みずほクリニックTOP » ブログ » 美容外科 » 外側切除法による小鼻縮小は傷跡が目立つは本当?
みずほクリニック院長ブログBlog

外側切除法による小鼻縮小は傷跡が目立つは本当?

2016年09月05日(月) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
「鼻が大きいので小さく見せたい」というご相談をよくうけます。

意外に、大きい鼻を気にされる方は男性よりも女性に多いです。

確かに、顔の中心のパーツが大き過ぎると
女性の場合、あまり繊細で洗練された印象を与えないことがあります。

上品な雰囲気の鼻には、バランスのとれた適度なサイズと高さ、形、ラインが必要と言えます。

なお一概に「大きい」と言いましても、さまざまなタイプがあり、

1 鼻が全体的に高い。(鼻根、鼻背、鼻尖いずれも)
2 ワシ鼻・魔女鼻である。(ハンプ部分が突出している)
3 鼻骨が横に広がっている。(鼻スジが太い鼻)
4 鼻先がダンゴ鼻(鼻先が特に太い)
5 鼻先が下を向きすぎている(縦に長い鼻)
6 小鼻が横に広がっている。(しし鼻)

などが主な原因として考えられ、それぞれの症状に対する手術法には確立されたテクニックがあります。

上記のような症状に対する手術はクリニックによって全く違うということはありませんが、
細部に関してはそのクリニック独自の工夫などがほどこされているケースがあり、
それによっていくつかのバリエーションが存在します。

全体的に鼻のサイズを縮尺化するのは、CGやコンピューターシュミレーションでは出来ても
実際に手術でそのような鼻を作ることは出来ません。

手術では、部分部分で鼻のパーツの組織を皮膚なり、皮下組織なり、骨なり、軟骨なりを
切除・縫合操作を加えることでサイズダウンしてゆくという方法をとります。

そして、上記1から5のタイプは比較的ダウンタイムを要する手術が必要なのに対して、
6の「小鼻の縮小」はダウンタイムが非常に短く、比較的手軽にどなたでも鼻を小さく
見せることができるというメリットがあります。

もちろん、ある程度小鼻が大きな方でないと、手術の意味がないか
もしくは小さな変化にとどまってしまいますが、皮膚切除を行う手術の中では
驚くほど術後の経過が楽な治療です。

腫れ、内出血がほぼ生じず、傷跡についても1?2ヶ月でほぼ分からなくなるなど
ダウンタイムの短さが他の手術と比較して際立ちます。

小鼻縮小の手術法は小鼻を構成する部分の皮膚を切除して縫合するという単純なものですが、
これはこれで実は奥の深い手技です。

主に小鼻縮小術には、下図のごとく外側切除法と内側切除法があります。

なお、大手美容外科などでは糸で皮下を埋没縫合させて小鼻を縮めるという
上記とは異なる手術法を行っているケースが多いです。

「傷跡が一切残らない!」などの宣伝文句で人気を博しているようですが、
数ヶ月以内に元に戻ってしまうのでハッキリ言ってお金と時間の無駄です。

とてもお勧め出来る手術ではありませんし、
正当派の美容外科医が行うべきものではないというのが私たちの考えです。

話を戻します。

内側切除法による小鼻縮小術は変化が小さいのに対し
外側切除法はハッキリとした変化を出せるので、
外側切除法のほうが効果の大きさという意味で圧倒的に有利です。

では、外側切除法のデメリットとは何でしょうか?

よくネットなどを見ると「内側切除に比べて傷跡が外から見える」などと書いてあり、
実際患者さんからも「傷跡が目立つのが心配なので内側切除でやって下さい」と
言われることがしばしばあります。

