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2023.05.01

たるみ(美容皮膚科)

脱脂法+脂肪注入によるクマ治療による長期経過における問題点

「下まぶた(目の下)のクマを消したい」というご相談は、40代以上の方から特に多くいただくお悩みの一つです。

目元の老化による症状には、以下のようなものが挙げられますが、
・上まぶたのくぼみ、たるみ
・下まぶたのたるみ
・下まぶたのクマ
・下まぶたのしわ
その中でも下まぶた(目の下)のクマのご相談は群を抜いて相談件数が多いです。

下まぶたのクマを改善する方法にはいくつかありますが、手術がOKの場合は「表ハムラ法」をお勧めすることが多いです。ハムラ法には「表」「裏」がありますが、この中でも「表ハムラ法」を勧める理由は明確にあります。「裏ハムラ法」は皮膚を切除しないで行うため、たるみの取れ方が甘く、術後にクマ(皮膚の段差による影)が比較的多く残ってしまうことがあるためです。

「表ハムラ法は傷跡が残るから避けたい」という患者様もおられますが、当院では皮膚切開を睫毛の生え際ギリギリで行い、さらに創縁をしっかりあわせて縫合することで全くといっていいほど術後に傷跡が残ることはありません。(この辺りは医師の経験値や手技力が大きく関係してくるので、「表ハムラでも傷跡は残らない」と、100%では言えないのですが…)

といはいえ、手術は避けたいという方もやはりおられます。このような際には、ヒアルロン酸注入によって下まぶた(目の下)のクマの原因となるたるみ(皮膚の段差)を解消する方法がやはりお勧めです。

なお、ヒアルロン酸注入だけでは改善できないほど皮膚にたるみが生じている際には、皮膚の収斂作用があるフラクショナルレーザーやインティマレーザー(粘膜側から照射する特殊なレーザー)を併用することもあります。

このように、下まぶた(目の下)のクマ治療にはいくつかの方法があるのですが、多くの場合はヒアルロン酸注入だけでクマを改善することができることが多いです。

最近は、多くの美容クリニックが下まぶたのクマ治療として、「下まぶたの脱脂法」と「クマへの脂肪注入」のコンビ治療を進めているようですが、これが非常に高額で、患者さんの話によると相場は80万円前後になるようです。
そしてさらに残念なことに、この治療の結果はかなり無残なものになっています。

「下まぶたの脱脂法」と「クマへの脂肪注入」による下まぶた(目の下)のクマ治療が、高額なのに結果が伴わない理由には、いくつか挙げられます。

◎脱脂法で下まぶたから脂肪を抜くため、たるみがさらに悪化する
◎脱脂法で下まぶたのボリュームがさらに減りしわも増える(より老けてみえる)
◎下まぶたと上まぶたは連続した脂肪のため、脱脂法で下まぶたを抜くともれなく上まぶたもくぼみます
◎上まぶたがくぼむ=開眼力が弱まり眼瞼下垂になりやすくなる(より老けて見える)
◎脂肪注入によって移植した脂肪の1回あたりの生着率は高くても30%程度
◎つまり何度も脂肪注入をしないといけない(費用も時間もかかる)


パッと思いつくものを列挙しましたが、実際にはこれ以外にもいろいろなネガティブ要因があるでしょう。

このようなマイナスポイントが多数あるのにもかかわらず、多くの美容クリニックではそれを言わずに「下まぶたの脱脂法」と「クマへの脂肪注入」によるクマ治療を進めているわけです。

あまりこのようなことは書きたくないのですが、わざわざ文字にしているのには理由があり、ここ最近外来で診察をしていると、上のような相談(=下まぶた脱脂法とクマ脂肪注入によるトラブル相談)をいただく件数がかなり増えてきているためです。多いときは午前・午後で1人以上ご来院されることもあるので、本当に要注意な手術だと感じています。

若い方の場合は皮膚に弾力もあるので、脱脂法+脂肪注入を行ってもそれほど悪い結果に見えないことも多いのですが、このまま年を重ねていくと、この手術が原因となって下まぶたに通常よりもひどいくぼみが生じたり、またたるみも大きく出る可能性が大変高くなります。

脱脂法+脂肪注入による下まぶた(目の下)のクマ治療については、いろいろな美容クリニックのHPを見るとキレイに仕上がった症例写真も多く掲載されていますが、

◎いずれも年齢層が若い(皮膚に弾力があるため副作用が「現時点」ではまだ出ていない)
◎術後が半年以内の写真(注入した脂肪が吸収される前の状態)
◎脱脂法で除去した脂肪量がそもそも少ない

というものが大半ではないでしょうか。

診察で患者様のリアルな状態を見ていると、術後1年程度経過した頃から、くぼみ・たるみが悪化したとして後悔する人が大半というのが現状です。

このような状態になった場合、上で述べたおすすめのクマ治療であるハムラ法で改善をしてさしあげたくても、移動固定に使用するための下まぶたの脂肪がすでに除去されてしまっているため、悲しいことにハムラ法を行うこともできないのです。

長くなりましたが、目の下のクマ・たるみが気になるという際には、「皮膚を切らない手術」という謳い文句に魅力を感じて脱脂術+脂肪注入をするくらいなら、最初からヒアルロン酸注入(もしくはヒアルロン酸注入+レーザー治療)を選ばれた方がはるかに結果もコスパもよく、さらに何より、術後の状態に害がありません。

前置きが長くなりましたが今回の症例をご紹介します。

目の下のクマ治療としてヒアルロン酸注入を行った症例(39歳女性)です。この年齢の方で、脂肪を抜いてクマに脂肪注入をすると、たるみの悪化は必発です。ご本人も手術を希望されなかったため、シンプルにヒアルロン酸注入単独治療を勧めました。




下の写真はヒアルロン酸を注入して2週間目の状態です。内出血もほぼ出ず、この状態に落ち着きました。

ヒアルロン酸は、アラガン社のジュビダーム・ビスタ・ボリューマXC(厚労省認可品)を使用しています。この製剤はジュビダームビスタシリーズの中でも持続力が2年と大変長く、アレルギーがないことは勿論、仕上がりが美しい(注入後に変形することがほぼない)点が特徴のハイブランド製品です。

今回は、レーザー治療を併用することなくこのような結果を得ることが出来ました。もう少し皮膚のたるみが強い方の場合は、あわせてレーザー治療を行うこともあります。

ヒアルロン酸は、1年ごとないし2年ごとなど補充を続ける必要はありますが、脱脂術+脂肪注入のような将来的なリスク・副作用が発生することがないため、手術を避けたいという際にはお勧めのクマ治療です。

手術を行っても良いという際には、ハムラ法(表)が最もよい結果を出すことができます。ハムラ法(表)であれば、皮膚のたるみ・クマ・黒ずみ・小じわを一気に解決することが可能です。10歳以上目元を若返ることもありますので、こちらもご検討ください。
>下まぶたのクマ治療(ヒアルロン酸注入)の詳細はこちら
>下まぶたのクマ治療(ハムラ法)の詳細はこちら

本ブログの症例に関する情報

施術名:下まぶたのクマ治療(ヒアルロン酸注入)費用:88,000円 リスク・副作用:腫れ、内出血、塞栓症、皮膚壊死、感染、チンダル現象など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。

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院長・監修者情報

みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士 医師紹介はこちら

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