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顎プロテーゼ症例

2021年03月01日(月) | カテゴリ: 美容外科, 小顔整形
小さな顎にボリュームを出す顎プロテーゼは、
鼻プロテーゼに比べてそれほど多いとは言えませんが時々リクエストがあります。

当院では、顎ヒアルロン酸を希望する患者様が多いためですが、
顎へのヒアルロン酸注入は他部位よりも持続期間が短い方が時々いらっしゃるので、
そのような方は、思い切ってプロテーゼを入れてみるのも良いかもしれません。

顎プロテーゼのメリットは、効果の永続性の他に
ヒアルロン酸よりもよりシャープ仕上がるという点から小顔効果も期待出来ます。

詰め物をするため顔全体で見れば体積は増えているのに
小顔に見えるなんて何だかおかしな話に感じる方もいるかと思いますが、
顎が前に出たり、いくぶん下方向に出てシャープになることで
フェイスラインがスッキリして、逆三角形のラインが形成されます。

これによって顔の横幅がしまって見えつつ、
顔に凹凸感が発生するので小顔に見えるという理屈です。

顔の凹凸感という意味では、鼻スジのプロテーゼ挿入や
鼻先の耳介軟骨移植、鼻柱の耳介軟骨移植なども小顔効果にプラスに働きます。

頬前面へのヒアルロン酸注入や脂肪注入も、
顔面に前後の凹凸が生じるので顔が小さく見えます。

ここらへんのことは、立体感覚の優れた人はすぐに理解出来るのですが、
立体イメージイング苦手な方には、なかなか説明しづらいです。

「顔の体積が増えているのになんで小顔になるの???逆じゃない?」
となってしまう方もいらっしゃいます。

もちろん、よりダイレクトに小顔にするなら
頬の脂肪吸引、咬筋切除、エラ削り、エラボトックス、
バッカルファット切除、頬骨削りなど、挙げてゆけばきりがありませんが
いわゆる顔の組織のボリュームダウンを実際に行う手技も
もちろん小顔効果が得られます。
こちらは、すんなり理解しやすいかと思います。

しかし、顔に前後の凹凸の立体感を与えることは、
仮にボリュームアップであっても視覚的に顔が小さく見えるものであり、
今後はこの説明に最近導入した3Dシミュレーションシステムである
ベクトラH2を使ってみようと思っています。

とはいえ現状はまだ完全には使いこなせていませんので、
患者様の見ている目の前で、PC画面上にて素早く顔の形を変えることが
出来るようになるには、もう少し時間がかかりそうです。

さて実際の症例を見てみましょう。






上は小さな顎を気にされてご相談に来られた32歳の女性です。

ヒアルロン酸のような定期的なメンテが必要な方法ではなく、
永続的な方法が良いということで顎プロテーゼを最初から希望されました。

ちなみに、ネット上でプロテーゼは鼻でもアゴでも、
年を取ったときにメンテナンスが必要で大変だなどという情報が
出回っていると患者様の口からよく聞きますが、実際そんなことはありません。

何らかの理由で挿入したプロテーゼを抜きたくなったり
もっと違うサイズや形のプロテーゼを希望されるケース、
また、ほぼないですが万一何らかのトラブルが発生しない限り、
入れ替えなどのメンテナンスは必要ありません。

ちなみに私の27年間の形成外科・美容外科のキャリアの中で
プロテーゼ手術によるトラブルで抜去になったことは1回もありませんので、
これからもほぼないと思っています。
要は、それくらい安全な手術ということです。

さて話を元に戻して、上記の方に局所麻酔注射を使い
下唇側の口腔内粘膜切開で骨膜下を剥離してプロテーゼを挿入しました。





上が術前左側面、下が術後1ヶ月目の左側面。
この時点で腫れは完全に引いています。







上が術前左斜め前、下が術後1ヶ月目の左斜め前。

顎のプロテーゼは単なる詰め物を入れる手術で
一見簡単な手術と思われがちですが、実際は結構難しい手術です。

プロテーゼ加工による形、幅、フェイスラインとの連続性など
細かい点が仕上がりに密接に関係してくるからです。

また、プロテーゼ先端の向きの角度調整は、この手術で一番の重要ポイントです。

一番多いリクエストは、斜め前下方に先端が向くようにするパターンですが、
人によっては、下に出したくないので完全に前方向に出して欲しい、
あるいは逆に、前はいいからより下方向に出して前から見たときの
尖り感がしっかり欲しいなどといったご希望を頂きます。

この先端の角度調整が美容外科医の腕の見せ所であり、
プロテーゼの形の加工だけでなくプロテーゼを挿入する部位の、
骨膜の剥がし方などでプロテーゼの収まる位置と先端の角度・向きが
大きく変わってゆきます。

そしていったん入れたところで、
傷口を仮留めしてベッドの上で上体を起こして頂き患者様に鏡で見てもらい、
気になる点があれば言って頂き、プロテーゼを取り出して加工し直したり
剥離範囲を調整したりして少しずつ、先端の角度と形状を変えてゆきます。

これがオーダーメイド手術であるために絶対に必要なプロセスです。

今回の方の場合、「前下方にナチュラルに出したい」というご希望だったため
まさにそのように入れています。

斜めから見ると単に、顎が大きくなっただけでなくフェイスラインに
角度がついてスッキリとして、頬が痩せたかのような印象を与えます。
いわゆる小顔効果が得られていることが分かるかと思います。

患者様からは「結果に大変満足」というお言葉を頂いたため、
モニターとして写真使用についてお聞きしたところ心よく快諾して頂きました。

今回は、顎を前方ないし下方に出すプロテーゼ手術でしたが、
逆に下顎を小さくしたり短くしたりといった顎を後方に下げる
骨切り手術も当院では承ります。

顎の骨を切る手術ですので、こちらは局所麻酔ではなく全身麻酔下で行いますが、
日帰りであり入院は必要ありません。
興味のある方は、こちらもあわせてご相談くださいませ。
当院の顎プロテーゼ挿入の詳細はこちら


<本ブログの症例に関する情報>

治療名:顎プロテーゼ挿入術  費用:220,000円(税込) 
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:感染、創離開、下顎の知覚麻痺、骨吸収、左右の非対称性など 
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ









監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士