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みずほクリニックのニキビ治療

2015年06月22日(月) | カテゴリ: ニキビ・ニキビ跡
当院は、ニキビ治療にも力を入れています。

以前ニキビ跡(色・凹凸)の治療について書いたことがありますが、
今回はニキビ自体の治療のお話しです。

実際に当院はどちらかというとニキビ自体より、
ニキビ跡(色と凹凸)のご相談が今までは多かったわけですが、
開業して以来約半年が経過し、最近は徐々に地域の皆様方にも認知されつつあり、
ニキビ自体の治療の患者様が増えてまいりました。

当院のニキビ治療においては、

・外用薬(塗り薬)
・内服薬(飲み薬)
・ケミカルピーリング
・炭酸ガスレーザー(化膿したニキビの削り取り)

・殺菌効果のあるレーザー(Qスイッチヤグレーザー)

などのご用意があり、
後で詳しく述べますが、特に内服薬にて効果抜群のものがあります。

また、直接的なニキビ治療ではありませんが、
肌質改善という意味では

・フォトフェイシャル(アイコン)
・イオン導入

などを組み合わせるとこともあります。

一般の皮膚科クリニックの保険診療では
ビタミンB2(ハイボン)、B6(ピドキサール)ミノマイシンなどの内服処方、
ダラシンローション、ディフェリンジェルの外用処方あたりが定番かと思います。

しかし、ビタミン剤や抗生物質の内服、外用薬で治ってしまうようなニキビは、
正直言うと、黙っていても自然治癒してしまうようなレベルの軽い症状の
ニキビだと言えます。

放っておいても治るかもしれませんが、
これらの薬を使うと治るのが少しばかり早くなる程度のイメージです。

難治性のしつこいニキビ、大人ニキビ、男性の顔中に吹き出ている
赤々と隆起したニキビなどといった症状の激しいニキビに対しては、
残念ですが、これら保険診療で出せる薬では効果は極めて限定的、
もしくは無効と言えます。

当院のニキビ治療での第一選択は、アクネトレントです。

これは、別名飲むピーリング剤とも言われ、
ニキビ外用剤として用いられるトレチノインの内服バージョンです。
(正確にはトレチノインではなく、イソトレチノインです)

一般名;イソトレチノイン
商品名;アクネトレント(ロアキュタン)

などいろいろな名前で呼ばれています。
スイスのRoche社の製品です。

イソトレチノインという名前が示すようにビタミンA誘導体の一つであり、
皮脂の分泌を抑えつつ皮膚の代謝を正常化する強い作用を持ちます。

「ビタミン?」というと、
サプリメントでも摂取可能な栄養素の一つのように感じてしまい、
いかにも効かなそうですが、

レチノイン酸は、受容体と結合したの後に細胞核内のDNAにダイレクトに結合し
遺伝子の転写活性を制御するため、強力な生理活性を発揮します。

(同じ仲間にステロイドがあり、
 核ホルモンレセプター・スーパーファミリーのメンバーの一つです)

以前、大手美容外科に勤めていた時は、
トレチノインの外用薬とニキビ内服(ビタミンB2, B6、抗生剤)か、
アルダクトン(内服薬)を中心に処方をしていましたが、

トレチノインの場合(ディフェリンにも同じことが言えますが)、
塗った部分の皮膚に赤みを生じる(いわゆるA反応)ため
治療が上手く進んでいるかどうかの実感が得ずらいということがあります。

鏡で顔を見た患者さんが、赤かったニキビがさらに赤みが増しているのを見ると
もっと悪化しているように感じてしまい、どうしてもモチベーションが上がらず
途中でドロップアウトしてしまうことが多かったです。

一方アルダクトンは、皮膚に対する副作用こそはありませんが、
生理不順となる人が2人から3人に1人くらいいます。

ルテスデポー(卵胞ホルモン+黄体ホルモン)を腕に筋肉注射することで
生理サイクルはすぐに取り戻せるものの、
やはり元から生理不順の方などには敬遠される傾向がありました。

