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ADM治療には、Qスイッチルビーがベストですが…

2016年05月17日(火) | カテゴリ: その他の美容皮膚科
30代以降の女性の顔のしみには、日光性色素斑、肝斑、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)、
脂漏性角化腫、ソバカスなど様々なものが混じっていることが多いです。

これらにフォトフェイシャルやレーザートーニング他を組み合わせて行った場合、
ほとんどのものが、取れるか最低でも薄くなりますが、最終的に残るのはADMのことが多いです。

ADMは、深い所(真皮)にメラニンがあるのでフォトフェイシャルやトーニングなどの弱い治療では
ほとんど目立って薄くすることは難しいです。
*ここで言う「弱い」とは、漠然と低出力ないしパルス幅が広い(長い)というイメージです。

患者さんからは、「最初より良くなってはいるけど、最後のあと少しをどうにかしたいです」
と言われてしまうことがしばしばあります。

残ったADMをいかにして取るか?

これが、美容皮膚科の重要な課題の一つなのですが、これには、
Qスイッチ・ルビーレーザーを高出力で当てる方法がベストというのが一般的な考え方だと思います。

しかし、かさぶたが約10日間生じる点と、3週間から1ヶ月目にやってくる
炎症後色素沈着(俗に言う「戻りじみ」)がくることを告げると、二の足を踏む患者さんが8割以上です。

そのため、Qスイッチ・ルビーレーザーほど切れ味は良くはないですが、
あえてQスイッチ・ヤグレーザーを強めに打って5回~10回の照射で少しずつ薄くしたりするなどの
工夫も行っております。

Qスイッチ・ヤグレーザーでも全く皮膚に負担が掛からない分けではなく、
強く当てれば点状出血を生じますが、かさぶたに比べると化粧でかなり隠しやすいということがあり、
こちらも近年の出来るだけダウンタイムの期間を短くという時代のニーズにあった治療に思えます。

今回は、Qスイッチ・ルビーレーザーの1回照射でADMがかなり薄くなった症例を見てみましょう。

下は、42歳の女性で、両側頬骨部にくすんだような斑状のしみを多数認めます。
斑状のしみが癒合すると一部面状(地図状)のくすみとして見られることもあります。

こういったケースの場合、よく肝斑としてレーザートーニングで治療されていますが、
通常のレーザートーニングではまず薄くなることはありません。
*出血するくらいの「強いトーニング」では薄くなることがあります。

  

そして、下は1回目照射後4ヶ月目の状態です。

 
途中経過で一瞬濃くはなりましたが、今はかなりしみが取れています。
まだ、うっすらと残っている所があるので先日最高出力の10Jで2回目の照射を行いました。

最初から10Jで打つべきだったのかもしれませんが、あまり強く打つと炎症後色素沈着の期間が長引いて患者さんが不安になるといけないので、初回は8Jくらいで打つことにしています。
まれに、美容治療にかなり慣れている方で、かつ肌の色の色素がしみ以外の部位で濃くなく、心の強そうな方に限って特別に初回から最高出力の10Jで打って一発で取ることもありますが、通常の方には8Jくらいからスタートするのが無難ではないかと思っています。
ここらへん、どのくらいの出力で打つかもドクターのキャラクターにより分かれるところではあります。
当院のADM治療の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:Qスイッチ・ルビーレーザーによるADM治療 費用:110,000円/回 2回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士