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赤ら顔(毛細血管拡張症)の治療

2018年05月01日(火) | カテゴリ: その他の美容皮膚科
今週は赤ら顔の治療についてです。


当院には赤み治療に効果のあるマシンとして、
赤に特化したレーザー治療機VビームII(色素レーザー・ダイレーザー)
赤に強いIPL(アイコン)および、ロングパルスYAGレーザーがあります。

赤みに対して効果があるとされる一般的な照射系の治療で
主要なマシンの3つ全てがそろっています。

クリニックによっては、QスイッチYAGレーザーによる
トーニング照射も赤みには効くとしている所もあります。

赤みを伴う肝斑の治療などで、赤みの改善も同時に得られることは確かにありますが
治療選択の優先順位から言うと先に述べた3つのうちのいずれかをまず使う医療機関が
ほとんどなのではないでしょうか?

ところで、照射系の治療もいいですが、
赤みに対して有効な成分を皮膚面から浸透させる治療も侮れません。

当院では、エレクトポレーション(電気穿孔法)の機器として効果の高い
メソアクティス(イタリア・マイクロラボ社)を導入しており、
この機器によるビタミンB12導入が赤ら顔にはとても有効です。

にきび跡、アトピーやこれらの基礎疾患のない赤ら顔に対しても有効性が既に実証されています。

レーザー・光治療は、ほとんどのもので若干の痛みを伴うため苦手という患者さんには、
このメソアクティスによる治療がかなりお勧めです。

ただ、いわゆるミミズの這ったような細長い血管が多数頬に浮き出ているようなケースでは
導入治療よりも照射系の治療の方が圧倒的に有利です。

肉眼的に毛細血管が見える場合には、1回の照射でもかなり薄くなりますし、
仮に肉眼で確認出来なくても、ルーペで観察して見えるレベルで細い血管が見えれば
Vビームレーザーないしは、ロングパルスヤグが著効します。

そのようなケースではなく、血管は見えていないけれども
顔(特に?)がなんとなくぼんやりと赤いようなタイプにはIPL, Vビームないし
メソアクティスの両方かいずれかを使います。

なおこちらのタイプの赤ら顔のほうが、治療に回数と時間がかかるケースが多いと言えます。

さて、下の写真は?全体に細い蛇行する
線状の赤い毛細血管拡張を認める29歳の女性です。

今回は患者さんが私と同じ高校(札幌南)出身ということもあり
遠くから頼って見えられたとのことです。

こういったことは時々あることなのですが、
遠くから同郷だからいう理由で尋ねて来て頂けるのは、本当にありがたいことです。

治療前の様子です。


下はVビームを照射した直後の状態です。



直後ですので、それなりに赤みは目立っています。

Vビームのレーザー光の波長は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンに吸収され
熱を発して血管を焼き切ることで赤みを改善します。

つまり、血管を破壊するレーザーという性質状内出血が生じることがあります。
(出力設定によっては生じないこともありますが)

この患者さんの場合、照射部位の皮膚内の血管の量が特別に多いこともあり、
これらがレーザー照射によって血管が破綻すると
上の写真のような赤い斑点(紫であったり、茶色く見えることも)が生じます。

化粧である程度はカバー可能ですが、施術前にこの点をよく説明しておかないと
患者さんがかなり動揺することもあるので、参考までに掲載しておきます。

このような内出血が起きないよう、出力やパルス幅(照射時間)を調整して打つことも可能ですが、
その場合、出力は低め、パルス幅は長目(広め)に取るため、血管に対する破壊効果が落ちてしまい
1回の照射で得られる見た目の効果は半減するので、期待する結果を得るまでに治療の期間と回数が
より多くかかってしまいます。

人によっては、内出血が目立ってもいいから一番効果が高い設定で打ってくれと頼まれることもありますが、
これは人それぞれ、職業やプライベートの予定などによって条件、ニーズが異なりますので
毎回常に施術前によくご相談の上、照射方法、セッティングを変えて打ってます。

そして下が、1ヶ月ごと3回照射した後の状態です。


まだうっすらと赤みは残っていますが、
術前に比べてかなりの数の蛇行する毛細血管が消失して目立たなくなっています。

ご本人も赤みの治療が可能だということを知らず、なかば諦めかけていたとのことですが
3回の治療で目に見えたハッキリした効果が得られたとのことで大変喜ばれていました。

今後さらにVビームの照射条件を変えながら照射を継続するか、
IPLとのコンビネーションなどを加えることでさらなる結果を得ようと検討模索中です。

目に見える赤く細い毛細血管拡張が気になる方は是非一度当院までご相談ください。
比較的短期間に結果を出せることがほとんどです。



<本ブログの症例に関する情報>

治療名:VビームIIによる赤みの治療(赤ら顔、毛細血管拡張、血管腫等)
費用:3回の照射で66,000円(税込)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ





監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士