美容外科、美容皮膚科問わず実によくあることです。
小鼻の横から口角に向かって伸びるへこみ状の深い溝であれば
ヒアルロン酸注入で充分浅く見せることは可能ですが、
非常に浅く、細い線状のしわの場合、
ヒアルロン注入では充分に伸ばせないことが多いです。
上の写真のような
口角に刻まれたしわを薄くするにはどうしたらよいでしょうか。
俗に「カギ括弧じわ」などと呼ばれているしわですが、
この部分のしわを治すのは意外に難しかったりもします。
このような場合、私は口角付近の筋肉の収縮力を
ほんの少しだけ抑える形で口角じわの治療を行っています。
筋肉の収縮力を抑えるために口角とその外側に
少しだけボトックスを打つ方法で施術を行っていますが、
これは、美容外科医・美容皮膚科の医師によって
かなり意見がまっぷたつに分かれるところであると思います。
なぜなら口角を上げる筋肉の収縮力が弱くなった場合、
笑いにくさを感じることがあるからです。
私もかなり以前は、口回りの場合は
ガミースマイルとおとがい(顎)の梅干しじわ以外では
ボトックスは打つべきではない場所と認識を持っていましたが、
ある時、患者さんから
「多少笑いづらくなってもよいから、どうしても打って欲しい」と言われ、
なかば押し切られる形で打ってみたところ大変良い結果が得られ、
また患者様の満足度が非常に高かったことから、
今まで常識だと考えていた「口角はボトックスを打つには不適切」
という考えに疑問を持つようになりました。
この患者様は口角のしわが目立たなくなったにもかかわらず、
笑えない・笑いづらいという不便さは一切感じないとのことだったので、
今までの常識としていた「口角ボトックス不適切説」は
いったい何だったのだろうかと今は感じています。
よくよく考えると、口角に目立つしわが刻まれている人は、
元々口角を上げたり、外側に引く作用を持つ筋肉がかなり発達しており、
筋力が通常の方よりも強いということが言えますから、
ボトックスを打つことによって過剰な収縮力をわずかにゆるめる程度では、
笑えなくなったり表情がひきつることはまずないはずです。
口角へのボトックス注射のポイントは、
誰かれ構わず打って良いと言うことではなく
実際に笑顔を作って頂き筋力の強さを見極め、
さらにボトックスの打つ単位数を調節したり、
またあまりトータルの薬液のボリュームを大きくしすぎないなど
上顔面に打つ際にルーチンで注意していることと
全く同じ当たり前のルールを守るということです。
実際の症例を見てみます。
上の1枚目の写真は、ほうれい線から口角に掛けての
しわが目立つとしてご相談に来られた39歳の女性です。
2枚目の写真が、約2週間後の状態です。
お顔にメイクはしていますが、
ほうれい線から口角の部分はメイクを拭き取って頂いています。
しわは完全には消えてはいませんが、
「かなり目立たなくなり、気に入っている。」とのコメントを頂きました。
笑いづらさも全く感じないとのことでした。
非常に治療リクエストの多い部位ですので、
この部分のボトックスはもっと世間で認知されても良いように感じます。
一般的には少々イレギュラーな方法かもしれませんが、
患者さんを慎重に選んで行う分にはメリットが大きいと感じます。
>ボトックス注射詳細はこちら
本ブログの症例に関する情報
施術名:口角ボトックス 費用:両側 28,600円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、左右非対称、笑いづらさ(一時的)など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。