形成外科も標榜していることがあり、体表にある皮膚腫瘍・皮下腫瘍の
ご相談を受けることがあります。
皮膚腫瘍・皮下腫瘍と一口に言ってもいろいろなものがあるため、
日常診療でよくあるものとそうでないものに分けて折りに触れてご紹介してまいります。
今回は少し低頻度のものになりますので、
「ちょっと珍しい腫瘍シリーズ」の第2弾としてご紹介します。
※珍しい腫瘍第一弾(脂腺嚢腫)はこちらです
上は、「額のイボを取って欲しい」とのことで外来を受診されました69歳の女性です。
10年ほど前から額にしこりのような出来物が生じ、
年数をかけて徐々に表面が盛り上がってきたということです。
痛み・炎症・痒みなどの症状は全くありませんが、邪魔なので取って欲しいとのことでした。
触ると非常に硬く骨と同じ硬さに感じましたので、
レントゲン、CT, MRIなどを撮影することなく「骨腫 Osteoma」という診断が出来ました。
額に生じることがある皮下腫瘍・皮膚腫瘍としては脂肪腫や粉瘤が比較的多いですが、
触った時の硬さが全然違うためすぐに骨腫と分かります。
実際の手術では、生え際に皮膚切開を置き、腫瘍のある位置まで皮下剥離を行うと、
滑らかに白く光る腫瘍の本体が見えてまいりました。
確かに骨腫であることが確認出来ました。
この傷口から平ノミを挿入して、ノミのお尻をハンマーで数回叩くと
簡単にポロッと骨腫が前頭骨から剥がれ落ちます。
そして上がその取れた骨腫本体の写真です。
骨腫という名前通り見た目完全に骨です。
そして上が術後7日目の抜糸時の状態で、
腫れや内出血などほとんど生じることなく傷もスッキリ治っています。
骨腫は良性腫瘍なので放置しても全く問題ありませんが、
額にあり大きくなってくるとタンコブのような見た目となり結構目立ちますので、
痛み・痒みなどの症状がなかったとしても取ってしまうことをお勧めします。
15分くらいで終わる日帰り手術です。
私が形成外科出身の美容外科医ということもあり、
このような体表の出来物のご相談もお受けしておりますので、
お悩みの方はどうぞお気軽にお問い合わせください。
本ブログの症例に関する情報
治療名:前額部骨腫除去 費用:60,000円(税抜)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、皮膚壊死、皮膚の傷跡、後戻りなど
二例目治療名:ほくろ切除縫合 費用:11,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:出血、血腫、漿液腫、感染、傷跡など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。