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大腿筋膜移植による眼瞼下垂手術(先天性・保険適用)

2023年04月10日(月) | カテゴリ: 美容外科, 二重整形・眼瞼下垂・目元
眼瞼下垂治療は、ほぼ毎日のように当院にて行っている手術のひとつです。

眼瞼下垂には「先天性」と「後天性」のものがありますが、多くの眼瞼下垂は「後天性」=加齢 によって生じるもので、これらの手術は30分ほどの手術で比較的容易に改善することができます。

しかし何といっても難しいのが先天性、つまり生まれつきの眼瞼下垂の状態を改善する治療です。

以前まで当院では、先天性・後天性いずれも一般的な眼瞼下垂手術である挙筋前転法によって治療を行っていましたが、最近は(重症度にもよりますが)先天性においては筋膜移植術による手術を行っています。

「筋膜移植」による眼瞼下垂手術というとあまり聞きなれない手法かもしれませんが、挙筋前転法では改善しない重度の眼瞼下垂の治療などで使用することが多い術式です。上まぶたの瞼板と前頭筋を皮下でブリッジするようにつなぐことで、前頭筋を開眼時の補助的な力源として使うことで、開瞼力を堅固に強化します。

筋膜は大腿(太もも)、もしくは側頭部から採取することがほとんどですが、クリニックによっては前腕部の長掌筋腱を用いることもあるようです。

それぞれの採取場所別のデメリットとしては、大腿部から取った場合は傷跡が大腿外側の目立つことがあり、側頭部から取った場合は切った場所の髪の毛がわずかに薄くなる他、長掌筋腱を取った場合も見える場所に傷跡が残ることがあります。

今回のブログでは、大腿部からの筋膜移植による先天性の眼瞼下垂治療の症例をご紹介します。



先生性=生まれつき両目ともに目の開きが悪く、視野が狭い・ものが見えにくいとご相談に来られた21歳の女性です。左側の大腿部からの筋膜移植によって開瞼力を強化し、術前と術後1年経過した状態です。術後は、左右のバランスよく十分にまぶたが開いているかと思います。

術後1年経過した際の傷跡の経過についても示します。上まぶたの傷跡はほぼ目立たないものの眉上の傷跡は多少残っているとのことでしたが、うまくメイクでカバーしているようです。


先天性眼瞼下垂の手術における術後の注意点として、閉瞼不全(目が完全に閉じきらない)がしばしば起きます。この方も手術直後は目が閉じきらないために目の表面の乾燥感が強く、元の状態に戻したほうがよいのではという相談をいただきましたが、術直後に一時的に生じるケースも多いため、少し様子を見ていただく間に全く気にならなくなってきたとのことでした。

1年経過したタイミングで、閉眼時に1mm程の上下瞼の間の間隙が内側において見られますが、このレベルの閉瞼不全であれば患者様的に時間をかけて慣れてゆく方がほとんどです。今や、物が大変見やすくなったとのことで気に入っていただけました。(もちろん見た目も良いです。)

先天姓(若年性)の眼瞼下垂の手術は、加齢性下垂に比べて難易度が非常に高くなります。その理由は、移植した腱膜が術後1ヶ月くらいの時間をかけて若干縮んでゆくのですが、その縮み方が各ケースで異なるため予想できないことが多いためです。そのため術後に思ったよりも縮み過ぎてしまい目が閉じなくなったり、思ったより縮み方が足りなくて逆に十分な改善が得られなかったなどというケースもあります。

このような術後のトラブルは、術者の経験則である程度補完することができます。もし他院で先天姓眼瞼下垂の手術を受けたものの、「変化がなかった」「逆に悪化した」「改善はしたが充分ではない」などでお困りの際には、一度ご相談いただければと思います。
>挙筋腱膜移植による眼瞼下垂治療の詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

施術名:眼瞼下垂症術(筋膜移植)費用: 55,590円 (税込、片目、3割負担と仮定して) リスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、閉瞼不全、傷跡、感染など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士