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2018.08.01

しみ その他の美容皮膚科

ADMをピコレーザーで取る

当院はしみ治療に力を入れており、常に多数のご相談を頂いております。

特にADM(後天性真皮メラノサイトーシス)については
都内でも本格的に取り組んでいるクリニック自体が少ないようで、
他院からの紹介で、当院へ行くように言われたと来られる患者さんも珍しくありません。

患者さんのお話によれば、
ネットで「ADM」を調べると、当院がだいたい一番最初に表示されるとのことです。


つい最近まで美容外科・美容皮膚科の医師でさえこの言葉を知らない人が結構いたようですが、
現在はネットによる啓蒙が進み、患者さん自身がもはやこの言葉を当たり前にのように知っていて
検索で当院にたどり着く方が大変多く、10年前とは隔世の感があります。

ADMは、Qスイッチルビーレーザーで取れば
1回でも取り切れるか、あるいはかなり薄くすることが出来ます。

既にだいぶ昔からある治療法なのですが、
治療効果の確実性という意味においては一番優れた手段と言えるかもしれません。

しかしながら、7~10日間ほどのカサブタが生じたり、
照射後1ヶ月目に生じる「戻りじみ(炎症後色素沈着)」が引いて薄くなるのに、
場合によっては3~6ヶ月間など長いダウンタイムが必要となるため、
全ての人に必ずしもお勧め出来る治療法とは言えません。

日常的にお化粧でしみをカバーすることが出来て、
お仕事も営業・接客系ではなく、例えば事務系であったりあるいは専業主婦の方などであれば
比較的受けやすい治療かもしれませんが、それでも治療へのハードルは、
レーザートーニングやフォトフェイシャルに比べれば高いと言ってもいいかもしれません。

ちなみに、通常のトーニングやフォトフェイシャルではADMを取ることは出来ません。

なお、当院独自のオリジナルのトーニング治療ではADMを薄くする事は可能ですが、
既にこの方法は、ピコレーザーによる除去に取って代わられつつあります。

今年(2018年)初めにピコレーザー(ピコシュア)を当院に導入しましたが、
そもそもピコレーザーを購入した理由の一つに、Qルビーのようなダウンタイムを生じさせずに、
複数回の照射により徐々にADMを薄く出来るというものがありました。

しかし、案外条件設定が難しく、ADMではなく日光斑(日光性色素斑)やソバカスでは
比較的条件を厳密に選ばずにしみ取りが可能ということは当初から分かっていましたが、
ADMについては最近ようやく結果を出せるセッティングが煮詰まってまいりました。

ここで良い結果が得られたのでご紹介します。



上は、両頬骨部に小班状の褐色色素斑を多数認める29歳の女性です。

色素の形状、色合い、分布パターンから色の薄いADMであると判断出来ますが
Qルビーのような、ダウンタイムの長くかかる治療は希望されませんでした。

1月の導入時に他施設で学会・論文などで発表されている、
おそらくはADMに効果が出るであろうとされる条件設定を参考に真似て治療を開始しました。

最初は、明らかに薄くなったという効果が実感できなかったのですが、
ほぼ1ヶ月ごとに5回のスポット照射を行い続けたところ、



上のような結果を得ました。

完全除去とまでには至っておりませんが、
照射前と比べてかなり薄くなり患者さんの満足度も悪くありません。

ピコシュアの場合、他社製品に比べて出力、照射径の他に
パルス幅(照射に要する時間)が多段階(750ps~550psまで5段階)に設定できるという特徴があり、
細やかな調整が可能である一方で、設定のパラメーターの組み合わせが必然的に多くなるため
適切なセッティングを決定するのに時間がかかるという面もあります。

導入から半年ほど経過した今の感想としては、ADMは刺青の色素と同様に
ターゲットが真皮内にある点と、周囲への熱影響を極力抑えて炎症後色素沈着を抑えるという意味では
最短パルス幅の550psが良いように感じています。
(今後症例を重ねて考えが変わる可能性はありますが。。)

それに対して、ソバカスの場合は長目のパルス幅の750ps,
日光性色素斑に対しては550psから750psなどケースバイケースで打ち分けています。
今回は、5回の照射でまとまった結果が出ましたが
既に設定が分かって来た今は1回の照射でもかなり薄く出来る症例が増えてまいりました。

ADMを薄くしたい、あるいは消したいけれども
従来のQレーザー(ルビーやアレキ)ではダウンタイムがあるため
治療を諦めていたという人にとって、新たな選択肢が1つ増えたと言ってよいでしょう。
気になる方は、是非一度ご相談ください。
当院のピコレーザー(ピコシュア)詳細はこちらです。

本ブログの症例に関する情報

治療名:ピコレーザーによるADM治療(スポット照射) 費用:22,000円/回
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:水疱、熱傷、炎症後色素沈着、色素脱失(白斑)、長引く紅斑など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。

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院長・監修者情報

みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士 医師紹介はこちら

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