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複合的なしみ治療(日光性色素母斑、肝斑など)

2016年02月01日(月) | カテゴリ: しみ
しみと一言に言いましても、いろいろなタイプのしみがあり、
一つの治療で全てのしみに対応することが出来る治療というものではありません。

特に30代以上では、様々なタイプのしみが混在し入り乱れていることが
しみ治療において一番難しい点です。

複合的な種類のしみには、
当然複数の治療手段・治療機器の組み合わせで対応するのが合理的です。

「一つのマシンで、あらゆるしみに対応!」のような宣伝文句を見ることもありますが
ちょっと誇大広告では? と思うことがあります。

例えば肝斑が下地にあると、フォトフェイシャルやQスイッチレーザーは
悪化のリスクがあるためトーニングから治療を始めることもありますが、
あまりにたくさんの濃い日光性色素斑がある場合には
トーニング単独ではとても色を抜くことは無理と感じます。

たとえば、下の写真の方のような方でレーザートーニング単独で
しみ抜きしようと思うと、30回以上かけてもそれほど変化が期待出来ないでしょう。

昨年(2015年)6月に、顔中にあるしみを取りたいという希望で
当院を受診された女性です。


このようにしみが多数ある場合、あえて肝斑の若干の悪化を覚悟しつつ
あまり出力を強くせずにいったん光治療(フォトフェイシャル、IPL)を1~3回行い
取れるしみをあらかた取ってしまう場合もあります。

ちなみに、当院の光治療機(アイコン)で取れるのは

・日光性色素斑
・そばかす
・微妙な色むら  

などです。

特にこの患者さんのように日光性色素斑のうち色の濃いものは、
当院の光治療機(アイコン)によく反応します。

光治療で悪化した肝斑については、時間をおけば必ず薄くなってきますので、
ここは日光性色素斑がいくらか取れるメリットとトレードオフとして
あえて初回に光治療を行いました。


かなりの部分が取れて、患者さんは大変喜んでくれましたが、
やはり中途半端な取れ方だったため、残っているしみに
一個一個Qスイッチ・ルビーレーザーを照射して叩いてゆきました

Qスイッチレーザーは、かさぶたを作りそれが取れるまで7日から10日程度を要するため、
顔全体に一気に照射すると患者さんの精神的なストレスが大きいため、
通常数個ずつ固まった小エリアでまとめて照射を繰り返すことが多いです。



左が、治療前、右がフォトフェイシャルとQスイッチルビーで
合計11回の治療を行った結果です。(フォトフェイシャルは、最初の3回のみ使用)

ここまで取れると初めて肝斑はほぼなく、
大部分は実は日光性色素斑だったということがようやっと判明するわけです。

今回のようにあまりに濃い日光性色素斑がたくさんある方や色黒の方の場合、
あらかじめ下地にある肝斑を正確に見破ることはかなり難しいです。

まだ治療の途中経過であり、もう少し強めにQスイッチレーザーを当てた方が
良さそうなしみがまばらに残っていますが、施術前から見ればかなりの前進です。

「今までメイクではとても隠せなかったシミが、
メイクで隠せるようになっただけでもやってみて良かった」とおっしゃっていました。

ここまでは、フォトフェイシャルとQスイッチレーザーの組み合わせで治療を行ってきましたが、
しみもこの薄さになれば、レーザートーニング治療も充分効果が出るであろうと予想し
そろそろ治療のステップを次の段階にシフトしてレーザートーニングを勧めてみるつもりです。

典型的な肝斑が見られないため、
口径を絞ってパワーを強めとした当て方があっているかもしれません。

さらに美しく磨き上げ、より完成度の高い結果が上がってまいりましたら、
また当ブログで結果を報告させてもらう予定です。
フォトフェイシャル(光治療・IPL)治療の詳細はこちら
Qスイッチルビーレーザー治療の詳細はこちら
レーザトーニング治療の詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

治療名①:アイコンによるしみ治療 費用:22,000円/回 3回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療名②:Qスイッチ・ルビーレーザー 費用:22,000円/回 8回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士