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ADMと日光斑が混ざっているタイプのしみの治療

2020年11月09日(月) | カテゴリ: しみ
しみ除去治療シリーズのブログをしばらくご無沙汰していましたが、
久々に症例をアップしてみようと思います。

当院の美容皮膚科のメニューで、
相談件数の多いものをざっくりと順に並べると

1 しみ・美白
2 毛穴
3 しわ
4 たるみ
5 ニキビ跡(赤み、凹凸、色素沈着)
6 ニキビ自体の治療

などとなっています。

ですので、
しみ取り治療は必ずや毎日行っている最も症例数の多い人気メニューと言えます。
それだけ世の中の需要が非常に多いということでもあるのでしょう。

当院では、しみ取り・美白治療の手段として様々な方法を用意していますが、
その中でも特にレーザー機器によるしみ除去治療に力を入れています。

Qスイッチではヤグ、アレキ、ルビーの3波長がそろい、
またピコレーザーのピコシュアなども使って除去することが多いです。

少し厚みのあるしみや表面にザラつきのあるしみは、
炭酸ガスレーザーかエルビウムヤグレーザーなどの
いわゆる「削り系レーザー」でもって削り取ってしまいます。

またレーザーではなく、光治療機(IPL)ですと
フォトフェイシャルM22やアイコンなどを使うこともあります。

ソバカスや色の濃い日光性色素斑など表在性のしみが
多数顔全体にある時には重宝します。

しかし、これだけ機器が多いと
いったいどうやって使い分けるのかという話が当然出てきますが、
しみのタイプや、ダウンタイム、治療回数(通えるかどうか)、ご予算などを
総合的に考慮して、患者様とご相談の上、完全にカスタマイズをして
お一人ひとりにあったベストな治療法をご提案しております。





さて上は、当院にしみ治療の相談に来られた31歳の女性です。

下瞼と頬に多数散在する、点状もしくは斑状の褐色から灰色のしみを認めます。

しみの色味と形状、分布パターンなどを見て、
日光性色素斑とADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の混在タイプと判断しました。

治療の選択肢としては、レーザートーニングやフォトフェイシャルよりは、
レーザーによるスポット照射、つまりしみを1個1個狙って
強めの出力で打つ方式が良いと判断しました。

理由は、しみの成分中にADM(深いしみ)が見られるということと、
地肌の色が白い方のため多少強目に打っても色素沈着は起きづらいと予想したためです。

レーザーの候補としては、Qスイッチアレキかルビー、ピコシュアなどが良さそうです。

出来るだけしみの色が濃くならないようにとのご希望で、
けれども治療の1回1回につきハッキリと目に見える効果が欲しいとのことで
今回はQスイッチのアレキサンドライトを使うこととしました。

米国サイノシュア社のアコレードという機種で照射します。





上は左側の施術前・施術後です。





上は右側の施術前・施術後です。

約3ヶ月ごとにQスイッチアレキサンドライトを5回照射しています。
除去率90%くらいと言ったところでしょうか。

実は、当院にあるピコシュア(こちらもサイノシュア社)も
同じ波長のアレキサンドライトレーザーなのですが、
パルス幅がナノ秒かピコ秒かでしみの取れ方が若干違います。
(ピコはナノの1/1000オーダーの秒数)

この方のように、日光性色素斑とADMが混在しているタイプのしみは
日常診療でかなり多く見かけますが、肌の色などで使用するマシンを変えています。

肌の色が色白の方には、
今回のように最初からQスイッチのアレキを打つことがありますが、
普通色の方や地黒・日焼けのある方の場合は、
最初の段階ではより色素沈着の出にくいピコシュアで治療を行い
反応が途中で頭打ちになってきたら、Qアレキに切り替えたり、
ピコシュアで1回打ってみて最初から反応が乏しい場合に
すぐにQアレキを使うなどとしています。

また、めったにあることではないのですが、
しみに強めにスポット照射を行い続けていると
下瞼のフチに沿って、目尻・こめかみ側に連続する地図状のしみ、
つまり肝斑が発生してくることがあります。

そのような場合は、いったん日光斑とADMを取りきったところで
肝斑の治療としてQスイッチヤグかQスイッチアレキのレーザートーニングを行い
肝斑を消します。

ピコレーザーによるトーニング(いわゆるピコトーニング)も悪くはないのですが、
治療の順番的に、まずはオーソドックスなQスイッチヤグレーザーから始めるほうが
無難です。(メラニンへの吸収がマイルドなため肝斑悪化リスクがより少ないため)

このように多彩なレーザー治療が可能な当院ですが、
今後は数あるピコレーザーの機種の中に従来のアレキ、ヤグ、ルビーなどと
若干違った波長を第3波長として搭載しているものもここ数年で出回り始めているので、
本当によい治療成績が実際に証明されたものであれば当院へも取り入れてゆくつもりです。

上に述べたように、たくさんの波長があれば治療のステージに応じて
それだけ柔軟に多くのケースに対応が可能であり、
複数の波長のコンビネーション治療を行うことも出来るからです。
アコレード(Qスイッチアレキサンドライトレーザー)詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー(アコレード)によるしみ除去 
費用:両頬と両下瞼への照射 1回27,500円~44,000円程度(しみの個数による) (税込) 
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:熱傷、水疱形成、色素沈着、色素脱失、表皮剥離など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士