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みずほクリニック院長ブログBlog

QスイッチルビーのADM治療

2017年09月19日(火) | カテゴリ: しみ
当院では、ADMはQスイッチルビーレーザーで除去することが多いです。

しかし、場合によってはQスイッチヤグレーザー(1064nm)を使うこともあります。

ルビーレーザーによるしみ・あざ治療の問題点として、

1.照射後1週間から10日ほど打った場所にカサブタが生じてしまう。
2.3週間から1ヶ月目くらいに炎症後色素沈着(PIH、戻りじみ)が出る。
3.打ってから結果が出るまで、3~6ヶ月ほどかかることがある。

の3点があります。

上記1,2の欠点を回避するために、
しみ・あざにヤグレーザーを高出力で当てることもありますが、

逆にヤグレーザーによるしみ・あざ治療の問題点としては、

1.ルビーレーザーほどは切れ味が良くないので回数がかかる。(3回以上)
2.強く打つと血管が破綻して点状の出血を生じる。(1週間以内には消える)
3.打ってから結果が出るまで、3~6ヶ月ほどかかる。

の3点があります。

3は、ルビー、ヤグともに共通の特徴ですが、
患者さんとしては治療を行うからには速効性を期待する方が多いこともあり、
施術前に相当念入りに説明しておく必要があります。

1, 2は、それぞれのレーザーに特徴的と言えますが、
それではヤグレーザー(1064nm)なら戻りじみが出ないか?と言われると
絶対に出ないとは言えず、まれには生じることがあり、
あくまで比較の問題で、ルビーよりもヤグのほうが多少強く打っても「戻りじみ」が
生じずらいという利点があります。

患者さん的に経過が楽なのは、おそらくヤグレーザーなのでしょうが
1回の治療である程度まとまった結果が欲しいという方には、
ルビーレーザーがお勧めです。

さて1回のルビーレーザーの照射治療でかなりADMが薄くなった症例が
上がってまいりましたので見てみましょう。



20170919_1

20170919_2

41歳の女性で、両頬骨部を中心に下瞼、鼻、コメカミから
一部上瞼の外側にまでしみを認めます。

ADMに特徴的な斑状の部分もありますが、
密集している頬骨部付近では斑状の部分と斑状の部分が癒合して地図状にも見えます。

それゆえに、よく肝斑と誤診されて通常のレーザートーニングが掛けられています。

このようなタイプのしみ(あざ)をもった方で、
他院で治療して全く効果がなかったので何とかして欲しいということで
当院に来られる患者さんが大変多いです。

このようなしみに、いくら光治療(フォトフェイシャル/IPL)を行ったところで
ほとんど変化がないのも当然です。

光治療では、深い真皮層にあるメラニンが取れることは絶対にないからです。

下は、Qスイッチルビーレーザーを1回照射して6ヶ月目の写真です。


20170919_3

20170919_4


7J/cm2 という比較的マイルドな条件で照射したこともあり、
まだわずかな色むらが残っていますが、かなりの改善です。

次回もし患者さんがこれ以上の治療結果を求めてきた時には
よりアグレッシブに9~10J/cm2での照射を勧めます。

出力を上げればそれだけ、戻りじみの期間が長引くことが予想されますが
患者さんとしてはこの治療がこのしみ(あざ)に有効なことを既に見て
理解してもらっているのでおそらくは、納得されるだろうと予想します。

そして、下は2回目9Jを照射後約4ヶ月目の結果です。


20170919_5

20170919_6


ここまでくるとさすがに、もう気にはならなくなったとのことで
いったん治療は終了となりました。

このように1~2回の治療でも明らかに目に見える効果が得られるのが
Qスイッチルビーレーザーの治療の最大の利点です。

一般の方にはご自分のしみが日光性(紫外線、年齢によるもの)なのか、
肝斑なのか、はたまたアザ性のしみ(ADM)なのかは判断が難しい所だと思います。

ひょっとして自分のはそうかもと思われる方は、是非一度ご連絡ください。

メールに写真を添付して送って頂けるとおおよその判断が出来ますので、
コメントさせて頂きます。お待ちしております。
当院のしみ治療の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:Qスイッチ・ルビーレーザーによるADM治療
費用:110,000円/回 2回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用: 腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ


監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士