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薄いADMもレーザー治療できれいに取れます

2017年10月23日(月) | カテゴリ: しみ
今週は、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)のレーザー除去の症例です。

両頬から目尻・下瞼にかけて点状もしくは斑状のしみが散在する31歳の女性です。
これらのしみを取りたいとのことで、ご相談を受けました。

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ADMは、肝斑と分布がよく似ているため、誤診の結果レーザートーニングで治療が行われたり、
しみの内服(トランサミン、シナール、ユベラ)が処方されていることがあります。

※以下はADMの好発部位です。
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しかしADMの場合は、肝斑よりもより深い層にできるしみのため、通常出力のトーニングや、
内服で良くなることはまずありません。

「他院で20回以上レーザートーニングを掛けたのですが、いったい何故消えないのでしょうか?」

と患者さんに良く質問されますが、
そもそも治療の出発点が間違っているのですから取れるはずがありません。

このようなしみを最短・最速で除去して美白する治療法として
Qスイッチ・ルビーレーザーが一番有効という点については、
美容外科医であれ、美容皮膚科医であれ、異論を差し挟む余地はないでしょう。

2番目に有効なのは、Qスイッチ・アレキサンドライト・レーザー。

3番目に有効なのは、Qスイッチ・ヤグレーザーです。

今はやりのピコレーザーについては、ADMがQレーザーよりも取れるというデータは、
現時点で、まだどの施設も出していないはずです。

メーカーにも確認しましたが、キュテラ、キャンデラ、サイノシュアいずれも
まだ分からないという回答でした。

Qスイッチヤグを使うこともありますが、1回で結果を出すのは難しく、
ADMをしっかりと除去するためには2~6ヶ月ごとに3~5回ほどの多数回の照射が必要になります。
これがQヤグのデメリットです。

ただ、ヤグレーザーの良い点はカサブタ形成や1ヶ月目にやってくる色素沈着が
最小限に抑えられるということです。(強く打てばカサブタが生じることは皆無ではない。)

それに対して、Qスイッチルビーでは、10日ほどのカサブタと色素沈着が落ち着くまで
最短で3ヶ月、最長で6ヶ月を要するというデメリットがあります。

そのため、私ははっきりとこの2つのレーザーを使い分けており、
→ダウンタイムが気になる人には、Qヤグを、
→ダウンタイムが少しかかっても1回の治療で結果が欲しい方には、Qルビーをお勧めしています。

そしてQアレキは、QルビーとQヤグのまさに中間的な位置づけであり、Qルビーより効果は
若干落ちますが、ダウンタイムがQルビーほど長くないというメリットがあります。
さらにQヤグよりも1回の治療で効果がしっかり実感しやすいという、ある意味良いとこ取り
のレーザー治療として当院でも最近は選ばれる方が多くなりつつあります。

さて、実際の症例に戻ります。
先ほどご紹介したADMによるしみが散在する女性の症例です。


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しみの色合いとしては、かなり薄い方です。

今回は、速効性のある効果が欲しい点と、治療後のカサブタと炎症後色素沈着(戻りじみ)も
問題ないいうことだったため、Qスイッチ・ルビーレーザーで治療を行うこととなりました。

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上が1回目照射して3ヶ月目の状態です。

色の薄いADMのため、強めに打たないと反応が乏しいことが予想され
10Jという最高出力で打ちましたが、思いのほか炎症後色素沈着が出ませんでした。

元々スキントーンの明るい色の方のため、
このような治療には向いているタイプの肌色だったと言えます。
地黒の方の場合は、こうはいかないでしょう。3ヶ月目にこの程度ならまずまずの結果です。

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そして、1回目の照射後3ヶ月目に、
2回目の照射を行って、さらに3ヶ月目の状態が上です。

既にしみの色がかなり薄くなっていたため、2回目も最高出力の10Jで打ちました。

治療開始後6ヶ月目で、患者さん的には満足頂けたのでこの時点でいったん治療を終了しました。

しみの除去については、
患者さんは色が濃いと取るのが難しいのでは?と思っている方が多いようですが、
実は色が濃いしみほどレーザーがよく反応するのであまり出力を上げなくても取れやすいです。

したがって、薄い色あいのしみほど取るのが難しく、ある程度出力を上げないと取れないため、
皮膚にかかる負担(熱ダメージ)が増えるため、炎症後色素沈着が生じることが危惧されます。

しかし、上の患者さんのように色白の方の場合たとえ高い出力で打っても
あまり炎症後色素沈着が生じづらいこともあり、攻めの治療が可能です。

今回は、Qスイッチ・ルビーレーザーを用いれば、たとえ薄い色合いのADMであっても
かなりきれいに取る去ることが出来るという症例をご紹介しました。

肝斑と診断されて、レーザートーニングやフォトフェイシャルで治療を行っているものの
結果が芳しくない場合には、ADMの可能性も充分ありますので
気になる方は是非一度ご相談ください。
当院のADM治療詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:Qスイッチ・ルビーレーザー 費用:110,000円/回 2回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士