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2026.04.20

二重整形・眼瞼下垂・目元

重度の先天性眼瞼下垂には筋膜移植が有効

重度の眼瞼下垂手術の症例写真(挙筋腱膜法)

先天性の眼瞼下垂症の方からも多数のご相談を頂いておりますが、このうち比較的重度の方については、一般的に行われている挙筋前転法では改善できないことがあります。今回のブログでは、この件について少し詳しく解説したいと思います。

開眼力がかなり悪い重度の眼瞼下垂症の際に挙筋前転法で手術を行うと、充分な開眼力を得ることが出来ず術前後の変化は乏しくなったり、術後に目が閉じなくなる(閉瞼不全)といったトラブルになることがあります。そのため当院では、このような際には筋膜移植を挙筋前転に併用するか筋膜移植法単独で治療を行っています。

筋膜移植法とは、上瞼の瞼板と前頭筋を連結するようにして筋膜を移植し、上眼瞼挙筋の筋力不足分を前頭筋の筋力で補うことで開瞼力の改善を得る手術法です。上眼瞼挙筋の筋力が充分ではない、重度の眼瞼下垂の症状の際に適応となることが多い術式です。
筋膜は大腿筋膜を太ももの外側から採取することが多いですが、この方法だと太ももに傷跡が残るというデメリットが生じます。そのため太ももからの採取は避けたいという方については、側頭部から深側頭筋膜を採取することも可能です。ただしこの方法は太ももに傷跡はできないものの、採取の際に多少毛根にダメージが入るため皮膚を切った箇所の毛がわずかに薄くなる可能性があります。どちらも手術結果には影響がありませんので、どの部位から採取するかは患者様のご希望次第といったところです。(なお、いずれの採取法でも眉上には傷跡が生じます)

その他、筋膜移植による眼瞼下垂治療で起こりうるリスク・副作用としては、特に片目のみに対して行った場合に閉瞼/開瞼のタイミングが左右でバラバラになる「リッドラグ」という症状が生じることがあります。ただしリッドラグについては、開院以来かなりの数の眼瞼下垂手術を行ってきている当院において今まで一度も遭遇したことがないトラブルのため、実際にはかなり珍しいケースではないかと考えます。
早速ですが、今回は筋膜移植法による眼瞼下垂治療の症例をご紹介したいと思います。


重度の眼瞼下垂手術の症例写真(挙筋腱膜法)

上の方は生まれつき右目に眼瞼下垂があり、右目で物を見るのがつらい上に、瞼に強い重たさを感じるとして当院にご相談に来られた21歳・女性の患者様です。

ちなみに重度の症状でご相談に来られた患者様に対して、美容外科の中には埋没法による二重術を提案するところもあるようですが、埋没法で重度の眼瞼下垂を改善させるのはほぼ不可能で、手術を行っても全く改善が見られないどころか、二重まぶたにすらならなかったという結果に終わることがほとんどです。このようなケースに対しては、形成外科 もしくは形成外科出身の美容外科医が後日相談に乗り、改めて眼瞼下垂の修正手術を行うというパターンが日常診療において極めてよくありがちなパターンです。

今回の症例の方についても、一般的な挙筋前転術による手術では充分な改善を得ることは難しいと判断し大腿筋膜移植による眼瞼下垂治療を行うこととしました。術前後の変化を見てみましょう。


重度の眼瞼下垂手術の症例写真(挙筋腱膜法)
術後は1ヵ月後の様子です。黒目が見えている縦幅が術前よりも若干大きくはなっていますが、この段階ではまだ最終的な仕上がりではありません。ここから1年程度かけて次第に移植した筋膜が馴染んでくる(縮んでくる)のがこの施術の特長です。とはいえすでに開瞼時に生じる二重の折り込みはしっかり出来ておりますので、この時点でも改善傾向にはあるのは写真からもお分かりいただけるかとは思います。続いて1年後の様子も見てみましょう。


重度の眼瞼下垂手術の症例写真(挙筋腱膜法)

左目よりも開瞼力にまだ多少の弱さがあるものの、術前と比較すると左右差が大幅に改善しています。通常の挙筋腱膜短縮法ではこのようなハッキリとした結果を出すことは難しかったことでしょう。(もちろん、埋没法に至ってはもってのほかです)

挙筋腱膜移植による眼瞼下垂治療は移植した筋膜が徐々に馴染んで(縮んで)いくことで次第に効果が表れる施術のため、今回の方のように効果が表れるまでに1年程度の時間が掛かります。それゆえ結果が出るまで少し気長に待って頂くこととなりますが、重度の眼瞼下垂の方においてはこの方法が最も変化を実感いただけることが多いです。

ちなみに挙筋腱膜移植を行った際に、稀に術直後から目の開きが大幅に改善するケースがあります。ただしこの場合、逆に時間の経過と共に極端な閉瞼不全(目が閉じようとしても開きっぱなしとなる)になるため注意が必要です。もしこのような症状になった際には一度移植した筋膜を抜去して再手術を行うことになるのですが(ちなみに当院でこのような結果になったことはありません)、挙筋腱膜移植法に関しては、術直後の仕上がりだけを見て効果を判断するのは時期尚早であるというのをご理解頂ければと思います。

筋膜移植法による眼瞼下垂治療のポイントは、移植する筋膜のテンションをどの程度にするかという調整部分に掛かっており、テンションが弱いと充分な効果を得られず、かと言って逆に強すぎるテンションで固定すると今後は瞼が閉じにくくなったり左右差が生じてしまいます。これは術者の経験に基づく匙加減がなせる業と言えるのかもしれません。

重度の眼瞼下垂の症状にお悩みの方については、安易にクリニックで勧められたからといって二重埋没法などの手軽な術法を選ばないようにご注意いただきたいのとあわせて、今回の方のように少し長めのスパンで経過を辿っていただく必要があるという点を覚えておいていただければと思います。
>挙筋腱膜法による眼瞼下垂治療の詳細はこちら

本ブログの症例に関する情報

治療名:先天性の眼瞼下垂治療(筋膜移植法/保険診療) 費用:保険診療・片目の場合 自己負担55,590円(3割負担の場合・手術費用のみ) リスク・副作用:腫れ、内出血、感染、血腫、傷跡、肥厚性瘢痕、ケロイド、左右差、閉瞼不全、ドライアイなど 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

※記載されている料金やリスク・副作用、施術内容はブログ投稿時の情報となります。最新の情報は変更となっていることもあるため、詳細は当院までお問合せ下さい。

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院長・監修者情報

みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本専門医機構認定 形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士 医師紹介はこちら

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