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注入を用いない下瞼のくま治療

2018年06月11日(月) | カテゴリ: 美容外科, 二重整形・眼瞼下垂・目元
下瞼のくま取り治療には、
手術以外の方法ではヒアルロン酸注入や脂肪注入などがメジャーで、
その他にレーザー・照射系治療では皮膚・皮下組織を引き締めることで
くまやたるみを改善させる治療というものもあります。

また手術では、脱脂(目袋の脂肪除去)やハムラ法など下瞼の脂肪組織に何らかの操作を加えることで、
くまを目立たなくする方法があります。

しかしこの時に注意が必要で、目袋の脂肪が余って前方に突出していないケースでは
くま治療として脱脂を行うと、術後に下瞼がくぼんでしまったり、
いじっていない上瞼までもが一緒にくぼんでしまうという厄介なケースもあります。

これは、下瞼の脂肪と上瞼の脂肪が眼球の周囲で連続してつながっているためです。

ですから、くま治療と言って、何でもかんでも十把一絡げに脂肪除去を
下瞼の裏(結膜)から行うのは確かに問題があります。

一定年齢以上の方で皮膚にたるみがある場合には、脂肪を抜くことによって
風船から空気を抜けばクシャクシャのしわになるように、
皮膚のたるみが一層強調されることもあります。

そのため30歳後半以降で下瞼の皮膚にゆるみ・たるみのある方の手術によるくま治療では、
脂肪を操作する・しないにかかわらず、一定量の皮膚切除をあわせて行うか
または皮膚切除単独でもかなり良い結果が得られることが多いと言えます。

下は、下瞼のたるみとくまを気にされて昨年末当院を受診された69歳の女性です。


この方の場合、いわゆる下瞼の脂肪が多く
目袋(Baggy eye)として脂肪が前方に突出している訳ではありません。

くまが見える原因として、ゆるんだ下瞼の皮膚と頬の皮膚の境界部が明瞭になっていることと、
くまの位置にもともとあった皮下組織が加齢により重力によって下垂することで、
皮下組織のボリュームが失われてくまのラインが溝としてクッキリと認められます。

このようなケースでは、脂肪を除去したり脂肪を移動する(ハムラ法)治療ではなく
皮膚切除と眼輪筋の外側上方への引き上げ(吊り上げ)術だけでも、
かなりくま(溝)と皮膚のたるみの両方が一度に改善します。


上は幅3mm程度の皮膚切除にあわせて、眼窩外側骨膜を固定源とした
下瞼眼輪筋の外側上方への吊り上げ固定術を行った後、6ヶ月目の写真です。

6ヶ月目でこの状態なら1~2年で元の状態に戻ってしまうということはないでしょう。
手術による効果の持続期間は、5年から10年ほどと予測します。

皮膚の表側を切除する手術となると、傷跡のことを気にされる患者さんもいますが、
下瞼の睫毛の生え際ジャストで皮膚をカットする技術があれば、
手術後2ヶ月でほぼ傷跡は分からなくなります。

逆に言うとよくあることなのですが睫毛生え際から2~3mm下を切られてしまうと
傷跡は完全に目立ってしまいます。

下瞼は傷の治りが非常に良い部位である点と、
この手術を受ける対象の患者さんは中年以上であり皮膚がよく伸びることを考慮すると
傷跡の目立ち方が問題となることはまずありません。

くまを治療する治療には手術・非手術を含めいろいろな方法がありますが、
この皮膚切除+眼輪筋の吊り上げというシンプルな方法は汎用性が高く
リスクの少ない方法としてお勧め出来る手段です。気になる方は一度ご相談ください。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:下瞼たるみ取り(皮膚切除法) 費用:220,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、傷跡、眼瞼外反、後戻りなど
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士