青あざのレーザー治療
青あざは、基本的にレーザーでほぼ取り切れます。
ほとんどのものに保険適応があるので
安心して受けられる治療です。
青あざと呼ばれる俗称は、一般に以下のものを含めた総称です。
太田母斑(先天性)
青色から黒みがかった青色の平らな色素斑として認められ顔の三叉神経支配領域に発生します。
しかし、肩に発生することもありその時は特別に「伊藤母斑」と呼ばれます。女性に多く(約80%)、顔の片側に発生するタイプが90%です。生まれつきの発生と思春期以降の発生がほぼ同数とされます。自然に消えることはありません。
遅発性太田母斑・ADM・ABNOM
13歳以上(多くは20歳以上)で初発する顔面の色素斑で、頬骨、下眼瞼、鼻根部、鼻翼、こめかみ、上眼瞼外側、前額外側に発生します。小さな円形の色素斑が多数散らばって存在する形で認められることが多いのですが、それら小さな円の集まりがお互いに癒合して地図状に見えることもあります。色調は灰色から灰褐色、褐色、濃褐色など様々です。病理組織学的には、真皮メラノサイトを真皮上層に認めます。シミの濃さ、分布が時間とともに変化することが少ないことが特徴です。東アジアから南アジアで見られる、アジア民族特有の疾患です。
蒙古斑と異所性蒙古斑
幼小児の体幹背面下部特に尾仙骨部に生まれつきか生後まもなく出現する扁平でひとかたまりで存在する青色のアザです。体幹背面以外に生じたものを特に異所性蒙古斑と呼びます。成人になる前に自然に消失しますが、四肢などに生じて衣服で隠せないようなケースでは、患者さんの精神的な負担を軽減するためにレーザーによる除去を試みることがあります。
これらに対して、最も効果の高い治療は、Qスイッチ・ルビーレーザーによる高出力照射です。ヤグレーザー、アレキサンドライトレーザーも効果を発揮しますが、一番少ない回数で抜けるのはルビーレーザーであることが知られています。照射に際し若干の痛みを伴う点や、カサブタを生じるなどダウンタイムを考えると出来るだけ少ない回数で治療が完了するほうが患者さんにとってメリットが大きいと言えます。また、これらの治療には総じて保険が使えますので治療にかかる費用が自由診療に比較して格段に安く済むという点もお勧め出来るポイントです。
*青あざ治療に保険適応があるのは、特定の機種に限られており、Qスイッチ・ルビーレーザーではJMEC社のThe Ruby Z-1,MM&NIIIC社のModel IB101。Qスイッチ・アレキサンドライトレーザーでは、Syneron Candela社のもののみです。
施術の特長
- 確実に薄くなる
- 青あざはQスイッチルビーレーザーを照射することで、全例で有効です。このアザの治療は、既に以前より治療法が確立されているためレーザーに全く反応がないなどの例外がありません。お悩みの方は一度は試す価値のある治療と言えます。
- メイクが翌日から可能
- レーザー治療後にカサブタは、生じますがテープ保護は必ずしも必要ではありません。この治療専用のカバー剤があり、それを塗布することでカサブタはかなり隠せます。治療は受けてみたいけれども、テープを貼るのが煩わしいので躊躇しているという方もこれなら問題なしです。もちろんカバー剤を塗布した上から普段通りのメイクが翌日より可能です。
- 保険が効く
- レーザー治療の多くが、自由診療であるため費用がどのくらいかかるか心配な方も多いかと思います。しかし、上記のアザはいずれも保険適応があるため費用は自由診療に比べてかなり安く抑えられます。但し青あざに対して保険が効くレーザーは、Qスイッチ・ルビーとQスイッチ・アレキサンドライト(Qスイッチ・アレキ)のみです。Qスイッチ・ヤグは保険は通りません。
効果目的
- 太田母斑の除去(色を薄くする)
- 遅発性太田母斑(ADM, ABNOM)の除去(色を薄くする)
- 蒙古斑の除去(色を薄くする)
- 異所性蒙古斑の除去(色を薄くする)
症例写真
Qスイッチルビーレーザーによる青あざ(太田母斑)治療
ドクターによる症例解説
症例に関する情報
治療名:Qスイッチルビーレーザーによる青あざ治療
費用:8,700円/回(保険適用の場合)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:熱傷、色素沈着、水疱形成、白斑形成など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
Qスイッチルビーレーザーによる青あざ治療
ドクターによる症例解説
術前
32歳の男性で、生まれつき右の耳前部に青あざを認めます。未治療の状態で当院を受診されました。
顔の青あざと言えば太田母斑が代表的であり、通常は三叉神経の第一枝・第二枝の支配領域に一致してあざの色が分布することが多いのですが、耳前部のみというのはかなり希なケースと考えられます。
色調も通常の太田母斑とは異なり、異所性蒙古斑の顔に生じたタイプか、青色母斑の巨大サイズのものなどを想定してレーザー治療を開始しました。
術後
2016年の秋口からQルビーレーザー(JMEC社・The Ruby Z-1)を用いて、3ヶ月から5ヶ月ごとのインターバルで照射を行いました。
出力は、ご本人的に出来るだけ早く結果を出して欲しいとのことでしたので毎回8J~10Jと少し高めの出力で打っていますが、水ぶくれなどは生じませんでした。5回照射した後の状態が上の術後写真であり、かなり薄くすることが出来ました。今回の症例は顔に生ずるタイプのあざとしては、典型例ではないため治療経過が予測出来ない部分もありましたがまずまずの結果です。5回までは保険治療が可能だったため5回とも保険を使用して行っています。さらに現在は、より薄くするためにアレキサンドライトのピコレーザー(ピコシュア)にて治療中です。
症例に関する情報
治療名:Qスイッチルビーレーザーによる青あざ治療
費用:7,330円/回(保険適用の場合)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:熱傷、色素沈着、水疱形成、白斑形成など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
Qスイッチルビーレーザーによる額の青あざ(太田母斑)治療
ドクターによる症例解説
術前
生まれつきある、額の青あざ(太田母斑)を取りたいというご相談で来られた32歳の女性です。
