立ち耳修正術(立ち耳整形)

マスクがうまくひっかからないなど、
耳の角度を後方に寝かせる治療です。
耳が一般的な角度よりも前方に向かって起きている状態を「立ち耳」と呼びます。立ち耳の場合、マスクがうまく耳に引っかけられないというご相談も多くいただきます。
この場合は、局所麻酔注射を使用して、耳裏を皮膚切開して耳の軟骨を出し、糸で軟骨を数箇所縫合することで耳の形と頭部にセットされている角度を矯正する手術を行います。片耳のみの場合と両耳ともに手術をする場合があります。
※立ち耳修正術の逆バージョンとして、「立ち耳にする整形(立ち耳整形)」も行っています。この最近若い方を中心に「立ち耳にしたい」というご相談が増えており、実際に施術も複数行っています。
立ち耳にする整形(立ち耳整形)の詳細はこちら
立ち耳修正術は
以下のような方にお勧めです
- 耳が通常よりも前に倒れている
- 正面から見た際に耳が目立つ
- 耳が立っているためマスクや眼鏡が落ちやすい
- 他院で立ち耳修正手術を受けたが元に戻ってしまった
「立ち耳」とは
立ち耳修正術は、通常よりも前方に倒れており正面から見た際に目立つ耳を、手術によって後方に倒して目立たなくする施術です。ここでは「立ち耳」の定義について改めてまとめて記載します。
そもそも「立ち耳」の定義とは?

立ち耳は、医学的には「耳介突出(prominent ear)」または「protruding ear」といい、耳介(耳の外側全体)が後方の頭部から離れて前方に倒れている状態のことを言います。見た目としては、正面から見た際に目に入る耳の面積が広くなる・横の髪で耳が隠れにくくなるため「耳が出ている」状態になることが多いです。
立ち耳が与える生活などへの影響
- マスクが取れやすい
- 眼鏡がずり落ちる
- イヤホンなどがつけにくい
- 顔と耳のバランスが悪いと感じる
- 立ち耳によって心理的なコンプレックスを抱くケースもあります
「立ち耳」の角度指標
立ち耳かどうかは、耳介・頭蓋骨の角度(auriculocephalic angle)や耳と頭の間の距離(耳介の突出距離/ear protrusion)が指標となります。立ち耳と診断される参考数値を以下に記載します。
| 耳介・頭蓋骨の角度 | 30~40度以上 |
|---|---|
| 耳と頭の間の距離 | 25mm以上 |
立ち耳の原因
立ち耳はほとんどのケースが先天性(生まれつき)のものとなります。ごく稀に、耳介軟骨がまだ柔らかい状態である乳幼児期の睡眠時の体勢・寝方の影響で軽度の変形が生じることもあります。また立ち耳には遺伝的要素があるため、両親や親戚などに立ち耳の方がおられる際には同様に立ち耳になることが多いです。立ち耳になる原因として、具体的には以下のようなケースが挙げられます。
- 対耳輪がしっかりと形成されてない
- 耳の内側の軟骨(Y字の部分)の曲線がしっかりと形成されなかったことで耳が先方に倒れてしまったケース
- 耳甲介が大きく窪んでいる
- 耳の中央にあるくぼんだ部分(耳甲介)が通常よりも大きくなったことで耳が前方に押し出されたケース
- 耳介と頭部の付着角度が広い
- 耳介そのものが後方の頭部から離れた位置についているケース
立ち耳の解剖学的視点からの特徴
立ち耳の場合は以下のような解剖学的な特徴がみられることが多いです。
- 耳が折りたたまれず、平板に見える(対耳輪脚の未発達or欠如)
- 耳全体が頭部から押し出された状態になる(耳甲介軟骨の過発達or突出)
- 耳全体が頭部から離れて突出角が大きくなる(耳介後面の角度異常)
症例写真
立ち耳修正(片耳/左右差を整える)

