設が大変少ないため
「スムースリフト」という施術名自体知名度こそあまり高くないのですが、
今後いずれかのタイミングで大きな脚光を浴びる可能性のある将来有望な治療技術です。

リフトアップ治療分野におけるブレイクスルーとなり得るポテンシャルを秘めた施術として
これからもっとたくさんの症例数を重ねていけたらと思います。
スムースリフト詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:スムースリフト 費用:1回88,000円 (税込)※4回照射 
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、左右非対称性、熱傷、水疱形成など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士