当院にはピコレーザーもありますが、このような青あざはQスイッチルビーレーザーが一番よく取れます。今回は3~4ヶ月の間隔で3回の照射を行いました。
術後
Qスイッチルビーレーザーを3回照射した後の結果です。90%程度の除去率と言えるのではないでしょうか。
顔にできる青あざ(太田母斑など)は、身体にできる青あざ(異所性蒙古斑)ほどは炎症後色素沈着(いわゆる戻りジミ)が生じないため、患者さんにとって術後のストレスが少なくて済み、比較的継続しやすい治療であると言えます。但し、この治療は少し痛みが強いので、照射前に麻酔クリームと局所麻酔注射をしておくなど術前に痛み対策をしておく点がポイントとなります。
症例に関する情報
治療名:Qスイッチルビーレーザーによる額の青あざ(太田母斑)治療
費用:1回 22,000円(面積による)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、水疱形成、内出血、熱傷、色素沈着、色素脱失、傷跡
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
Qスイッチルビーレーザーによるお尻の青あざ(臀部蒙古斑)治療
ドクターによる症例解説
術前
生まれつき、臀部(でんぶ)に青あざのある32歳の女性です。お尻に生じる青あざは英語で「モンゴリアンスポット(mongolian spot)」と言い、アジア人(モンゴロイド)特有の特徴です。通常は生下時にあったものが徐々に薄くなって5~6歳くらいまでには消えてなくなるのですが、この方のように大人になってもまだ残っており、これを気にされてご相談に来られるケースも多くあります。青あざは、臀部以外の顔、背中、腰、上肢、肩などに生じることもあります。この場合は異所性蒙古斑として保険での治療が可能です。しかし臀部は異所性ではないため、保険治療ではなく自由診療での治療となります。
術後5年
青あざにQスイッチルビーレーザーを1回照射し、5年経過した状態です。通常、青あざへのQスイッチルビーレーザーは3~6ヶ月毎に3~5回程度の照射を行うケースが多いですが、1回のみの照射でも時間をおくことで青あざがかなり薄くなる症例があるとわかりました。
症例に関する情報
治療名:Qスイッチルビーレーザーによるお尻の青あざ(臀部蒙古斑)治療
費用:1回 33,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、熱傷、色素沈着、色素脱失、水疱形成、肥厚性瘢痕、ケロイド、疼痛など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
施術の流れ
- 麻酔:クリーム麻酔、テープ麻酔、局所麻酔注射などを組み合わせます。
- 施術:アザの部位へレーザーを照射します。
- 照射部へ軟膏を塗布してテープを貼るか、テープを一切なしとしてカバー剤を塗布します。
料金
青あざ除去 (Qスイッチ・ルビーレーザー) |
3回から10回程度 (個人差あり) |
4cm²未満:6,000円 +初診料or再診料、軟膏代、麻酔代 |
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4cm²~16cm²:7,110円 +初診料or再診料、軟膏代、麻酔代 |
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16cm²~64cm²:8,700円 +初診料or再診料、軟膏代、麻酔代 |
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64cm²以上:11,850円 +初診料or再診料、軟膏代、麻酔代 |
※記載料金は予告なく変更することがございます。またカウンセリング・診察時にご提示したお見積について、有効期間は提示日より3か月とさせていただきます。
施術情報
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所要時間約30分(麻酔の時間を含めて)
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ダウンタイム7日から10日間のカサブタ
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施術の痛み輪ゴムではじく程度
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通院施術後1~2回
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麻酔麻酔クリーム、麻酔テープ、局所麻酔注射から選択可能
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持続性半永久
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洗顔翌日より可能
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シャワー・入浴当日可能
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メイク当日可能
術前
生まれつき右の下瞼から目尻、頬全体にかけて青色(青褐色)のあざを認める38歳の女性です。いわゆる典型的な先天性太田母斑です。今まで治療をしたことが一度もないとのことでしたが、このようなあざはレーザーで除去することが可能です。
術後
術後写真は、レーザー治療後の結果です。Qスイッチ・ルビーレーザーを用い、3ヶ月ごとの間隔をあけながら、4回照射し終わったところです。
下瞼部にわずかながらあざの色味はまだ残存しますが、メイクで十分隠せるところまで薄くすることが出来ました。このタイプのあざは、保険治療で5回まで照射治療が可能なためトータルの費用面で負担が少ない治療です。そして何よりもレーザーに対する反応が良いため、確実な結果が得られる点が治療をお勧めできるポイントの一つです。
但し、術後しばらくはかさぶたが生じたり、照射時にそれなりの痛みがある点などがデメリットではあります。(痛み対策として、麻酔クリームや局所麻酔注射を使用します。)