ピアスなどによって耳たぶが縦に裂けた
状態である耳垂裂を正常な形に治します。
耳垂裂(じすいれつ)と呼ばれる耳の形のトラブルがあります。 生まれつき耳たぶが2つないし4つなどに分かれて裂けているような状態と、元々は正常の形の耳たぶだったものの、装着していたピアスを何か物に引っ掛けてしまい耳たぶが縦に裂けて二つに割れてしまったケースがあります。

生まれつきのものを先天性耳垂裂、それ以外のものを後天性耳垂裂として分類しますが、先天性は大変珍しく低頻度であり、日常診療で見かけるのは圧倒的に後天性のものが多いです。(当院調べ)
治療法は、先天性であっても後天性であっても変わらず、割れている部分の皮膚を切除してから縫合することで正常な形状を回復するという比較的単純なものですが、ただ単純に切って縫うと耳垂のヘリに刻み込み(ノッチ)が生じて不自然な形に仕上がるため、縫合線を単純な直線ではなくZ形成術やW形成術などにより分断してギザギザに縫うことで、縫合部位に刻み込み(ノッチ)が生ずるのを防ぎます。
*混同されがちな「耳垂形成」という別の手術がありますが、こちらは耳たぶがない方に耳たぶを新たに作る全く別の術式です。「耳たぶがない」というのは、耳たぶがフェイスラインに付着している部分で、耳たぶに膨らみやくびれがない状態を言い、このくびれを形成手術により作ることで耳たぶの形を正常化します。別名「福耳形成」とも呼びます。


