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Qスイッチ・ルビーレーザーによるADM除去(その後の経過)

2017年07月10日(月) | カテゴリ: しみ, その他の美容皮膚科
しみでと間違われやすいADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の除去に関して、
一番効果が高いとされるのはQスイッチ・ルビーレーザーです。

以前にQスイッチ・ルビーレーザーによるADM除去症例を当ブログでご紹介しましたが、
同じ方の2回目の照射結果が上がってきたので、合わせて見てみようと思います。

下が、照射前の状態です。

頬骨周り、こめかみ、鼻翼、鼻背に斑状ないし点状の色素斑を認める42歳の女性です。
色素沈着の分布、形状、色合いなどからADMを強く疑います。

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以前に出しましたが、1回目のQスイッチ・ルビー(JMEC社製)を
照射後4ヶ月目の状態が下の写真です。
1回目は、8Jで照射しました。

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まずまず取れていますが、まだ患者さん的には充分ではないとのことでした。

前回の照射にて、炎症後色素沈着(PIH)が強く出なかったこともあり、
次は、思い切って最高出力の10Jで照射しました。

さすがに、このレベルの出力では炎症後色素沈着が比較的ハッキリと出ました。
下が、ちょうど照射後1ヶ月後の状態です。


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よく患者さんから「炎症後色素沈着って、どんな感じになりますか?」と聞かれますが、
上の写真をご参考頂ければと思います。

但し、この患者さんは色の白い方なので上の写真程度ですみましたが、
肌の色のより黒い方の場合、もう少し強く(濃く)色素沈着が出ると考えたほうがいいです。

そして、下が照射後2ヶ月目の状態。

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だいぶ色素沈着が落ち着きつつあります。

通常Qスイッチレーザー照射後の色素沈着は、薄くなるのに3ヶ月から6ヶ月ほどかかるので、
2ヶ月目でこの状態なら最終的にほとんど消えてなくなってゆくことが予想されます。

既に、1回目の治療で経過を患者さんは把握してしまっているので、
今後さらに結果が出るのが楽しみだということをおっしゃっていました。

最初から10Jで打つのもありかとは思いますが、まず最初に7から8J程度で打っておいて、
患者さんに治療経過にいったん慣れて頂くとともに、しみと肌の反応を見極めた上で
出力を上げて2回目を打つかどうか判断しています。

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そして、上の写真が治療開始前。
下の写真が治療開始後約1年経過した後の写真です。

ご本人的には、色素沈着はもはやほぼ気にならなくなったとのことです。

ADMを確実に取るならやはり、現段階ではQスイッチ・ルビーが一番。
2番目がQスイッチ・アレキサンドライトというのが私の見解です。

最近は、ピコレーザーの532nmでADMが取れたという発表データも見ましたが、
まだ一般的に普及している施術とは言えないため、どの程度炎症後色素沈着が出るのか、
出力、パルス幅の適切な設定値がいくつなのかなど、データの蓄積が必要と思われます。

なかなか取れないしみがあるという方は、もしかするとアザの1種である
ADMの可能性もあるので、一度ご相談に来られるとよいかもしれません。
当院のADM治療の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:QスイッチルビーレーザーによるADM治療  費用:110,000円/回 2回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士