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顔のパーツを活用したダウンタイムの少ないホクロ除去

2016年02月22日(月) | カテゴリ: その他の美容皮膚科
ホクロ除去にもこだわりを持ち様々な方法をご用意している当院ですが、
今回は切除縫合法による傷跡が短時間で目立たなくなるケースについてご紹介します。

なお手術によるホクロ除去の場合は、
基本的に保険適用となるため大変受けやすい施術価格となっています。
顔ですと自己負担額が1万円前後となります。
都内では3万円~5万円の自由診療で行っている病院が多いことを考えると
かなりお値打ちです。

開業医になってからも、毎日かなりの件数のホクロ取りを行っていますが、
最近はレーザーによるホクロ除去を希望される方が多いです。

かつて市立病院で形成外科をやっていた時は、外来に炭酸ガスレーザーがなかったものですから
ほぼ全てのホクロを切って縫って取っていました。

ちょっと強引すぎるかな?と今は反省していますが、当時一般病院では
自由診療を行っていない所がほとんどだったという時代であり、やむを得なかったとも言えます。
今では一般病院でも、自由診療・美容医療に乗り出している所が結構あるようですが…。

その後、大手美容外科勤務時代は電気分解によるホクロ除去がメインで
たまに炭酸ガスレーザーを使うといった感じで、逆に切除縫合を行うことはほとんどなかったです。

それぞれのホクロ除去法にメリット・デメリットがあり、どの方法が一番良いとは言えないため
現在当院では上記の方法全てをいずれも選択肢として残しつつ、
それぞれの方法を組み合わせた除去も行っています。

また、以前当ブログでご紹介したように、本来シミ・アザ取りのレーザーであるQスイッチ・ルビーレーザーをホクロ取りにうまく応用して用いることもあります。

しかし、なんと言っても1回の施術で再発の可能性をほぼゼロとしてホクロを取りきるには
切除縫合法に勝る方法はないでしょう。

ただ、患者さんからは切って縫うと傷跡が残るのが心配という方がかなりいらっしゃるため
この点を前もって誤解なく説明しておく必要があります。

どのような方法を選んだとしても、傷跡はゼロとはなりませんが
時間とともにほぼ跡は分からなくなってゆきます。

もし何か残るとすれば、
それはレーザーか電気分解で除去した時のホクロの成分が取り残しとなった場合に
黒い色やくすんだような色味が残るケースの方がむしろ目立ちます。

これは、正確には傷跡ではなくメラニン色素の問題です。
ですから、レーザーや電気分解など物理エネルギーで削り取る方法と切除縫合手術では、
特定の部位を除けば、最終的に切除縫合の方が目立たなくなることが多いと言えます。

では「最終的に」というのはいったいいつのことかと言うと
おおよその目安として3ヶ月~6ヶ月程度をみてもらえばよいかと思います。
1ヶ月目は少々線状の傷跡の赤み強かったとしても、必ず目立たなくなってゆきます。

なおホクロのある場所によっては、手術後1ヶ月目くらいでも
ほぼ傷跡が分からなくなることが結構あります。

下は、ホクロ除去を希望されて当院を受診された36歳の女性です。
小鼻の横に色味のない肌色のイボ状ホクロを認めます。切除縫合手術で除去します。

縫合のラインが、小鼻の横の溝にうまく一致するように切開ラインをデザインして
縫い込みます。下が縫い込んだところ。


そして、下が手術後1ヶ月後の状態。


傷跡は、1ヶ月目なので本来他の部位でしたらまだ線状の赤みがかなり目立つ時期のはずですが、
鼻翼溝に傷跡の線を紛らわせたためあまり分かりません。

さらに同じ患者さんで、
下は上唇のいわゆる赤唇と白唇の境界部にホクロが1つ見られます。

やはり同様に赤唇と白唇の境界ラインに縫合線が重なるように切開ラインをデザインして
縫い込みます。下が縫い上がりです。

そして下が1ヶ月目の状態です。
赤唇縁の上に線状の傷跡が一致しているため、ほとんど目立たない状態です。


二つともこのような場所に取りたいホクロがあるなんて珍しいというか、
少々ラッキーな方だなと思ってしまいました。
ちなみに、二つとも保険治療で取っています。

このように顔のパーツの構造を利用してホクロを取ることで、
手術後期間をおかずにほぼ目立たない状態に仕上げることも可能です。

上に、鼻翼溝と赤唇縁の例を挙げましたが、その他利用出来る構造物として

・ほうれい線
・マリオネットライン
・瞼頬溝(目の下のクマのライン)
・眉毛の輪郭のきわのライン
・人中稜

などがあります。

それでは、これら特定の部位にないホクロにおいては
何を目安に縫合線のデザインを行うかというと、ケースにもよりけりですが
たいがいは顔のしわ、つまり表情じわないし静止じわの方向に一致させておけば間違いないです。

ただし、これは原則でありホクロの形が楕円形であったりすると、
当然しわ方向に一致させずに縫合ラインをデザインせざるを得ないこともあり悩んでしまいます。

切って縫うだけと言ってしまえばまぁそれまでなのですが、
意外にホクロ取りもパズルの謎解きのように頭を使ってプランを立てることがありますし、
実は地味ながら結構奥が深いものです。
当院では数種類の治療法を用意し、ホクロ除去にもこだわって治療を行っています。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:ほくろ切除縫合法(保険) 費用:10,000円/1箇所
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:皮膚の傷跡、腫れ、内出血、再発など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士