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頬・口元の血管腫(赤あざ)のレーザー除去

2019年01月21日(月) | カテゴリ: その他の美容皮膚科
前回は、青あざのレーザー除去症例を紹介しましたが、
今回は赤あざのレーザー除去症例がありましたので見てみます。


上は、生まれつき右頬と上唇部に赤あざを認め未治療の女性です。

いわゆる単純性血管腫(Portwine stain, Hemangioma simplex)と呼ばれる
赤あざの一種で、レーザー治療でよく反応します。

当院では、赤い色(赤ら顔、毛細血管拡張症、赤あざなど)に対して有効な
照射機器がほぼ完璧に揃っているため、これらの治療を得意としております。

そのラインナップは、以下の4つです。

1.Vビーム・パーフェクタ(VビームII):ダイレーザー(色素レーザー)
2.ロングパルス・ヤグレーザー(エリート)
3.IPL①(赤み治療に強いマシン):アイコンMaxG
4.IPL②(赤み治療に強いマシン):M22(Vascular filterあり)


これらのマシンを、用途目的に応じて使い分けています。

なお、他院ではQスイッチヤグレーザーを
赤ら顔治療マシンとして使用しているクリニックもありますが、
当院では赤み治療の主力はあくまで上記4機種であり、Qスイッチヤグは
補助的な役割として用いることもあるという位置づけです。


ロングパルス・ヤグレーザー(エリート)は
赤く細い血管が浮き出たようにハッキリと見える状態に良く反応します。

また頬や顔全体がぼんやりと赤いような時は、IPL(アイコン、M22)をメインに用い、
いわゆる赤あざ(主に単純性血管腫)にはVビームレーザーをメイン用います。

今回の方は血管腫(赤あざ)でしたので、最初からVビーム一択で治療を開始しました。

照射条件は以下の通りで、1ヶ月に合計7回の治療を行いました。

▼最初の4回:10mm径のスポットでパルス幅3msecで、7Jから10Jにて照射、
▼その後の3回:10mm径スポットのパルス幅1.5msecで、 8Jから10Jにて照射


血管腫のVビーム治療は、欠点として照射部とその近傍に内出血と腫れが
生じるということがあるため、いきなり最強のパワーで打ったりはしません。

患者さんからは早く効果を出してほしいと、
最初から強く打って欲しいというリクエストもよく頂きますが、
痛みの問題はもとよりあまりに激しい内出血や腫れが生じて、
かつそれが長引くと、治療を嫌になってしまう可能性もあります。

最初はゆるめの条件で開始し、
毎回次の診察時に照射後の反応、経過をよく教えて頂き、
患者さんと相談の上その都度パワーやパルス幅を調整しながら
次回の照射条件を決めるようにしています。

ちなみに、上に述べたように照射条件は
主にスポットサイズとパルス幅、パワー(J/cm2 ;ジュール数)で決まりますが、
特にパルス幅を絞って短く取れば取るほど短時間にエネルギーを圧縮して打つので
強い打ち方になります。

通常赤アザの場合、パルス幅は3msecから初めて1.5msecまで縮めてゆきます。
(限界まで縮めようとするとスペック的には0.45msecまで縮めることは可能)



そして、上は7回終了後の治療結果を示します。

まだ完全除去までは至っていませんが、色味の濃さが施術前より格段に薄くなっています。

特に、上唇部分についてはほぼ完全に取り切れていると言っていいでしょう。

ここまで、薄くなったことでメイクでのカバーがずっと楽になったとのことで、
患者さん的にはまずまずの満足度と言えそうです。

さらに現在照射条件を厳しくして打ってゆきますが、
強く打てば皮膚に入るダメージもそれなりに大きくなってくるため、
今後炎症後色素沈着の発生にも気をつけてゆく必要があります。

将来的により色味が薄くなって全体として完全な結果に近づいたら、
もう一度この治療ケースについてブログ記事としてアップするかもしれません。

今回は、とりあえずいったん途中経過としてご紹介させて頂きました。
当院の赤あざ治療の詳細はこちらです。



<本ブログの症例に関する情報>

治療名:Vビームレーザー(Vビームパーフェクタ)による赤あざ除去 
費用:1回22,000円(税込)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:熱傷、腫れ、内出血、炎症後色素沈着、水疱形成、疼痛
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士