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下まぶたの逆さまつ毛矯正術

2016年01月18日(月) | カテゴリ: 美容外科, 逆さまつげ手術
当院で、ご相談件数の多いものの一つに逆さまつ毛があります。

特に、眼科や形成外科で上まぶたの逆さまつ毛治療は行っていても、
下まぶたの逆さまつ毛は治療を行っているクリニックが何故か少ないらしく、
(私自身実際調べた訳ではありませんが、患者さんが皆さんそうおっしゃいます)

県外からの患者様も多く、
かなり遠方から来られる方もいらっしゃいます。

今まで一番遠くて北海道から当院をわざわざ探して
飛行機に乗って治療を受けに来られた方もいました。

下まぶたの逆さまつ毛の治療法には、
皮膚を切らない埋没法(縫合法)と切開法がありますが、
切開法が症状の再発がほぼなく、改善度・改善率も高いためお勧めです。

しかし、どうしても切ることに抵抗のある方には
埋没法でも対応しておりますのでご相談下さい。


この手術の目的は、下まつ毛の向きを眼球の表面に当たらないように
矯正することにあります。

それによって、かゆみ、痛み、異物感、眼脂(目やに)の多さ、
流涙などの症状が改善します。

切開法では、皮膚に局所麻酔注射をした後に下まぶたのフチを切開しますが、
その時にまつ毛の生え際ギリギリを狙って切開できるかどうかが重要です。

まぶたを切開するということで、よく傷跡を気にされる方がいますが、
生え際ジャストぴったりで切る限り傷跡はできません。

もちろん、まつ毛の毛根を傷つけないギリギリ目いっぱいのラインというのが
条件となり、ヘリに近すぎてもいけないし、ヘリから遠すぎてもダメです。

これが実は慣れていないと、案外難しいのです。

かなりの件数をこなしていても、意識して心がけないと身につかない技術です。

この切開ラインが仮にわずか1mm下にずれているだけでも、
傷跡は相当目立ってしまいます。

これは下まぶたのたるみ取りの皮膚切除でも全く同じことが当てはまります。

切開の傷跡は最初はピンク色の線が下まぶたのフチに沿ってわずかに見えますが、
2~3ヶ月以内にほぼ分からなくなってゆきます。

ですから、傷跡はこの手術では熟練した形成外科医が行う限り
全く問題にはなりませんのでご安心ください。

さて話の続きですが、皮膚を切開した後は
その下にある眼輪筋を切開して瞼の支持組織である瞼板を露出させます。

*瞼板;上下の瞼に入っている硬い板状の組織です。
 軟骨のようなイメージですが実際は線維性結合織です。

そして、問題となっているまつ毛の根元の眼輪筋に針糸を掛けて
まつ毛の向きを上向きから前方に倒し込むように外反方向に矯正しながら
瞼板に縫い付けてゆきます。

但し、下まぶたの逆さまつ毛の症状を訴えて受診される方の中には
目頭の最内側に毛が生えていることがあり、この部分については
上記手術による矯正法では充分に矯正出来ないことがあります。

従ってレーザーや手術で別途その部分の数本のまつ毛を
除去(脱毛)することがあります。

手術で行う場合は、外反方向への矯正のついでに
目頭部分の毛を2~3本皮膚ごと(毛根ごと)くり抜いてしまい縫合します。

非常に小さな数mm以内の面積の話なので、
この操作によりまぶたの形が変わってしまうことはありません。

さて、下はオレンジの矢印の先端が示すように
まつ毛が垂直に上を向いてしまっている18歳女性の患者さんです。

まつ毛が目に入り痛み・かゆみの症状がかなり強いとのことで
当院を受診されました。



そして下は、2ヶ月後の状態です。



矢印先端部のまつ毛の向きがしっかりと前向きに矯正されています。

これにより、もはや眼球表面にまつ毛が当たることがなく
痛み・かゆみの症状が完全に消失したとのことです。

ちなみに下まぶたの瞼縁をオーバーに下方向に引くことで
瞼の縦幅を少し広げるという手術があります。

単純に全体的に下方向に引いて目を大きくすることも出来ますが、
外側のみを下に若干オーバーに引けば、グラマラスライン(垂れ目形成術)と
することも可能です。

メインの目的が下まぶたの逆さまつ毛の手術であったとしても、
リクエストによりこれらの手技を上記治療にプラスすることも可能です。
ご希望の方はお申し出下さい。
当院の下まぶたの逆さまつげ治療はこちらです。


<本ブログの症例に関する情報>

治療名:両下瞼切開法手術(自由) 費用:275,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、皮膚の傷跡、後戻り、再発など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士