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鼻のハンプ除去(ワシ鼻整形)のポイント

2021年01月11日(月) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
鼻の整形手術において、一般に「ワシ鼻整形」などと呼ばれる手技があります。
正式にはハンプ除去・ハンプ削りなどと言います。

Hump(ハンプ)とは英語でコブの意味ですが、
鼻整形では鼻スジ中央の前方への突出のことを意味します。

このような突出があると、鼻がごつく見えて顔の印象が男性的に見えたり、
年齢より老けて見えることがあります。

さらに鼻先の下方への垂れ・下垂が一緒にあると、このハンプと合わさって
いわゆる「魔女鼻」「おばあさんの鼻」などと言われることもあります。

漫画や映画に出てくる老婆のキャラは大概このような鼻をデフォルメして描かれています。



男性の場合ですと、このような前方への突出があることで逆に男らしく見えたり、
力強い印象であったり、威厳があって見えるなどプラスの要素もありますが、
女性の場合はあまり好ましい鼻とは言えません。

ところで一方、鼻スジが横から見てストレートもしくは
スキーのジャンプ台のように凹の滑らかな曲線カーブが望ましいとする従来の考え方に対して
少しばかりゆるやかな凹凸があったほうが好ましいとする考え方も最近は出てきています。

私もこの考え方に一部賛成ですが、しかしあくまで程度問題であり、
かなり目立つ出っ張りであれば、特に女性の場合は切除したほうが良いように
個人的には感じています。

手術手技としては、鼻スジが前方に飛び出して見える部分を
「骨ヤスリ」という道具で削ったり、軟骨部分をメスとハサミで切除することで
横から見て直線状かやや凹のカーブにしたりします。

以下にて症例を示します。



上図でオレンジの矢印の先端部分が前方に突出している部分であり
これを除去する手術です。

一見単純な手技のようですがこれはこれで実は難しさもあります。

ハンプ部分の構成成分は、上半分が鼻骨つまり硬い骨で、
下半分は柔らかい軟骨による出っ張りであることが多いです。

ここがポイントで、骨の部分は骨ヤスリで削ることで
比較的容易に横から見たラインをコントロールするのは簡単なのですが、
軟骨部分はいくら骨ヤスリで頑張って繰り返しこすってもいっこうに削れませんので、
結局はメスやハサミで鋭的に切り取っていくことになります。

もし、骨の部分のみをヤスリで削り取るだけにとどめると、
手術中の所見では横からみて十分にハンプが取れているように仮に見えたとしても、
術後に腫れが引くと軟骨部分の出っ張りが残っているため、
術前とあまり変わっていないという現象がよく起こります。

上方つまり上半分の骨の部分のみが削られて減量していますが、
軟骨がしっかり除去されていないことで、
出っ張りの頂点が下方へと移動しただけのような結果に終わります。
これが、ハンプ除去手術において最も陥りがちなピットフォール(落とし穴)の1つです。

では軟骨を加えて取れば
それでことは解決か?というと実はそれほど単純ではありません。

この手術を鼻柱切開なしのクローズ・アプローチで行うと、
切除する軟骨がかなり奥の方に位置するため切開ラインからの操作部位までの距離が遠く、
術野の展開が悪くなり、かなり視野の狭いところで作業をするため
横から見た時の微妙なカーブの調整が少し難しくなります。

軟骨の取り方が甘ければ、少しずつ切り足すのですが、
途中で取り過ぎてへこんでしまった!などと言うことにもなりがちです。

その際には、取った軟骨の一部を元の場所に戻して糸で固定したりなどして
改めてボリュームを与えるなど、なかなか細かい調整が必要になってきます。

ですから、より細かく調整するという意味では鼻柱切開ありの
オープン・アプローチとしてしまい、直視下にしっかり展開して見ながら
メスとハサミで軟骨を切除するほうが、はるかに微調整が効きやすい手術と言えます。

鼻柱部の皮膚の切開は、2-3ヶ月もすれば見えなくなりますので
オープンで行ってもそれほどダウンタイムの面でも問題にはなりません。

また、ハンプが目立つような方の場合、
わりとしっかりした鼻の造りの方が多いため、鼻先も高く、鼻先が下を向いているため
鼻柱部の傷跡はなおさら最初からもう目立ちません。

ですので、より正確な結果を得たいなら、
オープンで行うほうが術者としてはやりやすいですし、
クォリティの高い結果につながり安いとだけ言っておきましょう。

しかし、患者様の希望として「どうしても鼻柱を切りたくない」
「クローズ法で」ということであれば、それもまた当院ではもちろん可能です。






上が術前、下がオープン法でハンプ除去を行って1ヶ月目の状態です。

前方に凸のラインを、ストレートからやや凹面気味のカーブに仕上げました。




ハンプ削りといった場合、一般にはこのように鼻スジの中央の組織を除去して
横から見たシルエットを整えるのが本来の目的なのですが、
正面から見て鼻スジの太い方の場合、中央ではなく鼻骨の両外側(両サイド)に
ヤスリで削りを入れる事で鼻スジを細く見せるという応用バージョンの手術もあります。

同様に鼻スジを細く見せるという
全く同じ目的で行われる「鼻骨骨切り幅寄せ手術」というものもありますが、
骨を切って骨折させて両側から中央に寄せた場合、鼻と目の腫れが最長2ヶ月などと
長引くことがあり、何よりも鼻の骨にノミを入れてハンマーで叩いて骨折させるという
手技自体に抵抗を感じる人が多いため、鼻骨外側の出っ張りをヤスリで削るという
かなり侵襲度を下げた手技でも十分に鼻骨骨切りに近い効果は得られるため、
むしろこちらをお勧めすることが多いです。

当院のハンプ除去は、中央の除去と外側の除去という
2つのパターンがあり、両者を組み合わせることも可能であるということを
手術を検討中の方は前知識として知っておいてもらえればと思います。
ハンプ除去の詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:鼻ハンプ除去(鼻骨骨削り・ワシ鼻整形・魔女鼻整形)
費用:220,000円(クローズ法)  330,000円(オープン法)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、左右差、感染、血腫、ハンプの再発など。 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ



監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士