一方、アクネトレントはというと
皮脂の分泌を抑える作用があるのでどうしても肌が乾燥してしまいます。

唇が乾燥で割れてしまったりすることもあり、
かつては使い方が難しい薬というイメージもありましたが
要は用量を調節すればこの問題は難なくクリア出来ます。

つまり、10mgと20mgの剤型があるため
まずは10mgを2日に1回などからスタートして肌の反応を見ます。

あまりに激しい乾燥が見られる場合にはこれを3日に1回などにしますが、
この用量ではまずそれはありません。

1週間ほど内服し問題ないのを確認した後に、
1日1回10mgでは効果が見られなければ1日1回20mgに上げるなどしていきます。

その際も、あくまで肌のコンディションを見極めながら用量を動かします。

このように細やかに用量を調節することで、
乾燥の副作用を最小限に抑えつつニキビを消退させるのが
この薬の使い方のコツです。

この治療法のコツを憶えて以来、ニキビの治癒率はほぼ100%に達しました。

男性に多い、顔中噴火状態のニキビも、
ツルリとした肌にまで回復させることが出来ます。

なお、「ほぼ100%」というのは、薬を定期的に飲むのが苦手で
途中折角よいところまで来てもやめてしまう人がいるということと、
この治療が保険診療ではななく自由診療なので金額がそれなりにかかるため
費用的な問題で途中でやめてしまう患者さんがまれにいらっしゃるからです。

しかし、当院では1ヶ月分を平成30年9月現在19,800円と
都内最安値クラスでお出ししているため、
ニキビ治療を続けやすい価格設定となっております。

ただし、効果が出て来るまで最低1~2ヶ月はかかります。

これはアルダクトンでも同様です。

どうしても速効性を期待する患者さんが多いのは理解できるのですが、
今のところ頑固なニキビに対して速効性を発揮する薬はなく、
1~2ヶ月は辛抱の期間が続くことを治療を始める前によく説明するようにしています。

確かに根気が必要な治療ですが、
そもそも肌質改善治療全般において、これは当てはまるかと思います。

また、ニキビが良くなった後は
いつまで治療を続ければよいかということと合わせて、
いったん良くなった後の再発の可能性に関してよく聞かれますが、
薬の治療のため完全にやめるといずれニキビが復活してくる可能性はあります。

そうすると治療継続に伴って
費用的な負担がずっと続いていくようにも思えますが、
実際は薬の量は効果が出始めると少しずつ減らすことが出来るので、
1ヶ月分で購入した薬が2ヶ月、3ヶ月と持つようになりますのでご安心下さい。
(1日1回の服用が、2日に1回、3日に1回とだんだん間隔が開いてゆくイメージです。)

そうしているうちに肌質がすこしずつ改善され、
薬無しでも自然にニキビが治まってくるのを待つことになります。

さらに肌質改善目的として、
ニキビにレーザー、光治療などを希望される方がいらっしゃいますが、
ニキビが活動状態にあり炎症が強い状態ではレーザーor 光照射により
炎症を促進する可能性があるため、アクネトレントなりアルダクトンで
赤み、化膿状態などの炎症所見がある程度落ち着いてからの照射が望ましいです。


よくあるのは、ニキビ跡のくすみが残ると大変だから
早くレーザートーニングをして欲しいなどのリクエストです。

レーザートーニングには、
アクネ菌の殺菌効果も期待出来るため当てることもありますが、
あくまで炎症が強くない時に限ります。

原則はニキビ自体の治療、そしてニキビ跡の治療という順番です。

なお、ニキビを治すためには、普段の心がけも大切です。

もちろん規則的な食事、充分な睡眠、出来るだけストレスのない生活を送ることなども
重要な要素と言えますが、仕事の都合などで生活が不規則になりがちであるとか、
また夜型の生活がもはや習慣になってしまっていたりと、
分かってはいても改善するのが難しいことがままあります。

そのような場合にもアクネトレントは、かなりの高確率で
ニキビを治癒させることが出来るので、当院ではまずお勧めしている治療です。

※当院のニキビ治療について詳細はこちらです。




監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士