
瞼のくぼみを老け顔と捉えるか、目回りの好ましい立体形状と考えるか?
【下瞼のクマ・たるみを中心とした老化現象は、「ハムラ法」「脱脂法」のどちらの手術で治療をするのが正しいのか】
上は、4月22日から24日まで徳島で行われた、日本形成外科学会総会の目玉セッションとして行われた討論のテーマです。
ハムラ派の代表として牧野美容クリニックの牧野先生が、脱脂派の代表としてシンシアクリニックの又吉先生が登壇してそれぞれ議論を交わしました。司会進行はヴェリテ・クリニックの福田先生、リラクラニオフェイシャル・クリニックの菅原先生です。牧野先生は、下瞼のクマ・たるみ治療として裏ハムラと脂肪注入の組み合わせを得意とされる先生で、セッションの際に紹介していた症例写真を見ても、確かに結果は非常に良い仕上がりになっていると感じました。
…しかし牧野先生が手術をした患者様からは以下のような2つの不満が挙げられたそうです。
1.下瞼がまっ平になって、気に入っていた涙袋が目立たなくなった
2.笑った時に、脂肪注入した箇所が盛り上がって見えるようになった
この2点が気になるため、患者様はその後、今回のセッションのもう1名の登壇者であるシンシアクリニックの又吉先生の元に相談に行き、再手術を行ったという事例があったそうです。
続いて脱脂法代表として登壇された又吉先生の主張は以下のようなものでした。
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脱脂法後に「下瞼(場合によっては上瞼にも)にくぼみ」が生じるのは承知しているが、このようなくぼみが生じることで、逆に目周りに凸凹感や立体感が出て、かえって好印象を与えることができる。現代的な美の象徴である女優さんやタレントさんも目元に凹みやくぼみがあるが、彼女らの目元が老けているとか、見た目が悪いと感じる人はいないのではないか?
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実際に現在活躍する女優さん・タレントさんの目元の写真をセッション中に紹介しながら、上のような論拠で講演をされていました。
脱脂法代表の又吉先生がおっしゃっていることも一部理解はできたのですが、私の正直な感想としては、いささか無理のある主張のようにも聞こえました。今回のセッションで牧野先生が提示した裏ハムラ+脂肪注入による症例写真の仕上がりについては、本来であればほとんどの患者様が仕上がりに満足するような結果だったのではないかと推測します。今回の施術結果に不満を示されたという患者様が、逆に少数派のご意見だったのではないでしょうか。
このような特殊な事例を、まるで失敗症例であるかのように指摘して、脱脂法のほうがすぐれているとするのはどうなのでしょう。上で紹介した牧野先生の患者様の症例の他にも、裏ハムラの手術で大変有名な先生の症例写真を、まるで失敗例のようにスライドに大きく表示して紹介しておられましたが、こちらも同様に、少数派の方による珍しい不満が生じた例ではないのかと感じました。
もちろん、患者様の中には今回の又吉先生の主張のように上瞼や下瞼にくぼみ・デコボコがある目元を好まれる方もおられます。実際に外来においても、上瞼のくぼみが目立つ患者様から「瞼がくぼんでいるほうが二重幅が広く見えるからこのままでいい」といった意見をいただくこともあります。ただ件数としては決して多くはありませんし、多くの患者様で該当するケースというわけではないのではないかと、個人的には感じています。
最後に今回は、ヒアルロン酸注入で目元のくぼみを改善した方の症例写真をご紹介したいと思います。
上の写真は、上瞼・下瞼ともにくぼみが生じており、目元が老けて見えることを気にしてご相談に来られた41歳の女性です。今回手術は避けたいとのことでしたので、シンプルにヒアルロン酸によるくぼみ治療を行うこととしました。早速術前後の変化を見てみましょう。
術後は2か月経過した際の様子です。上瞼・下瞼ともにくぼみによる凸凹が改善されているのがお分かりいただけるかと思います。患者様からは「若い頃の目元に近い雰囲気になれた」という感想を頂きました。
又吉先生の今回の主張のように、「瞼にくぼみがある方が、目元に立体感が生まれて若々しく見える」と感じる方も勿論おられるでしょうが、今回紹介した症例の方のように「瞼のくぼみがなくなったことで、若い頃の目元に戻ることができた」と感じる方もおられます。
今回のブログでご紹介した当院の症例は手術ではなくヒアルロン酸注入による目元のくぼみ治療にはなりましたが、いずれにせよ、ハムラ法・脱脂法においてどちらが正解といった結論を出すのは時期尚早ではないかというのが私の感想です。(但し、又吉先生が主張するように「平坦化した目元を好まない」患者様も中にはいらっしゃるという点を知ることができたのは新しい発見です)
今回の学会におけるセッション名が、
「クマ治療を巡るハムラ派、脱脂派の思想的対立にKY塾が最終結審を下す!異端はどっちだ!?」
という大変センセーショナルなタイトルだったので、今回ついに白黒の決着が付く時が来たか!!と大変楽しみにして参加してみたのですが、結局のところはやはり「ケースバイケース」、つまり患者様のご希望に応じて使い分けていくのが一番よいという結論に至りそうです。
>上瞼ヒアルロン酸注入の詳細はこちら
>下瞼ヒアルロン酸注入の詳細はこちら
本ブログの症例に関する情報
治療名:①上瞼ヒアルロン酸注入下 ②下瞼ヒアルロン酸注入 費用:①88,000円 ②77,000円 リスク、副作用:腫れ、内出血、感染、アレルギー、チンダル現象、皮膚面の凹凸など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。
Doctor
院長・監修者情報
みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長
札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本専門医機構認定 形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士 医師紹介はこちら
