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鼻尖挙上と鼻尖修正の症例(他院手術の修正)

2018年11月19日(月) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
今週は、他院で行った鼻手術後の修正症例です。

以前に鼻尖修正と鼻翼縮小を行ったもののほとんど変化が得られなかったとのことで、
鼻尖修正手術のやり直しとあわせて、新たに鼻先が下に下がって重たい印象なので
鼻先を持ち上げて重さを軽くしたいと言う希望の21歳の女性です。

そこで当院で行ったのは、鼻尖挙上 + 鼻尖修正という内容です。

   

左が術前、右が術後です。

まず前正面からみた術前の印象ですが、
確かに鼻柱のDouble breakと呼ばれる部分が下方に突出しています。
(オレンジの矢印)

いわゆる極端な魔女鼻ではないのですが、この部分が下方に突出しているのを
矢印のような鼻であるとして悩まれている方がいます。

※なお最近の全体的な傾向としては、むしろこの方でいう術後(左写真)の状態を
術前(右)の状態(鼻柱が下方に突出した矢印っぽい鼻)にして欲しいという
逆のリクエストのほうが多いです。


ちなみに、鼻を下方に伸ばす場合は大きく分けて

1.鼻先部分を下方(斜め前下方)に出すパターン
2.鼻柱のDouble breakを下方に突出させるパターン
3.鼻柱基部(鼻柱と上唇の接合部あたり)を下方に突出させる

と主に3つのケースがあります。

これらの実現させるためには、
鼻尖耳介軟骨移植、鼻中隔延長、鼻柱耳介軟骨移植、鼻柱延長(下降)などが
具体的な手段・手術手技名となります。

そして今回は、鼻を下方に出すのではなく、
鼻柱を上方へ引っ込めつつ軽く鼻先を上げる手術ということで、
上記3つとは反対方向の手術ということになります。

この点については、どちらがより美しく見えるのか?ということを
患者さんからもよく聞かれますが、実は意外に個人の好みの問題であることが多く
明らかに標準的な範囲から外れて不自然な鼻先にでもならない限り、
患者さんのリクエストに沿った希望の形・角度・ラインに仕上げることが多いです。

美の絶対的な基準はありませんが、
逆に不自然であったり、明らかにおかしな形に見える例は確かに存在しますので、
その点はこちらでそのようにならないようにアドバイスするようにしています。

さて話を今週の症例に戻します。

   

右斜め方向から見た、術前(左)・術後1ヶ月目(右)の状態です。


   

左横方向から見た、術前(左)・術後1ヶ月目(右)の状態です。

これらを見てわかるように、
日本人の鼻の場合鼻先が下に垂れていると言っても欧米人の鼻尖下垂の例のように、
極端に鼻先が下を向いているということはありません。

ですから鼻翼軟骨にrotationをかけて、
いわゆるtip up、つまり鼻先の位置(角度)自体を
大きく変えなくてはならないというケースは実は極めて希です。

むしろ、鼻柱の下方への突出を抑えてストレートとしてやるだけで、
鼻先の垂れ下がり感が大幅に改善される例がほとんどです。

いわゆるtip rotationもわずかにかけますが、
おおよその目安として、横から見たプロフィールにおいて
鼻柱のラインが地面(床)に対して水平(平行)になるラインを選ぶ
患者さんがほとんどです。

それ以上に鼻先を上に上げると術中に鏡を見た患者さんが、
ブタ鼻みたいで鼻の穴が目立つと言ってくることが多いです。

さりとて、これも個人の好みの問題ですからあくまで手術中に患者さんが、
鏡で確認して決めることなので、絶対的な基準ではありませんが。

今回の結果は見る人によってかなり微妙な変化ではありますが、
患者さん的には大満足の結果だったようです。

鼻の手術は、ご希望により思いきって大きく大胆に変えることも出来ますし、
わずかに変えることで周囲にはほぼばれずに、満足度の高い結果を得ることも可能です。


…ここまでは鼻尖挙上の話ですが、次に鼻尖修正について解説します。







上図は、鼻尖修正の結果を示します。

術前(上)・術後(下)の状態です。

鼻先の半円状の丸いドーム形状が三角形の先端のような形に変化しています。

鼻翼(小鼻)にかなり目立つ傷跡がありますが、
これは他院で行った鼻翼縮小術の傷跡です。

鼻翼溝よりもだいぶ上を切られてしまっているためにかなり目立ちます。

鼻翼溝に縫合ラインが一致するように切れば
このような目立つ傷跡となることは絶対にあり得ないので、
これから鼻翼縮小を検討中の方はご安心ください。

よく鼻翼縮小で外側切除だと傷跡が目立つと言っているクリニックがありますが、
まさにこういう例を言っているのです。

単なる技術的な問題(切開ラインデザインの誤り)であることが分かります。

私は、患者さんが鼻先の重さ・大きさを気にしてこられる場合、
これをHeavy nose(ヘビーノーズ)のTriad(3主徴・三つ組)と呼んで、
以下の点に着目して改善することを勧めます。
(私が作ったオリジナル造語ですが…)

1.鼻先の太さ(いわゆるダンゴ鼻)
2.鼻柱の下方への突出(鼻先の垂れ下がり感)
3.ハンプ(いわゆるワシ鼻・鼻スジの前方への突出)

鼻の存在感をもっと軽くして、シャープに見せたいという方の場合、
大概のケースにおいて上の3つがセットで同時に存在することが多いです。

今回の方もやはり例外に漏れずハンプも存在しており、
術前カウンセリングでハンプ削りも行うことを勧めましたが、
ご本人があまり気にしてはいなかったためあえて行っていません。

よって上記1, 2に着目して、改善を試みています。

これらメインのTriadに加えて、正面から見た鼻スジの太さというのも合わせて
Triad プラスワン とする場合もあります。

この太さの問題については、
骨切り手術による鼻骨幅寄せを勧めるクリニックが多いようです。

私も実はかつてそうしていましたが、今は骨切りまで行わなくても
ハンプ削りを行う要領で鼻骨の横幅の部分に骨削りを入れて、
細身の余り高くないI型プロテーゼを入れると鼻スジが細く見えるため、
それで十分という考えを持っています。

美容外科の世界ではまだ主流の考え方ではありませんが、
患者さんに取ってはダウンタイム的にも予算的にも受けやすい手術として
好評を得ています。

以上、重い鼻(ヘビーノーズ)を軽く見せるための手技にについて
まとめました。

当院の鼻尖挙上について詳細はこちらです。
当院の鼻尖修正について詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:鼻尖挙上・鼻尖修正 
費用:鼻尖挙上220,000円+鼻尖修正220,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、皮膚壊死、皮膚の傷跡、後戻り、左右差など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士