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鼻尖修正(鼻先を細くする)手術への当院の考え

2017年10月10日(火) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
太い鼻先を細く見せる方法として、鼻尖修正手術という手術があります。

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鼻先が細く見えるということの他に加えて

・わずかに鼻先が元より高くなる。
(このような微妙な変化がむしろ好まれるケースも多い)

・鼻の表面に凹凸、メリハリがつくことで、引き締まった印象に見える。
 (服飾や自動車、建築デザインにも共通するデザイン技法の基本の1つ)

・鼻先だけを変える手術ではあるが、
鼻全体の印象としてパーツが小さくなったかのように見える。
 
などの様々な利点があるため、当院でも患者さんによくお勧めしており、
実際に鼻の手術の中ではかなり件数が多い手術になっています

鼻尖修正手術は、美容外科医にとっては本来とてもオーソドックスな手術なはずですが、
実は難易度が高いものの1つです。

あまり経験が多くない若い美容外科医が行うと、悪くて何らかのトラブルが発生するか、
うまくいっても術前と全く変わらずという結果に終わります。

理由は、ある程度経験を積んだベテランの美容外科医なら当然皆知っていることですが、
先輩美容外科医に教えられた通りにそのまま行っても、あるいは教科書や論文に記されている通りに
手術を行ったとしても、実はうまく結果が出ることがほぼない手術だからです。

そもそも東洋人の鼻の構造は、白人種の鼻の構造とは大きく異なる点が何点かあり、

・鼻の軟骨の構造が、日本人より白人種のほうがしっかりしている。
 (東洋人のほうが薄く小さく、柔らかい)
・皮膚の厚さが、日本人のほうが白人種よりも厚い。
・皮膚の硬さが、日本人のほうが白人種よりも硬い。

という3つが挙げられます。

美容外科手術の多くがかつては欧米から基本的な技術が伝えられたということもあり、
美容外科の世界でパイオニアと言われる先達も、当初は外国の教科書や発表を真似て
なぞるようにして同じ事を繰り返し行ってきたという歴史があります。


そのため鼻尖修正手術の場合、主には鼻翼軟骨および鼻翼軟骨の上に乗っかっている組織を
操作することなどを主眼としています。

しかしながら、日本人の場合、軟骨自体がさほど厚く頑丈な構造をしていないため
いくらそこをいじったからと言って表面側の皮膚面の形状に及ぼす影響は、
白人種と比べれば微々たるものです。

そしてさらに皮膚が厚く硬い場合には、軟骨を手術操作でどのように変形させたとしても
その変化が表側に手術結果として表れてくるケースはなお一層少なくなります。

よって、実は従来の

・鼻翼軟骨上の余分な組織(線維脂肪性組織;fibrofatty tissue)を切除する。
・鼻翼軟骨の形を切除、切開、縫合などの手術操作で変形させる。

という鼻尖修正の手術法では、あまり変化が出ないというのも当然ということになります。

つまり、白人種の鼻に対して欧米で行われてきた手術をそのまま、まるパクリでコピーして
日本人の鼻に無理矢理当てはめて行っても、うまくゆくことは絶対に無いとまでは言いませんが、
毎回確実に100発100中でハッキリと患者さんの納得のいく形で変化を出すことは難しいというのが
私の考えです。

日本人には日本人にあった独自の鼻尖修正手術が必要であり、
人の真似ばかりしていては結果が出せないということになります。(何にでも当てはまりそうですが。)

と言いながら、実は当院のホームページの鼻尖修正のページには、
鼻尖修正とはどんな手術なのか?という説明パートに上記の2つまでしか書かれていません。

いわゆる教科書的、一般的な話のみが記されています。それは何故か?

一番重要なことは、常に意図的にわざわざあえて伏せられているわけですが、
日本人の鼻の場合、軟骨ばかりを一生懸命いじるのではなく皮膚と皮下組織の方を
何らかの方法により変化させることが大切なポイントです。

これは、結果を出すことの出来るクリニックならそれぞれ独自のノウハウが持っているので、
いわば「企業秘密」の部分です。

そこで思うのですが、学会発表や論文などを見ていると、あくまでいまだに軟骨操作にこだわりをもって
そこの部分で結果を出そうという試みが多く見られ、はなはだ疑問に感じます。
毎回「そこじゃないだろ!」と突っ込みを入れたくなりますが。。

鼻翼軟骨をばらばらに切断してから縫合で組み直すような方法は、例えば大手が「○○法」などと
名付けていますが、今や名前が一人歩きをして患者さんまでもがその術式名を知っているほどです。

これらは当院の考え方とは全く違う真逆の方向性であり、時間とともに好ましくない
何らかの鼻の変形を誘発する可能性が高い、リスキーな方法であるというのが私の見解です。

実際に、このような発表に対しては学会でも毎度他施設(多施設)から批判が集中することから、
それを見てやはり当院と同じ考えの施設も結構あるのだなと感じます。

さて下は、鼻先が太く鼻のパーツが全体的に平面的に見えることを気にされて
当院を受診された25歳の女性です。

鼻先が太いと、なんとなく全体的にしまりがなくモッサリとした重い印象の鼻に見えてしまいます。

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鼻柱部(鼻の左右の間のしきりの皮膚)の切開ありの、オープンアプローチにて
鼻翼軟骨上の線維脂肪性組織の切除と鼻翼軟骨の引き締めというオーソドックスな操作に加え、
さらに当院独自の方法で皮膚・皮下組織にもより鼻先が細く見えるような工夫を施しています。

なお当院では、鼻尖修正を希望に応じて
クローズアプローチとオープンアプローチの両方で行っていますが、
皮膚の変形能を上げてやるという意味で、オープンアプローチを勧めることが多いです。

201710114 さて、先ほどの女性の手術後1ヶ月目の状態です。

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鼻柱部の傷跡がこの時期まだ残っているのが分かりますが、
今後2~3ヶ月すると例外なくほぼ分からなくなってゆきます。

下方から見た写真において、鼻先が術前に比べて充分細く絞り込まれているのがわかります。

加えて鼻先が若干術前に比べて高くなっていますが、
鼻尖耳介移植のような詰め物を一切使用することなく微妙に高くなっています。

鼻の高さを高くして欲しいというリクエストがあった分けではありませんが、
この手術を行うと、わずかにさりげなく鼻先が高くなります。

正面から見た写真を比較すると、別人のような鼻にはなってはいませんが、
鼻先が細くなり形状にメリハリが付いたことで鼻全体のパーツが締まって見えることで、
あたかも鼻の横幅も小さくなったような印象に見えます*。

鼻翼縮小などを行わず、あくまで鼻尖修正単独手技ですが術前・術後の鼻の印象がかなり違います。

鼻の手術では、複数の手技を複合的に組み合わせて印象を変えることも多いですが、
他の手技と合わせることなく、鼻尖修正単独手技で自然に無理なく印象を変えるには
あるレベル以上の技術が必要であることを知っておいて頂きたいと思います。
当院の鼻尖修正の治療法詳細はこちらです。

*ちなみに、鼻のボリュームをボリュームダウンしたように見せる手技(鼻を小さく見せる)には
鼻尖修正のほか、鼻翼縮小ハンプ削り(鼻骨骨削り)、鼻骨骨切り、鼻尖挙上(Tip up)などがあります。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:鼻尖修正術 費用:220,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、皮膚壊死、皮膚の傷跡、後戻りなど
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士