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後戻りの少ない鼻先形成・鼻中隔延長術について

2023年06月27日(火) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
ひと昔前(今から20年以上前)の鼻の整形と言えばシリコンプロテーゼが主流でしたが、今は大変少なくなり、圧倒的に「鼻先の手術」の割合が多くなっています。

鼻先の手術の中でも、当院では特に「鼻先の軟骨移植」による手術件数が多いです。
コルメラストラット(鼻柱強化法)や鼻尖耳介軟骨移植(小さく切った軟骨を重ね束ねて鼻先に置く手術)も行っていますが、一番多いのは鼻中隔延長による鼻先形成術です。

以前は鼻尖耳介軟骨移植も多かったのですが、鼻中隔延長術は時間が経過しても後戻りが少なく、また延長距離も鼻中隔延長術のほうがしっかり出せるため、現在の鼻先形成術の主流になっています。

なお、鼻尖耳介軟骨移植が後戻りしやすいのには明確な理由があります。

この手術では、鼻先に高さを出すために鼻翼軟骨を土台としてその上に耳介軟骨を乗せていくのですが、鼻翼軟骨があまり堅固な支えとならないため、術後に皮膚の緊張などによって移植軟骨の位置が少しずつ押し下げられ、術直後の鼻先の高さを維持できずに後戻りしてしまうことが分かっています。






これに対し、鼻中隔延長術では鼻中隔軟骨という厚くしっかりした軟骨で、つっかえ棒のように移植軟骨を後方から支えるため、術後も後戻りが発生することはまずありません。また、左右方向からも鼻翼軟骨でサンドイッチするように支持するので、よほど延長距離を無理に伸ばさない限り、左右に倒れて曲がってしまうということもありません。




それゆえ、鼻先を高くする整形術として鼻尖耳介軟骨移植を行うクリニックは、現在ではかなりの少数派になってきています。

ちなみに、鼻中隔延長術とよく比較されるのはコルメラストラット(鼻柱強化法)です。コルメラストラットと鼻中隔延長術は、移植する耳介軟骨をセットする角度と位置が少し違うだけで、基本的には手術法に大きな違いはありません。

私の鼻手術では、手術を終える前(=術中)に、必ず患者様に仕上がりの状態を実際に鏡でご確認いただいているので、もし高さや角度などで気になる点があった際には、鼻先にさらに調整を加えてその場でどんどん変化を加えていきます。
そのため、最初は鼻中隔延長として手術を始めたものの、途中でコルメラストラット(鼻柱強化法)の手技になることもありますし、もちろん逆のパターンになっていたということもあります。ですから、ことさらコルメラストラットと鼻中隔延長については、それぞれのメリットデメリットの比較などをしてもあまり意味がないと考えています。


また鼻先に移植する素材に関しては、初回手術であれば耳介軟骨で充分なのですが、実際には肋軟骨移植を勧めるクリニックも多いと聞きます。

肋軟骨移植のデメリットとしては、軟骨採取部に傷跡が残る他、全身麻酔になるためそれだけ料金が高くなる、また時間とともに移植軟骨が曲がるWarping(ウォーピング)現象が起きることも知られています。
また、硬さが十分にある点がメリットと言われている肋軟骨ですが、実際に移植すると鼻先がコチンコチンに硬くなり動かなくなるというのが最大の欠点として知られています。

それゆえ、当院では初回手術なら基本的に耳介軟骨(耳珠もしくは耳甲介)を延長素材として採取して、鼻先の軟骨移植を行っています。

さて今回は、鼻先を高くしたい・鼻の上下を長く見せたいとして鼻中隔延長術を行った20代女性の症例をご紹介します。術後は1ヶ月目の状態です。





当院の鼻整形術では、単に鼻を高くするだけでなく、横から見た際のカーブやラインにもこだわって手術を行っています。鼻中隔延長あるあるなのですが、鼻の上下長の短い方に対して、頑張ってどうにか鼻先を前に出そうとすると、術後に鼻先の少し上方部分(=supratipスープラチップ)がふくらんでしまい、横から見たときに鼻先が丸くなってしまったり、オウムのクチバシのような形状になってしまうことがあります。

鼻先に十分な高さを出しつつもこの部分が前方に膨らまないようにすることで、上の写真のように美しいカーブに仕上げることができます。ほんのわずかな細かいことですが、かなり重要なポイントであり、これによって仕上がりの様子は全く違って見えてきます。
当院の鼻中隔延長術の詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

施術名:鼻中隔延長術 費用:330,000円 リスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、感染、血腫、傷跡、創離開、皮膚面の凹凸など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ




監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士