しかし外側切除は縫合ラインが鼻翼基部(鼻翼の根本)の「鼻翼溝」と呼ばれる溝に一致します。

下図の赤いラインに相当する部分が鼻翼溝です。↓


よって、傷跡が見えるとか目立つということは今までに言われたがことが一度もありません。

なので、鼻翼縮小を行う場合、
私はある程度目に見える効果を出すなら基本的に外側切除一択としています。

もちろん、写真で術前術後比較してもあまり変化が感じられないような
微妙な変化でもよいなら内側切除でもやらせて頂きますが。。

さて、下は「大きい鼻」を小さく見せたいとして当院を受診された24歳の女性です。


下が、外側切除による鼻翼縮小術後1ヶ月の状態です。


果たして、傷跡は目立つでしょうか。

小鼻の周りにうっすらとある赤みは術前からある毛細血管拡張であり、
傷跡の赤みではありません。これを見て手術をした跡が分かる人はいないでしょう。

通常手術後1ヶ月目は、縫合した傷跡が一番目立つ時期のはずですが、
この時期にこの程度であれば、今後完全に分からなくなるはずです。

ですから、外側切除法で小鼻を縮小すると傷跡が見えるというのは
全く根拠のない話であることがお分かり頂けるかと思います。

上の症例は、写真で術前術後を比較してハッキリと手術効果が分かるケースですが、
皮膚を切除して単純に創縁を対面同士縫合するだけではこのような変化を
出しづらいこともあります。

私の工夫としては、
皮膚を切除後小鼻の側の皮膚(皮弁)を内側に回転を掛けて移動しながら
縫合するということを行っています。小さな工夫ですが「回転皮弁法」と呼んでいます。

下の図のようなイメージです。

単純に対面同士を縫合すると皮膚同士引っ張りあうため、時間とともに縮小効果が減少して、
数ヶ月たつと術前の状態とあまり変わりがなくなってしまうことがあります。

しかし、回転を掛けて小鼻を内側に移動しながら縫合するとより大きな変化が得られることに加え、
小鼻が頭側(上方)にわずかに移動することで、鼻柱部が相対的に下方に出るため鼻柱の延長効果が得られます。

鼻柱が延長すると、鼻全体の雰囲気として視覚効果的により鼻の横幅が細く見えるということもあり、
この方法を気に入って使っています。

そして、下は、同じく小鼻の横方向への広がりを気にされて当院を受診された20歳の女性です。


もともとそれほどいわゆる「しし鼻」と言えるほど小鼻が横に張り出している訳ではないので、
皮膚切除は最大幅で3mm程度にとどめました。

あまり、縮めすぎると今度は鼻の穴が前から見たときに3角形の形になり、
横方向ではなく、縦方向に目立ってくるので要注意!です。

下が、手術後2ヶ月目の状態。


既に上で示した1例目の方に比べると、かなりわずかな変化ですが、
切除量を加減することで、このように微細な変化にとどめることも可能ということです。

傷跡は、これを見て目立つと思うかたはよもやいないことでしょう。
このように外側切除法で傷跡が目立つという考えは明らかに誤解であることがお分かり頂けたと思います。

「いいやそんなことはない。他のクリニックで外側法をやったけれど結構目立つぞ!」という方を
それでも外来で見かけたことがありますが、縫合テクニックに問題があったのではないでしょうか。

皮膚の縫合は、形成外科の専門医資格をもったドクターと他科出身のドクターでは
実際結果にかなりの差が見られます。

美容外科専門医を名乗るドクターの出身科(バックグラウンド)は、内科や麻酔科など実は様々です。

ちなみに、国(厚労省)が運営する「日本専門医機構」が、
専門医呼称を今後法的に規制するという内容の通達が私の手元に先日届きました。(現在法整備中とのこと。)

そして「日本専門医機構」は美容外科専門医なるものを資格としては一切認めていません。

これからは「日本専門医機構」が認めない専門医資格を広告で使用することを一切禁ずるのだそうです。

いろいろと批判も多い「日本専門医機構」ではありますが、だれでもが勝手に資格として
専門医を名乗ることが許されてしまっている現状はいかがなものかと思います。

やはり資格ですから医師免許同様国がきちんと一元的に専門医資格を管理するという点に関しては、
至極当然のことだと思います。

私自身は「日本専門医機構」によって認定された形成外科専門医ですが、
皮膚切開系の手術をお考えの方は、手術をまかせるドクターの経歴にも充分注意を払うべきだと思います。
今回ご紹介した小鼻縮小術の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:小鼻縮小術 費用:220,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、皮膚壊死、皮膚の傷跡、後戻りなど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士