鼻骨骨削り（ハンプ除去・ハンプ削り・ワシ鼻整形）

術前

鼻スジが前方に突出している鷲鼻（わしばな）の亜型として、段鼻（だんばな）や鉤鼻（かぎばな）と言われる鼻があります。鷲鼻が鷲のクチバシのようにゆるいカーブで前方に出ているのに対して、段鼻や鉤鼻は鼻スジが鋭角に前方に角が出ているケースです。
＞このような鼻の形を表す「俗称（一般名）」をまとめたページがあるのでそちらも合わせてご参照ください。
段鼻や鉤鼻の治療法は鷲鼻と共通で、突出部の鼻骨と鼻軟骨を除去する鼻骨骨削り（ハンプ除去）ということになります。今回は段鼻を気にして当院にご相談に来られた30歳の女性の症例です。

術後1ヶ月目

術後1ヶ月目の状態です。横から見てストレートなラインに仕上げましたが、鼻スジのラインについては滑り台型にしたり少し突出部を残すなど微調整も可能です。今回は鼻骨、鼻軟骨へのアプローチを鼻柱部の切開ありのオープン法でアクセスしていますが、クローズ法でも行うことが可能です。オープン法のメリットとしては、術野の視野が良いので微調整がより細かく可能という点が挙げられます。

術前

写真のオレンジ矢印の先端で示す部位が前方に突出しており、いわゆる「ワシ鼻」をお悩みの21歳の女性です。 女性の鼻としては、ハンプ部位がかなり目立つケースのため除去することとなりました。この突出は、鼻骨および鼻軟骨の2つの成分から構成されており、両者に対して処理を行うことで横から見た時にストレートもしくは若干凹面のカーブを帯びた形にします。

術後1ヶ月目

今回は、ストレートからやや凹面のカーブとしています。突出した部分を取り過ぎるとラインがスムーズにならず歪になったりするため、単純そうに見えても実はそれなりに難しさのある手術です。鼻柱切開なしのクローズアプローチで行う施設が多いようですが、私は、正確にラインとカーブをコントロールするためにあえてわざわざ鼻柱切開ありのオープンアプローチで行うことを推奨しています。（オープンのほうがよりより良い視野展開を得ることが出来るため）鼻柱の傷跡は、2～3ヶ月でほぼ分からなくなるため、大きなデメリットとはなり得ません。

術前

太いだけでなく、全体的にボリュームがあり重い印象の鼻は男性の場合は威厳の象徴などとして許容される場合もあり得ますが、女性においてはあまり好ましく思われないとされるのが世界的な共通認識です。
1段目の写真（術前）は、鼻を全体的に小さくして欲しいというリクエストで当院を受診された20歳の女性です。
横方向から見て、鼻筋の前方への突出（いわゆるハンプ）と、鼻先の上の部分（Supratip）の前方への突出および鼻先の下の部分(infratip)の下垂があり、大きな鼻であるにもかかわらず鼻先がつぶれたように見えます。（写真のオレンジの矢印） また、前方向（正面）から見て鼻先の横幅が太いことに加え縦方向にもかなりの厚みとボリュームがあることが分かります。

術後

鼻筋の突出に対し、骨ヤスリによる鼻骨ハンプ削りおよび鼻中隔軟骨、（上）外側鼻軟骨の切除を行い、鼻先上部の鼻翼軟骨の切除をし、鼻先の線維脂肪組織の切除および鼻柱部の軟骨と粘膜を切除して鼻柱挙上術を行っています。さらに軟骨切除により余った軟骨を束ねて鼻先にわずかに移植しアクセントとしました。
全体的なボリュームがかなり軽減されて、鼻先の丸みが横から見ても、正面から見ても取れていることが分かります。鼻が重く見える原因には様々なものがありますが、単独の手技で十分なものもありますし、今回のように様々なテクニックを複合的に組み合わせることで初めて重さ・大きさの軽減につながる場合もあります。

術前

ワシ鼻（ハンプ）を気にされて当院にご相談に来られた27歳の女性です。仕事上ダウンタイムが取れないため手術以外の方法を希望されたため、ヒアルロン酸注入によるワシ鼻修正術をご提案しました。鼻スジの前方への出っ張りは、手術によって骨や軟骨を削ったり切除したりするしか方法がありませんが、逆に発想で鼻スジの凹んだ部分をヒアルロン酸で埋めることで、鼻スジの出っ張りを改善することができます。

術後

ヒアルロン酸を鼻根部（目と目の間）のへこみ部分に入れて、ハンプ（突出部）との段差を埋めました。写真は施術直後の状態です。この部分の凹みを改善すると、鼻スジがストレートのラインになりますので、ワシ鼻をうまくカモフラージュすることが可能です。ヒアルロン酸注入は、営業職、接客業などでダウンタイムのお時間が取れない方には、手軽に受けられるワシ鼻改善術としても人気です。