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先天性重度眼瞼下垂症に対する大腿筋膜移植術

2021年11月15日(月) | カテゴリ: 美容外科, 二重整形・眼瞼下垂・目元
当院は、眼瞼下垂の手術件数は美容外科としては多いほうだと思います。

元々正常な目の開き方で、
目ヂカラを付けて目元を印象的に見せたいという際には
自由診療で治療を行っていますが、
正面視でMRD-1つまり瞳孔中心から上瞼のふちまでの距離が
3mmを切るようなケースでは、病的眼瞼下垂ありと診断し
保険診療で手術を行うことが多いです。




上は、生まれつき右目の開きの悪い17歳の男性で、
視野の狭さからものが見づらいことに不便さを感じて当院を受診されました。

この方はMRD-1が1mmを切るような重度の先天性眼瞼下垂症例であり、
オーソドックスな腱膜前転法で改善する見込みがかなり低いため、
最初から筋膜移植による眼瞼下垂症手術(保険適用)を計画しました。

眼瞼下垂術における筋膜移植とは、太もも外側や側頭部を切開して
筋肉の上に存在する深筋膜を紐状(or 帯状)に採取し、
深筋膜で上瞼の瞼板と眉毛上の前頭筋をつなぎ連結することで、
前頭筋の収縮力を「目を開く力」の補助的な動力源として利用する方法です。

先天性の眼瞼下垂で重症例に対しては、割とスタンダードな治療法と言えます。

筋膜の採取部位である側頭部や太ももの外側、
また移植部位となる眉上などに傷跡が残るというデメリットはありますが、
腱膜前転では得られないような開瞼力の強化が得られるため
重度の眼瞼下垂のケースではこの方法を使用することもあります。

今回のケースでは、左大腿外側から筋膜を採取して
瞼板と前頭筋を上瞼に皮下トンネルを作成して通し移植しました。






上が術前、下が術後1ヶ月目の状態です。

右眉の上に、前頭筋とつなぐために開いた傷跡が見られます。

術中に念のため、
筋膜移植を行う前に挙筋腱膜短縮による方法もいったん試みましたが、
やはり目の開きの改善が全く見られなかったため、
当初の計画通り筋膜移植にて手術を進めることにしました。

術直後はそれほど改善が見られないようにも見えましたが
(1ヶ月目の状態の半分くらいの目の開き方)
腫れがひくと、左目の開きとほぼ左右差がないか、
むしろ左よりも若干過矯正気味の結果となりました。




なお、閉瞼時にわずかに内側が閉じきらずに1mmほどの閉瞼不全が見られますが、
本人的によると目の表面の乾燥などの症状がなく問題なしとのことでした。
まだ1ヶ月目ですので今後完全に閉じるようになってゆく可能性は十分あります。




左大腿外側の傷跡です。
術後1ヶ月目ということもあり、まだ赤みが強く生々しいですが
こちらも現在がピークであり、1年くらいかけて白く薄くなってゆきます。

患者様の話を伺うと、眼瞼下垂が生まれつきで重度の場合、
形成外科、美容外科では治療不可として断られるケースも多いと聞きます。

今回のように開瞼力が正常側と同じくらいまで改善させられるとは言いませが、
もしお悩みなら一度当院までご相談いただければと思います。
手術によって、見た目もものの見えやすさも格段によくなる可能性があります。
当院の眼瞼下垂術(保険診療)詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

施術名:眼瞼下垂症に対する筋膜移植術(保険診療)
費用:55,590円(片目、3割負担の場合/手術費用のみ)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、閉瞼不全、感染、傷跡など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士