ドクターによる症例解説
症例に関する情報
治療名:立ち耳修正 費用:片耳 110,000円 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、感染、左右非対称、ケロイド、肥厚性瘢痕など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
立ち耳修正(片耳)
ドクターによる症例解説
術前
生まれつき右耳の角度が、頭の側面に対して前向きに起きていることを気にされて当院を受診した40歳の男性です。図1において、左耳は正常な角度なので、左右を比較することで右耳が目立って前方に向いていることが分かります。また、耳の表面にあるカタツムリのようなY字の隆起(対耳輪)が乏しく平坦なことが、前面から見た写真(図2)で分かります。
「立ち耳」という状態であり、日本国内ではそれほど気にされる方が多いとも言えませんが、欧米諸国においては文化的・宗教的な背景と関連して好ましくないとされることも多いです。今回の男性は、趣味のゴルフをしている時に風が吹くと、耳元でうるさい音がするため煩わしいため改善したいとの要望でした。
耳の裏面を切開して、軟骨を操作することで耳の表面に対耳輪を作るようにして折り込んで耳を後方に倒します。
術後
術後7日目の抜糸時に撮影した写真です。
左右で比較して、ほぼ対称な角度で耳が後方に寝ていることが分かります。まだ術後日が浅いため、皮膚面に若干の腫れと赤みを認めますが、2~3週間以内には落ち着きます。
立ち耳の手術では、軟骨への糸のかけ方や、術後の後戻り予防のために軟骨にメスで入れる割合などによって、対耳輪がゆがんだり、不自然な角が生じたり、あるいは耳の表面に正常では存在し得ない凹凸などが生じることがあるため要注意です。
ただ耳が後ろに寝てさえいれば良いということではなく、上記のような不自然な形状が出来るだけ出ないように、ディーテルにもこだわって仕上げています。単純なようですが意外にも奥の深い手術です。
症例に関する情報
治療名:立ち耳修正 費用:110,000円(片耳) 治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、感染、左右非対称、ケロイド、肥厚性瘢痕など 施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ
施術の流れ
- 麻酔:耳の裏の皮膚に局所麻酔注射を打ちます。
- 耳裏の皮膚をメスで切開します。
- 切開線で囲まれた皮膚を切除します。
- 切開部より周囲の皮下を剥離します。
- 軟骨を糸で縫合することで、耳の形・角度を変えます。
- 切開創を糸で縫合して閉じます。
- 圧迫プラス耳の形を保つ目的で、ガーゼを耳裏に貼り付けて固定します。
料金
| 立ち耳修正術 (立ち耳整形) |
片耳 | 110,000円 |
|---|
※記載料金は予告なく変更することがございます。またカウンセリング・診察時にご提示したお見積について、有効期間は提示日より3か月とさせていただきます。
施術情報
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所要時間1.5時間
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ダウンタイム1週間
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施術の痛み局所麻酔注射時のわずかな痛み
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通院1~2回
※傷の状態を確認するため翌日の再診が必要となります。 -
麻酔局所麻酔(注射)
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持続性半永久(まれに再発あり)
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洗顔当日より可能
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シャワー・入浴当日より可能
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メイク当日より可能
術前
片耳(左)のみが前方に起きて立っているために、左右のアンバランスな見映え(左右差)を気にしてご相談にいらした24歳の女性です。立ち耳の修正術は比較的様々なクリニックで施術を行っていますが、この手術においてポイントとなるのは「後戻り」をいかに防ぐことができるかという点です。立ち耳修正術ではしばしば後戻り現象が問題となるため、当院では手技において独自の工夫を施すことで、後戻りを最低限に抑えるようにして耳の角度を矯正しています。
術後
術後1ヶ月目の状態です。施術によって左耳がほどよく後方に倒れたことで、左右差が気にならない程度に左右のバランスが取れたのではないでしょうか。当院では開院以来多数の立ち耳修正術を行っていますが、施術の際に独自の手技を追加することで「後戻り対策」を行っていることもあり、今までに後戻りが生じてやり直しとなった手術は一度もありません。