一般的に「超重度」と言われるような下瞼の逆さまつ毛であっても治療が可能です。
他では治せないと言われてしまった逆さまつ毛のケースでもかなり治しています。
しかも一度治ると、その効果はほぼ永久と言えます。
上瞼であれ下瞼であれ、本来なら逆さまつ毛は治らないことはない症状なので、
もし治るなら手術してもいいかなという方であれば、ぜひ受けた方がいいと言えるお勧め治療です。
逆に逆さまつげは、手術以外の方法では治せません。
よく眼科で睫毛を引っこ抜く治療を定期的に行っている患者さんの話を聞きますが、
あくまでこの方法は一時しのぎであり、毛をピンセットで抜いて毛の軸の部分がなくなっても
皮下に毛根が残っていれば、必ずまた生えてきます。
そのためこの治療法の場合、一生眼科に定期的に通い続けることになってしまうわけですが、
それって、時間の面でも費用の面でも大変なことではありませんか?
時間があり余っている方ならそれでもいいかもしれませが、
1回の手術で治るものなら治してしまったほうがいいのではないでしょうか…。
逆さまつ毛に多い症状としては、目に睫毛が当たったり、
目のかゆみ・痛み・充血・流涙・目やにが多く出る他、角膜に傷がつくことで
長期的に見ると視力に影響が出ることも考えられるでしょう。
当院では開院以来、何千という症例の逆さまつ毛治療を行っていますが、
上瞼・下瞼を含めて全く改善が認められなかったケースはいまだ一件もありません。
100%の改善率の治療であるがゆえに、受ける価値のある手術だと言えます。
下は、物心ついた時から長い間下瞼の逆さまつ毛による目の痛み・かゆみに悩んできた
31歳の女性です。
当院は、それほど大々的な宣伝をしていないにもかかわらず、
何故かありがたいことに患者さんの間では「逆さまつ毛治療」で有名ということになっており、
全国から患者さんが集まってきます。
そして今回のケースについては、今までに本当に多数の症例を見てきていますが、
上の症例のように睫毛が完全に垂直に上向きに直立して生えていて瞼に直接に当たって
しまっている症例というのは珍しく、かなりの重度のケースです。
瞼にまつ毛が常時貼り付いているように見え、さぞ今までつらかったことだろうとお察しします。
しかし、たとえこのような重症例であっても
改善させることが可能であることを知っておいて欲しいと思います。
方法は、まず下瞼皮膚の表・裏に局所麻酔注射を打ち、
余っている皮膚を切除しつつ下瞼の支持組織である瞼板(けんばん)を露出させます。
そして、この瞼板をよりどころ(土台)として睫毛が上向きに直立した状態から
前向きに方向転換すべく縫合を行います。
これが逆さまつ毛治療のオーソドックスな方法ですが、さらに皮膚ではなく
結膜側から生えてしまっている涙丘付近の何本かの毛はこの方法では矯正できないため、
数本を皮膚と毛と毛根を一塊として切除脱毛してしまう手技を同時か後から組み合わせて、
完全な症状の改善を得ます。
上は、術後3ヶ月目の状態です。
まず、正面の写真で見てもらいたいのは、下瞼を内側から外側まで端から端まで瞼裂全幅で切って
数ミリ幅で皮膚を切除しているにもかかわらず、傷跡がほぼ全く見えない点です。
これが何を意味するかというと、下瞼の皮膚はうまく皮膚切開・縫合を行えば、
傷跡が見える事無く仕上げることが可能ということです。
さらにこの原理は逆さまつ毛治療に限らず、下瞼のたるみ取りや、ハムラ法手術であったとしても
皮膚面からのアプローチで傷跡が見えることはほぼないです。
なお、傷跡が見えるからという理由で
結膜側からのアプローチ手術を推奨しているクリニックが結構ありますが、
私は「裏ハムラ手術」のような結膜側からのアプローチは、
・皮膚切除を行わないので、皮膚のたるみが取れない。
・視野が悪いので、止血操作などが甘くなり腫れ・内出血が出やすく、最悪血腫形成の原因となる。
・視野が悪いので、創縁をかなり鉤*で強くひっぱることで術中の患者さんの痛みが強い。
*鉤;切開した組織のフチに引っかけて、
視野を展開する(奥の方が見えるようにする)かぎ爪のような道具。
など、デメリットの方がむしろ多く、全く意味が無い方法だと思っています。
さて、肝心の睫毛の向きですが、側面像の写真を見て分かるように
完全に前方向に睫毛の先が倒れているのが分かるかと思います。
患者さんに尋ねたところ、既に症状は完全に改善し、
30年来の悩みが解決できて本当に良かったとの言葉を頂きました。
下瞼の逆さまつ毛の手術治療で私が心がけているポイントは、
1. 後戻り(再発)のない完全な矯正
2. 傷跡を残さない切開手技
3. 下瞼の形をゆがませず自然な瞼縁ラインをキープ
4. 腫れ・内出血を最小レベルで抑える
の4点です。
それぞれについて簡単に解説します。
1.後戻り(再発)のない完全な矯正 23年のキャリアにおいて1例のみ片目で若干の後戻りが起きた患者さんがおり
1回片目を修正した例がありますが、その方も以後は再発していません。
2. 傷跡を残さない切開手技 長年の修業と切開・縫合法の工夫により上記写真のごとく
傷跡をほとんど見せることなく仕上げることが出来るようになりました。
ここまでくるのに、やり始めてから10年以上の年月がかかりました。
今は100発100中で写真のような仕上がりでフィニッシュすることが出来ます。
3. 下瞼の形をゆがませず自然な瞼縁ラインをキープ こちらも慣れていないと、睫毛の方向をコントロールする縫合により微妙に下瞼のフチのラインが
ゆがんだりするため、縫合を掛ける場所や、糸の締め方、糸を掛ける数などを細かくコントロールし、
また手術中何度も上体を起こして患者さんに鏡で瞼の形を確認してもらい、違和感・不自然さが
出ていないかチェックしながら、手術を進めてゆきます。
4. 腫れ・内出血を最小レベルで抑える 実は麻酔注射の打ち方にコツがあり、
工夫することで腫れと内出血、痛みを最小限に抑えることが出来ます。
しかし、上瞼の逆さまつ毛手術のように腫れを限りなくゼロに近い状態で仕上げるまでとは、
さすがにいきません。
この手術で腫れ・内出血が出やすい人は、手術中の緊張により極度に血圧が上がるなどが
原因と考えるため、局所麻酔に加えて場合によっては笑気ガスや静脈麻酔なども
併用するのがよいかもしれません。
以上になります。
上瞼の逆さまつ毛治療は、案外行っている形成外科・美容外科は多いのですが、
下瞼に関しては行っているクリニックがほとんどないと患者さんからよく聞きます。
当院では、一度の治療で確実かつ完全に治すことをモットーとしていますので、
お悩みの方は、是非一度ご相談ください。
当院の下瞼の逆さまつ毛治療はこちらです。
なお上瞼の逆さまつ毛治療では、切開法と埋没法の2つを用意しています。
本ブログの症例に関する情報
治療名:切開法による逆さまつ毛(下睫毛)治療 費用:220,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、外反、皮膚の傷跡、後戻りなど
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。