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茶あざ(扁平母斑)が保険診療でも取れます

2016年01月04日(月) | カテゴリ: しみ, その他の美容皮膚科
皆様あけましておめでとうございます。

一昨年末に立ち上げた当院ですが、昨年は成長と充実の一年でありました。

おかげさまで患者さんの数は立ち上げ時より順調に右肩上がりで増え、
診療内容の方も当初思い描いていたような形にほぼまとまりつつあります。

今年は、全般的にはより精度の高い診療を心がけるとともに、
分野としてはスキンケア、特に家で毎日出来るホームケアの指導に
力を入れてゆくことを目標とするつもりです。

世間を見ますと今年はおそらくは衆参ダブルとなるであろう選挙をひかえ、
三重県で行われるG8サミット、アメリカ大統領選挙などビッグイベントが
目白押しであり激動の1年となることが予想されます。

世の中の経済状況は、今現在こそあまりいいとは言えませんが
昨日のニュースでは、建設業界では大手ゼネコン各社が軒並み最高益を
出したとのことで、景気が回復する兆しがわずかながら見えてまいりました。

2020年の東京オリンピックに向けて緩やかに景気が好調に転じてゆくという
経済予測もあり、世の中がこれからいよいよ活気づいてゆく予感を感じます。

「景気は気から」とも言いますので、
いつも前向きで明るい気持ちで診療に取り組んでまいりたいと思います。

さて、今年はじめの症例は、茶あざをレーザーにて除去した症例です。

「茶あざ」は、正式名称 「扁平母斑」と言います。

英名でNevus spilus (ニーバス・スピルス)です。
組織学的には、表記基底層のメラニンの増加が原因とされます。

境界明瞭な褐色斑で、所々顆粒状・点状に茶色の色素が
濃縮されて存在することがあるのが特徴です。

生まれつきある先天性のものと、思春期以降に出てくる後天性(遅発性)のものがあり、
後天性のものには比較的レーザーが有効であることが多いです。

しかし、せっかくレーザーで取ったものの、
アザが再発してくる可能性があるのがこのアザ治療の問題点です。

特に先天性のものでは再発率が高いです。

また、カフェオレ斑と呼ばれる比較的色が薄く
名前の通りカフェオレのような灰色がかったような色のタイプの扁平母斑には
経験上レーザーは最初から効きづらいです。

理由はハッキリしませんが、やはり多少色が色が濃いもののほうが
メラニン量が多いためレーザーのエネルギーをたくさん吸収するため
メラニンの分解が容易と勝手に解釈しています。
レーザーは、当院ではQスイッチ・ルビーレーザー(JMEC社のZ-1)を使います


下の写真は、35歳の女性で
右こめかみ部に褐色で境界の明瞭な色素斑を認めます。

一部に色素が濃縮されたような点状の濃い部分があるのが特徴的です。

先天性か後天性かは、気がついた時にはもうあったとのことで不明です。

色の比較的濃いタイプの扁平母斑のためレーザーで取れそうな期待が持てます。

Qスイッチ・ルビーレーザーによる照射治療を行います。

図1
ちなみにこのような茶あざの治療には、保険が効きます。

価格は、一般的な事例として

・4cm2未満   : 20,000円+初診料or再診料、軟膏代
・4cm2~16cm2  :23,700円+初診料or再診料、軟膏代
・16cm2~64cm2 :29,000円+初診料or再診料、軟膏代
・64cm2以上   :39,500円+初診料or再診料、軟膏代

これらの価格は、保険治療ですので全国一律一緒です。

実際は保険を使うと上記価格の3割の自己負担で治療が受けられるため
料金的にはかなり安く済んでお得です。

ちなみに、扁平母斑は同じQスイッチでも
Qスイッチ・アレキサンドライトとQスイッチ・ヤグは保険は効きません。

Qスイッチ・ルビーの中でも、
特定の2機種のみが2回までを上限として保険が効きます。

下は、レーザー照射直後の状態です。

照射面したところが泡立つように白くなっています。

5Jの照射ですが、いわゆるIWP(intermediate whigening phenomenon)が
しっかり出ており良い反応が期待出来ます。

そして、1ヶ月後の状態が下の写真。


反応が良すぎて、照射したところが白抜けしたように見えますが
この程度なら1~2ヶ月で色素が回復して自然な肌色になってゆきます。

茶あざが取れて白抜けした部位の上(目尻の所)にあった
わずかな色素斑が逆に目立っています。

これについてもおそらく扁平母斑のメインの本体に不随する一部分と考え
現在治療中です。

そしてもう一例。

下の写真は、41歳の女性で、左手首の背側に茶あざ(褐色斑)を認めます。

部分的に白抜けしているのは、
他院の皮膚科にて既にレーザー照射をされていた痕跡です。

そのクリニックのレーザーでは、もうこれ以上は取れないと言われたため
当院を受診されました。

保険で行っていたということで、おそらくQスイッチ・ルビーのはずですが、
果たして当院のQスイッチ・ルビーで取れるか?

少し強めの6Jにて照射しました。

下は照射3ヶ月後の状態です。↓


他院での治療で抜けが悪かったと問診で聞いていたこともあり、
若干強めにかけたため白抜けしてしまっていますが、
あざ自体が取れたことに対しては患者さん的に満足とのことでした。


まだ、わずかに編み目状に残っている色素に対して
今度はパワーを一段階引き下げ5Jとして2回目の照射を行いました。
現在、経過観察中です。

再発の可能性もあることもあり
数あるあざの中でも治療自体が難しいとされる扁平母斑ですが、
全てが全て再発するわけではなくいったん取れてそのままの状態が
維持できているケースも今まで多数経験しております。

お悩みの方は、一度はチャレンジしてみる価値のある治療かと思いますので
是非ご相談ください。
※あざ治療で使用しているQスイッチルビーレーザーの詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名①:Qスイッチ・ルビーレーザ(保険) 費用:10,000円(右目尻)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療名②:Qスイッチ・ルビーレーザ(保険) 費用:10,000円/回 2回照射 (左手首)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士