美容皮膚科にとって重要なテーマの一つです。
これまで、当院では保険治療で治らないニキビに対して、
・アクネトレント(ロアキュタン、イソトレチノイン)の内服
・アルダクトンの内服
を第一選択として勧めていました。
(アクネトレント・アルダクトンの詳細はこちら)
当院の自由診療では、ケミカルピーリングやイオン導入などの肌質改善メニューのご用意もありますが、
頑固なニキビを完治させるには力不足の治療と言わざるを得ません。
上記2つの内服治療は、難治性ニキビの切り札的なカードとして使用してきましたが、
強い薬にありがちな副作用も若干あり、全ての患者さんにお勧めできるものではありませんでした。
より少ない副作用で、万人向けの治療はないものか?と悩んでいたところ、
実は当院の光治療機・アイコン(MaxG)がニキビ治療の強力な手段になりうることが
昨年中頃から分かってまいりました。
![](https://mizuhoclinic.jp/wp-content/uploads/2016/11/DSC_0024.jpg)
毛穴引き締めなどの目的で開業当初より使用してきたアイコンですが、
たまたまにきび跡の凹凸治療・毛穴の引き締め目的としてアイコンを照射した際に、
新しいニキビが出来づらくなったという患者さんからの声がありました。
もしやと思いニキビ治療に用いたところ、
上記内服薬と同等かそれ以上の効果を発揮することが分かってきました。
サイノシュアの営業担当の方に聞いてみたところ、
実はそういう使い方が以前より既にあったとのことで
私が初めて発見したアイコンの使い方ではなかったようです。
最近ルミナス社のフォトフェイシャルM22が、
ニキビ治療用のフィルターを開発してきた経緯から考えても、
アイコンは光治療機の中ではやはり先進的な機能をもったマシンと言えるかもしれません。
おそらくは、炎症性ニキビの赤い色に反応してエネルギーが吸収され脂腺にダメージを与えることで、
皮脂の分泌を抑えるという仕組みなのではないかと想像します。
症例を見て見ましょう。
下は、昨年9月に皮膚科での治療によっても口周りの激しいにきびが全く治らず、
「助けて欲しい」という悲痛な叫び声のメールを頂いた患者さんです。
確かにこうしてみると、化膿して噴火したニキビが口周りから頬に掛けて多数見られ、
見るからにてごわそうな印象です。
![](https://mizuhoclinic.jp/wp-content/uploads/2016/12/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-2.jpeg)
当初、アクネトレントの内服を行いニキビの発生を半数くらいまでは抑えましたが、
完全に直す所までには至りませんでした。
このころ、他の患者さんである程度アイコンがニキビ跡の凹凸・色素沈着・赤みだけでなく
ニキビ自体の発生も抑えることが出来るということが徐々に分かってきていましたので、
この患者さんにも光治療を勧めてみました。
最初に照射した時は、ニキビによる炎症部位へ対して
ある程度の痛みが伴う光治療を行ったものですから、かなり痛みが強かったようです。
「二度としない!」と怒って帰られてしまいましたが、
1ヶ月後には、「あれから新しいニキビが出来なくなったので是非また掛けて欲しいです」
と言って戻ってこられました。
それ以後も、当てるたびに痛みのため「もう嫌だ!」と帰って行かれる患者さんですが、
根気よく続けた甲斐あって、10回照射の後ついにニキビが完治しました。
途中からどんどんニキビが良くなりアクネトレントをいったん中止しているので、
ほぼ光治療(アイコン)単独でここまできたと言ってもいいかもしれません。
![](https://mizuhoclinic.jp/wp-content/uploads/2016/12/795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-2.jpeg)
![](https://mizuhoclinic.jp/wp-content/uploads/2016/12/2b530e80c7d0de90885e285c5d798063-2.jpeg)
現在もニキビが再発してこないように、月に1回程度で光治療を継続していますが、
今のところ治癒後の落ち着いた状態を現在も維持できています。
ただ、上記の治療に伴う痛みの件については、
照射前に麻酔クリームを塗布するなどして差し上げれば
もっと楽に治療が進んだかもしれなかったと今は反省しています。
最近はアイコンとニキビ治療専用の光治療機・クリアタッチを組み合わせて
同日に両方照射することでさらに、確実に早く結果を出せることも分かってまいりました。
この治療は、保険治療の外用剤、抗生物質の外用/内服、ビタミン剤、ピーリング、
イオン導入など何をしても治らなかった方にとって本当に大きな朗報であると感じます。
難治性ニキビに対する新たな切り札を手に入れることが出来ました。
光治療・アイコン(MaxG)の詳細はこちらです。
<本ブログの症例に関する情報>
治療名①:ニキビ治療(アイコン) 費用22,000円/回 10回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療名②:ニキビ内服治療(アクネトレント) 費用:21,780円/4週間分
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:皮膚の乾燥など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