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生まれつきの黒あざ除去治療(切除縫合)

2017年01月30日(月) | カテゴリ: その他の美容皮膚科
今週は、黒あざ除去の症例です。

黒あざは、保険で治療することも可能ですが、その際は切除縫合のみが保険適用可能です。
レーザーは保険適用とはなりません。

また、非常にサイズの大きいあざや四肢などで縫合に特別な注意を要する場合には、
自由診療となるケースもあります。この点は、クリニックによって考えが分かれるところです。

ちなみに、レーザーを用いて保険適用で除去が可能なあざは、
・青あざ(先天性太田母斑、実際青くなく茶色いことも多い)
・茶あざ(扁平母斑)
・赤あざ(血管腫)
の3つです。  

これらに加え、遅発性太田母斑ABNOM(後天性真皮メラノサイトーシスADM)
保険適用のレーザー治療で取ることが出来ます。

一方黒あざは、レーザーでは保険は効きませんが、
「良性皮膚腫瘍」というカテゴリーに含まれる症状の場合は
手術で切除縫合する方法で保険が効くケースがあります。

一般的に言われる黒あざとは、その本体はホクロの面積の大きなものだと思っていいです。
黒あざは、顔にあっても、体にあっても見た目がよろしくないだけでなく、
時に皮膚面から毛がたくさん生えてくることなどもあり、
かつては「獣皮様母斑」などとも呼びましたが、あまり呼び名として適切ではないとして、
最近は「巨大色素性母斑」と呼ぶことが多いです。

当院は美容外科・美容皮膚科を標榜していることもあってか
黒あざの患者さんはそれほど多いとは言えませんが、その昔大学病院や一般総合病院に
勤めていたときはかなり黒あざ除去の治療を行いました。

先日、当院に黒あざ除去を希望される患者さんがみえたのでご紹介します。
生まれつき左の耳前部に黒あざのある19歳の女性です。


この部分の皮膚は、比較的伸びやすいので思い切って1回で切除縫合を行うこととしました。

美容外科医ならフェイスリフト手術でこの部位の皮膚がどの程度伸びるかは分かっているので、
1回でも取り切れると判断出来ます。
しかし、これ以上の幅が広くなると連続切除(分割切除)のように2回ないし3回に分けて
6ヶ月など日にちをおいて間隔をあけて少しずつ面積を縮小してゆく方法をとることもあります。

上は、術前のデザインです。幅15mm程度でしょうか。
黒あざをアップで見ると、表面に毛が密生しています。
これを気にして取りたいという患者さんが多いのです。

上が切除縫合を行ったところです。
形成外科医の皮膚縫いのテクニック・真皮縫合を行うと、縫合ラインに沿ってうっすらとふくらみが生じます。
この膨らみは1~3ヶ月くらいで平らになってゆきます。

傷跡が幅広く広がり目立つのを防ぐことを目的とした形成外科特有の縫合テクニックの一つです。
体幹や四肢の場合は、もっとおもいきって山脈のようにあからさまに盛り上げて縫うこともありますが、
顔の場合には、盛り上げ過ぎると戻らなくなることがあるので、このくらいの盛り上げかたで充分です。

上が、術後1ヶ月を経過したところです。
1ヶ月でこの程度の傷跡なら、今後ほぼ分からなくなってゆくでしょう。
傷跡の周囲が白く色抜けしているのは、傷跡盛り上がり予防のテープを貼っていたためです。

そして上が術後6ヶ月目。傷跡が成熟したところです。
この時点でもほぼ目立たないと言ってよいかと思います。
さらに6ヶ月すると術後1年くらいの経過でさらにもっと目立たなくなることが多いと言えます。

この他、どうしても切除手術に対して抵抗がある方の場合、
レーザーや機械的アブレージョン(削皮術)で黒あざを除去することもありますが、
面積のある傷跡になってしまいますので、取れる幅であれば切除縫合のほうが望ましいことが多いです。

なおレーザーで除去する場合は、Qスイッチレーザーを直接黒あざに当ててもあまりとれないので、
刺青除去の要領で表面を薄く削っておいて、そこにQスイッチ・ルビーレーザーを当てる方法となります。

回数は、手術に比べると3回から6回などどうしても多数回になってしまうのが欠点です。
1回ないし2回など、より少ない回数で黒あざを除去するなら、
切除縫合のほうが患者さんにとっても負担が少なく楽だと思います。
但し、それが出来るかどうかは、あくまで黒あざのある場所(皮膚の伸展性など)と
サイズが鍵になってきます。
気になる黒あざがある際にはご相談ください。当院の黒あざ治療詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:黒あざ除去(切除縫合) 費用:55,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、皮膚壊死、皮膚の傷跡、ケロイドなど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士