
ほうれい線を薄くする施術に「貴族プロテーゼ」があります。
正式名称は「鼻翼基部プロテーゼ」と言うのですが、韓国の医師が考えた「貴族プロテーゼ」というネーミングのほうが日本においてもすでに市民権を得ており(もともと韓国で火がついた施術です)、患者様もごく普通に使っている鼻整形のひとつです。
貴族プロテーゼにはほうれい線を改善したり小鼻の横(鼻翼外側)の凹みを目立たなくする以外にも様々な効果があるため当院でも数年前からリクエストがかなり増えている施術です。
貴族プロテーゼの効果を簡単にまとめると以下のようなものが挙げられます。
・ほうれい線を目立たなくする
・小鼻の横(鼻翼外側)の凹みを目立たなくする
・口ゴボ(口元が前に出ている状態)の緩和
・顔の立体感アップ(上品な顔立ち・端正な顔立ちになる)
・若々しい印象に(鼻横の影がなくなることによる若返り効果)
単純に鼻横の凹みを改善するだけではなく「顔全体の印象」を変えることができる点も、この施術が人気の理由になるでしょう。
そんな貴族プロテーゼですが、この施術を受けた患者様の中には「プロテーゼを入れたものの変化をあまり感じられなかった」という方が一定数おられるようです。実は貴族プロテーゼにおいて、よりしっかりと効果を出す方法というものがあり、今回はその方法(鼻孔内アプローチ)で行った症例を紹介したいと思うのですが、まずは貴族プロテーゼの2つの施術法について少し解説したいと思います。
貴族プロテーゼにはアプローチ法(どこを切開してどのようにプロテーゼを入れるか)として、以下の2つがあります。
①口腔内アプローチ
口腔内切開(上口腔前庭切開)から骨膜の下(=骨上)に入り、梨状口の外側にプロテーゼを置く方法。
②鼻孔内アプローチ
鼻の穴の中の鼻粘膜を切開して皮膚直下を剥離して、皮下ポケットにプロテーゼを挿入する方法
もし貴族プロテーゼでよりしっかりと効果を実感したいという際には、鼻孔内アプローチによる施術がお勧めではあるのですが、デメリットもその分あるため、それぞれの方法のメリット・デメリットを以下にまとめます。
メリット 表情の動きによってプロテーゼの形が分かることがない。
デメリット 効果が皮下アプローチに比べて弱い
切開部からプロテーゼを置く位置までに距離があるため場所がずれやすい。(ずり落ちる)
②鼻孔内アプローチによる貴族プロテーゼ
メリット 口腔内アプローチに比べて効果が高い。(皮膚までの距離が近いため)
口腔内アプローチのようにプロテーゼの位置がずれることはほぼない。
デメリット 表情の動きによりプロテーゼの形がわずかに分かることがある。
どちらの施術にも上のような良い点や悪い点があるのですが、傾向としては「口腔内アプローチ」で行っているクリニックがかなり多く、鼻孔内アプローチは今のところ少数派という印象です。
口腔内アプローチのデメリットである「プロテーゼの位置が動く」ことについては既に周知の事実となりますが、他院ではこの現象をできるだけ防ぐためにプロテーゼを骨膜に縫い付けたり、骨に穴を空けてその骨孔に糸を通し、そこからプロテーゼを縫着して位置の移動を防ぐ、といった工夫を行っているようです。当院では他院で行った貴族プロテ―ゼの抜去を行うこともありますが、口腔内アプローチで行った施術の場合、プロテーゼが重力によって時間とともに下方にずれてしまい、凹みを埋めたい部分(鼻翼基部)から全くズレてしまっているケースをよく見かけます。
これに対して鼻孔内アプローチの場合、プロテーゼの挿入ポケットとなる部分はプロテーゼの形・面積を大きく越えて剥離されることは基本ないため、プロテーゼが動いてズレるということはまず考えられません。
さらに施術の効果を比較してみると、口腔内アプローチの場合はプロテーゼの挿入位置から皮膚(凹みを埋めたい皮下層)までの距離がかなりある(=深いレイヤーでの挿入のため)ため、厚手のプロテーゼを入れても変化がわずかなものに留まることが多いです。
対して鼻孔内アプローチについては、プロテーゼを皮膚面の直下に入れる方法のためよりしっかりと凹みを改善することができます。ただしマイナス点として、皮膚の直下にプロテーゼを入れるため、プロテーゼを加工する段階でかなり薄く加工しないと、笑うなどの何かしらの表情を造った際に皮膚面からうっすらプロテーゼの形が浮き出てしまう可能性があります。
当院でも以前は口腔内アプローチで施術を行うことが多かったのですが、変化に乏しいことが多かったこと、また上のようなメリット・デメリットを総合的に勘案した結果として、現在は「鼻孔内アプローチ」で行うことが多くなっています。
前置きが長くなりましたが、今回は鼻孔内アプローチで行った貴族プロテーゼの症例をご紹介したいと思います。

上の方は、小鼻横の影(ほうれい線の一部)が目立つこと、さらにこの付近(小鼻横)の凹みを気にして当院にご相談に来られた30歳の女性です。
鼻先を高くする鼻中隔延長の施術も同時に希望されたため、鼻孔内アプローチによって鼻翼基部直下の皮下を剥離し、鼻翼基部プロテーゼを入れることとしました。早速術前後の比較を見てみましょう。

術後は1.5か月経過した際の状態です。小鼻横(鼻翼基部)のほうれい線が浅くなり、またこの部分にボリュームが出ていることが写真でもお分かりいただけるかと思います。
鼻孔内アプローチによる貴族プロテーゼは、効果をしっかりと出せるというメリットの他に「皮膚に一切傷跡を作らない」という点も挙げられます。特に最近の方はダウンタイムが少ない施術、傷跡が目立たない施術を選ばれる傾向があるため、そういった意味でも当院で行っているような「鼻孔内アプローチによる貴族プロテーゼ」はご指名が増えているのかもしれません。
といっても、術式については最終的に患者様と話し合いの上で決定していますので、口腔内アプローチをご希望の際にはこちらの手法で施術を行うことも勿論可能です。その際にはお気軽におっしゃってください。
ちなみに現在私のほうでは、より上品で端正な顔立ちにする貴族プロテーゼの技法がないかと術式を模索中で、今後は鼻翼基部付近に最大限のボリューム効果を出すために、「鼻孔内切開+口腔内切開」での同時ダブルレイヤーでのプロテーゼ挿入についても検討しています。本施術の症例写真にご協力いただける方がおられましたら、ぜひお気軽にご相談下さい。
>貴族プロテーゼの詳細はこちら
本ブログの症例に関する情報
治療名:貴族プロテーゼ(鼻孔内アプローチ/鼻翼基部プロテーゼ) 費用:330,000円 リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、血腫、左右差、プロテーゼ露出、被膜拘縮など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。
Doctor
院長・監修者情報
みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長
札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本形成外科学会認定 形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士 医師紹介はこちら
