意外と眼瞼下垂の治療に保険適応があるということが知られていません。
さらに眼瞼下垂という言葉自体聞いたことはあっても、
正確・具体的にどのような症状が眼瞼下垂なのか理解している患者様は
それほど多くはないです。
というのも、メールや電話などの相談で
「自分が眼瞼下垂なのかどうかをまず見て欲しい」
という問い合わせをよく受けるからです。
実際にお会いして診察してみると、
確かに眼瞼下垂のこともあるし、全然違うこともあります。
ただ、手術治療により劇的に改善することが多い症状なので
是非正確な知識を得て、下記に該当するなら、当院にご相談頂ければと思います。
眼瞼下垂の原因として、
1)上瞼の皮膚がたるんで被さって視界が悪くなっている(一番多い)
2)目を開ける筋肉に連なる腱膜が加齢で伸びてしまっている(二番目に多い)
3)生まれつき目を開ける筋肉が弱い →先天性眼瞼下垂(三番目に多い)
4)額の筋肉(前頭筋)の弛緩により眉毛が落ちている →眉毛下垂(たまに見かける)
などが外来で目にするケースです。
1,2,4は、40代以上の中年から高齢者に見られる症状です。
3はその名の通り、若い時分からある症状ということになります。
その他、重症筋無力症などの特殊ケースもありますが
これは超レアケースですし内科の疾患なのでここではお話ししません。
眼瞼下垂では一様に視界が悪くなるため
高齢者の場合「検査では目の視力自体は落ちていないと眼科で言われたのに
最近ものが見えづらいのはいったい何でだろう? 」となります。
また、視界の悪さを眉毛を上げることで
瞼の皮膚を持ち上げて補おうとするため、
額の筋肉を使うことで
・額に横しわが入る。(老けて見える)
・額の筋肉と首の筋肉が頭頂部を介してつながっているため首が疲れる。
→首の筋肉が疲れるとそれとつながっている肩の筋肉が疲労し肩こりの原因となる。
・常時額の筋肉に力が入っているために、頭痛がする。
などの症状を伴うことがあります。
よって眼瞼下垂の治療を行うことで
視野が広がり物が見えやすくなるだけでなく、
・視力がよくなったような感じがする。(実際には視力自体は改善してませんが)
・首こりが取れた。
・肩こりが取れた。
・額の緊張がなくなり頭痛が治った。
などとおっしゃって喜ばれる患者様が多いです。
さらに眼瞼下垂の治療法としては、
・余った皮膚を糸で留めてたくし上げる方法 (最も希望が多い切らない施術)
・余った皮膚を切除して取り除いてしまう方法 (要切開)
・伸びてしまった腱膜を縫合で縫い縮める方法 (要切開)
・太ももの筋膜を採取して、瞼と額の筋肉を連結するように移植して
額の筋肉を目を開ける動きの補助とする方法。 (主に先天性の眼瞼下垂に用いる)
・眉毛が下がっているのが原因なら眉毛の上の皮膚を切除縫合することで
眉毛と上瞼の両方を上方に引き上げます。(眉毛上切開またの名を眉毛リフト)
などがあります。
当院に来られる患者様は切開手術を積極的に希望される患者様はそれほど多くなく、
余った皮膚を糸で留めて、奥に折り込みかぶさりを取ることを希望されるケースが
一番多いです。
但し、この方法は目の開きがよくなる分けではありませんので
腱膜が伸びてしまっている方には無効であり意味がありません。
この点を患者様に術前によく説明しておく必要があります。
各症状に対して適切な治療法を選択しなくては、
思ったように仕上がっていないという結果に終わります。
ところで、当院では保険で行う眼瞼下垂手術と
自由診療の眼瞼下垂を分けて行っています。
上記のような症状を申告された場合、
保険治療は可能ですがその場合結果として視界が広がったり、
目の開きが良くなった時点で治療は終了です。
仕上がりに関して、微妙な目の開きの左右差の調節や
二重ラインの幅・形・カーブの調節などを2回目の修正手術として
希望される患者様もまれにいますが、
このような希望は審美的な見た目に関するリクエストとなりますので、
保険治療で引き受けることは出来ません。
もし、開きの左右差調節、
二重ラインの幅・形の二次的な微調整なども合わせて希望されるなら
最初から自由診療のプランでされることをお勧めします。
初回の手術でできる限り患者さんの希望の目の開き、
二重となるようには配慮して行っていますが、
実際には
・切る手術の場合には局部麻酔が入ることで一時的に目の開きが普段より悪くなる。
・切開した時点で腫れが生じて、目の開きは普段より悪くなる。
・腫れは、左右均等には生じない。
・もともと目ヂカラが左右で異なり目の形が違う。
などの理由で、手術中に左右の目の開きと
二重ラインの両方を正確に寸分違わず合わせるというのは至難の業です。
これら腫れや麻酔の影響を考えながら、
長年の経験と勘を頼りにおそらくこれくらいだろうという
目の開きとライン調節を行うわけです。
しかし、1ヶ月して腫れが引いた時にどちらかが微妙に開きが良かったり、
ラインが狭かったりなどということは実際にはあり得ることです。
もし、そのようなわずかな出来映えの左右差、ライン形状などが
気になる方には2回目・3回目の手術が必要になるため、
この点をよく説明して患者様に自由診療のプランを選んで頂いています。
気になる料金は、
保険治療の場合 片目72000円のうち自己負担分;21600円、両目はこの2倍です。
(但し大腿筋膜移植はもう少しかかります)
自由診療の場合は、両目20,000円となります。
自由の方は、都内平均が
両目40万円から50万円なので都内最安値レベルの価格ではないでしょうか。
下は、皮膚性の眼瞼下垂の患者様の写真です。
皮膚性ということは、
皮膚のかぶりだけが問題で目の開きは全く問題ないケースです。
上まぶたの外側の皮膚が被さって視野が狭くなり、
外側が見づらくうっとうしいとのことで来院されました。
高齢者によく見られる、いわゆる「ハの字の目」「三角形の目」です。
写真下は、施術直後の状態です。
切開を希望されなかったので、
縫合(埋没法)のみで外側の皮膚のかぶりを取って差し上げました。
腫れがほとんど出ないため、
このまま友人と会ってお茶をして帰っても良さそうな感じですね。
これだけ腫れが少ないと
仕事前に治療を受けてそのまま仕事に向かうことも可能です。
例えもし営業関係の仕事だとしても、
このレベルの腫れならゆけるのではないでしょうか。
当院では、忙しく時間のない方のために
仕事前の早朝サービスの眼瞼下垂・二重手術・逆さまつげ手術も行っておりますので
お気軽にご相談下さい。
切らない上瞼のたるみ取りはこちらです。
眼瞼下垂について詳しい内容はこちらです。
本ブログの症例に関する情報
治療名:眼瞼下垂治療(二重埋没法/2点連結法) 費用:120,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、ライン消失、皮膚の傷跡、後戻り、左右差など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。