様々な照射系機器を組み合わせることで
より高い効果を狙ってゆくということがあります。
しみ取りで主に用いる照射系施術としては
・レーザートーニング(ヤグレーザー)
・フォトフェイシャル/フォトセラピー(光治療・IPL)
・Qスイッチ・ルビーレーザー
・Qスイッチ・ヤグレーザー
・アレキサンドライトのレーザーフェイシャル
・CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)
などがあり、
しみのタイプにより上記施術を組み合わせて取っています。
あくまでケースバイケースですが、一番外来で多い
日光性色素斑(=日光斑or老斑)に肝斑が混じっているようなケースでは、
以前はまずトーニングで肝斑の色をある程度回数をかけて抑えてから、
10回コースの最後の方でフォトフェイシャルを2~3回使い、
色味のある日光斑を取りりつつ、ピンポイントでどこかのタイミングで
濃いシミ(日光斑)にQスイッチ(ルビーor ヤグ)を使うといった感じで行っていました。
このやり方は、理論的には間違っていないのですが、
しかし長く続けているうちに必ずしもよい方法とは言えないのでは?
と疑問を感じるようになりました。
最近は前回のブログで紹介した症例のような、いわゆる本物の典型的な肝斑には
最初からトーニング1本にしぼって治療を継続するとして、
多数の日光斑に一部軽く肝斑が混在するタイプでは、
まずはフォトフェイシャルによる最初の2~3回の治療を使って
日光斑で取れるものをあらかた取り除いてしまうようにしています。
患者さんの知識としては、ネット情報等により
「肝斑にフォトフェイシャルを行うと悪化する」とすり込まれているケースが多いため
逆に濃くなるのでは?と不安に感じる方も実際いらっしゃいますが、
低出力から中程度の出力で少数回打っているうちは、
フォトフェイシャルでも悪化することはそれほど多くないと言えます。
なお、他院で肝斑にフォトを照射したところ悪化したという例を
実際に見ることも確かにありますが、患者さまのお話を伺うと、
肝斑に対して延々と高出力で何度も打たれ続けていた例が多いです。
打っても打っても効果がないので、それならばと、
どんどん打つ出力が高くしていった結果、いよいよ悪化してゆくケースが多いようです。
こういったことは、カウンセリングのみ医師が行い、あとは看護師にまかせっきりで
フォトフェイシャルを行っているクリニックでは当然起こるべくして起こることです。
仮に一部の肝斑が悪化したとしても、
フォトフェイシャルの場合は照射時間がロングパルス(msec)であることが幸いして、
2~3ヶ月以内には色は薄くなってきます。
Qスイッチレーザーで悪化させると回復までにもう少し時間を要しますが、
フォトフェイシャルの場合、回復期間が短い点が特長です。
そう考えると、万が一しみの一部が濃くなったとしても、
日光斑が少しでも取れてくると患者さん的にはそれほど不満に思わないようです。
最初にトーニングを持ってくると、ほとんどのケースで
最初の3回の治療回数では効果が得られないことが多いため
患者さんとしても治療継続のモチベーションが上がりづらいということがあります。
患者さんには毎回「レーザートーニングは最初の3回は我慢が必要です。」
と伝えています。
まずは、肝斑悪化のリスクをわずかに取ったとしても
最初にフォトフェイシャルをもってくるとことで、即時性の効果をまずはお見せする。
そこでこの治療には確かに意味があるのだということを実際に体感して頂き、
その後トーニングを始めた時に、肝斑に対して効果が出るまで患者さんのやる気を
つなぎとめるのに有効という考えです。
それでは、
当院にてフォトとトーニングの合わせ技でしみを治療した例を見て見ましょう。
図1(左) 施術前の状態です。
図2(右)施術前・アップでの撮影です。
40代の女性です。
メイクでもはやしみを隠せないので取りたいとのことで来院されました。
顔中に斑状、粒状の大小の日光斑を認め一部に肝斑が混在します。
図3(左) 施術後の状態です。
図4(右)施術後・アップでの撮影です。
10回のしみ抜きのコースを組み、
最初の2回はフォトフェイシャルによる照射を行い、
その後の8回はトーニングで仕上げました。
完璧とは言えませんが、大幅に改善しています。
このように、当院のしみ抜きコースの特徴として
10回・5回などのコースを組んだ場合は、コースの中で新たに料金が発生することなく
・フォトフェイシャル(光治療・IPL)
・レーザートーニング(ヤグ)
・レーザーフェイシャル(アレキサンドライト)
を毎回自由に選択出来るという仕組みがあります。
Qスイッチレーザーについては、打つしみごとに別途料金を頂きますが、
いわゆる全顔のフェイシャルメニューについては、
お好みで上記のメニューを組み合わせることが出来るので大変お得です。
どのように組み合わせたらよいか分からないという方も多いので、
その場合にはしみのタイプ(多くは混合型ですが)と治療の進行状況に応じて
こちらで回数の振り分けをアレンジすることも出来ます。
今回は、フォトとトーニングの組み合わせの例を示しましたが、
さらにアレキサンドライトのレーザーフェイシャルをフィニッシュとして加えることで、
フォトとトーニングでかなりしみがとれても、まだ最後に残っているしみを
取る or 薄くすることが出来ることが分かっています。
それぞれの機械の波長によって得意なしみがあるので、
こういうことが起こるのでしょう。
これら3つの組み合わせを究極のフェイシャル・テクニックとして
当院では「トリプル・フェイシャル」と呼んでいます。
これからの全顔照射系のしみ抜き治療は1種類のみでゆくのではなく、
コンビネーション治療が一つの方向性としてトレンドになってゆくのではと
予想しています。
(注)ちなみにフォトとトーニングを1回の治療でダブルでかけることを
推奨しているクリニックもありますが、当院ではお勧めしていません。
皮膚にかかる負担が大きくなる点と、
どちらが効果を発揮しているか分からなくなるからです。
より早く効果を得たいならありかもしれませんが、
少なくともこの手の治療が初めての方にはリスクはあるかと思います。
※当院のフォトフェイシャル治療はこちら
※当院のレーザートーニング治療はこちら
※レーザートーニング(しみ・肝斑治療)の効果を上げるコツについてはこちら。
本ブログの症例に関する情報
治療名①:アイコンによるしみ治療 費用:22,000円/回 2回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療名②:レーザートーニングによるしみ治療 費用:22,000円/回 8回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着などど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。