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驚くべきマドンナリフトの威力

2015年03月23日(月) | カテゴリ: たるみ(美容皮膚科)
皆様は、マドンナリフトという
レーザーによる目もと若返り治療
を御存知でしょうか?

マドンナリフトは、DEKA社の炭酸ガスレーザーの
名機、SmartXide(スマートサイド)を用いた
目周りの若返り施術を意味するブランド名で今や世界的に認知されています。

キャッチフレーズは、
「メスを使わない目元のリフトアップで人知れず美しく」です。

何でもあの有名アーティストのマドンナが、
N.Y.の形成外科医 Dr.Bruce Katzからこの施術を受け大満足したことが
ネーミングの由来だそうです。

DEKAがイタリアメーカーであることと、
アメリカ人マドンナのルーツがイタリア系であることにも
何かつながりがあるのだろうか? などと勘ぐってみたりもします。

上まぶた、下まぶたのしわ・たるみが気になる患者さんは当院では実に多く、
しみ・肝斑眼瞼下垂逆まつげといったジャンル同様に
当院人気メニューの1つとなっています。

しかし患者さんの声を聞くと、確かにたるみは気になるけれども、
手術まではちょっと…という方が多いということもあり、
何か良い方法はないかと常々思っていました。

そこでそのような方にもお勧めの施術が、マドンナリフトです。

なにせ、一切メスを使わずにたった1回のレーザー照射で、
上まぶた、下まぶた、目頭、目尻まで含めて目元が全体的に若返るのですから、
手術に二の足を踏んでいた患者さんには朗報です。

実際美容外科医の私としては、目周りの若返りを図るには、
手術治療にまさる物はないとその時までは思っていたのですが、
このレーザー治療に出会ったのを機に考えが一変しました。

マドンナリフトがどのようなレーザーか簡単に説明します。

従来の炭酸ガスフラクショナルレーザーは
単純に皮膚面に微細な針穴状の傷を多数作ることで、
一つ一つの穴が傷の治癒過程で縮まることを利用して
引き締め、たるみ取り効果を発揮します。(もちろん表皮の入れ替え効果もあり)

これに対して、マドンナリフトは穴を開けると同時に、
穴の壁に相当する周囲組織に「熱エネルギー」を加えて
組織を軽く熱変性させて引き締めるという方式です。

ですから実際照射した瞬間に照射部の皮膚がキュッキュッと縮んで
引き締まるのが肉眼的にその場で確認できます。

おお!これは効いているぞ!という実感がわいてまいります。

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上の図は、マドンナリフトのレーザー波形です。
(クリックすると拡大します)

まずアブレージョンゾーンで皮膚を針穴状に蒸散させつつ、
それに続く時間帯;サーマルエフェクトゾーンで周囲組織に熱が入ることを示しています。

今までパルス幅の短い波形を
「ウルトラパルス」としてこれを売りにしたメーカーが多くありましたが、
このサーマルエフェクトゾーンを加えた独特のL字型の波形をDEKAは
「スマートパルス」と呼んでいます。


ところで、頬のニキビ跡治療などで
炭酸ガスフラクショナル・レーザーを受けた事のある方なら分かるかと思いますが、
この治療には、結構な痛みを伴うというネガティブなイメージも少なからずあります。

その際にはおそらく麻酔クリームを塗布して施術が行われたかと思われますが、
当院でご用意している麻酔クリームは、「マドンナリフト専用」として
DEKA社から紹介してもらったもので、痛みを除く効果が非常に高く、
今までこの施術中に強い痛みを訴えられた患者様は一人としておりません。

痛みが全くゼロとは言いませんが、
患者さんに尋ねると「まあ、全然我慢できるレベルかな」とのこと。

※ちなみに、当院ではこういった治療前の準備処置に用いる麻酔クリームは
全て無料です。

下の写真は、50歳の女性です。
上瞼のたるみ、下瞼のたるみ、しわなどを気にされて受診されました。

目の開きも右目は病的ではありませんが、眼瞼下垂気味です。
(左に比べて右の目の開きが悪い)
特に右目・上まぶた外側の皮膚が上からかぶさりうっとうしいとのこと。

上まぶた・下まぶた・目尻・目頭・鼻根部に
炭酸ガスフラクショナルレーザーをマドンナリフトの設定を用いて照射しました。
右が術前写真、左が術後2週目の写真です。

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レーザー照射1回のみで、この効果は驚異的です。

両目ともに上まぶたのたるみが取れて、下まぶたのたるみとしわも改善されています。

あわせて目の開きまで良くなっており、メカニズムはまだわかりませんが
実は、マドンナリフトには眼瞼下垂に対する改善効果があるのでは?
と疑ってしまいます。

メーカー側では、あくまで皮膚が引き締まりたるみが取れますと主張していますが、
私には、それ以上の効果があるように見えます。

この施術を始める前にメーカー側で用意したいくつかの症例写真も見ましたが、
それらの写真の一部に、皮膚のたるみだけでなく目の開きの改善が
明らかだったケースがあったこともあり、ひょっとして? と疑っていましたが、
上記症例を経験することでさらにこの疑いが強まりました。

皮膚にドット状の穴が開くと同時に、周囲組織に熱が加わり引き締めが行われるので
その時にまぶたを持ち上げる挙筋腱膜まで引き締まった?
…いや、そこまで深く熱入れの効果があるとはとても思えないのですが、
腱膜と皮膚には何らかの結合組織が介在し、皮膚が引き締まる事で
それにともなって腱膜が瞼を持ち上げやすくなったのでは、などの仮説が考えられます。

そう思っていたところ、
今月の美容外科学会会報にタイムリーな論文が発表されていました。

つるきり形成・皮フ科、鶴切先生の
「日本人における二重瞼の組織学的検証」(Vol.37, No.1)という論文です。
挙筋腱膜から眼輪筋を貫く線維組織は確かに存在し、
これを「眼輪筋枝」と名付け、
上瞼皮膚の直下までは顕微鏡にて組織学的に確認が出来たとのこと。

但し、皮膚(真皮)の中までは、その線維はつながっていなかったとのことです。
(皮膚の直下を皮膚面と平行に走っているとのこと)

あくまで組織学的にですから顕微鏡レベルではということになるので、
分子レベルでは当然何らかの結合がある可能性も残されており、
思ったより皮膚のそばまで連続性が保たれていたのでやはりそうなのかと思った次第です。

まだ結論を出すには時期尚早ですが
今後症例を重ねてこのテーマについては深く掘り下げて考えて行きたいと思います。 


最近上まぶたの皮膚のたるみに加え、
目の開きが悪くなってきたという方がいらっしゃいましたら是非ご連絡下さい。
お待ちしております。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:マドンナリフト(目周りたるみ治療) 費用:33,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士