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下まぶたのたるみ取り治療

2015年10月13日(火) | カテゴリ: たるみ(美容皮膚科), たるみ(美容外科)
「たるみを取りたい」という、
ぼんやりとイメージとしたご相談を受けることがあります。

なんとなくたるみを実感してはいるものの
実際にどの部位を改善すればよいかわからない方も多いので、
まずはカウンセリングや診察を通して状況を確認させていただいています。

このような場合、顔に限って言えば
パーツごとに分けると

・上まぶたのたるみ
・下まぶたのたるみ
・頬のたるみ

の3つが一番多いお悩みです。

この他、かなりマイナーなものとして、

・こめかみのたるみ
・額のたるみ

などのご相談もあるにはありますが、前述の3つでほぼ95%以上です。


しかし、そもそも「たるみ」とは何でしょう?

組織がゆるむことで、

・皮膚ないし皮下組織(脂肪・筋肉)が下に垂れ下がっている(下垂)
・皮膚ないし皮下組織(脂肪・筋肉)が伸びて余っている。

状態が本来の意味でのたるみであり、
美容外科的には特に上記2点を「たるみ」と呼びます。

なお美容皮膚科だともう少し意味が押し広げられて、
皮膚にハリ、ツヤがなくなった状態やそれによって毛穴が開いているような状態も
「たるみ」の症状の範疇に含めて述べることが多いです。

「狭義のたるみ」と「広義のたるみ」とでも言いましょうか。


美容外科的に見るとたるみに対して一番有効なのは、手術ということになりますが、
美容皮膚科的な見地では、レーザーや光などの照射系治療、導入系治療、
ピーリングや各種メディカルコスメなどが推奨されるわけです。

たるみ取り治療といっても部位ごとに治療方法は異なり、
かなりいろいろな手段がありますので
今回は、特に「下まぶたのたるみ」について述べます。


当院的な下まぶたのたるみ取り治療としては、

メスを使わず切らない治療なら

1.マドンナリフト
2.ウルセラリフト

があります。

マドンナリフトは、炭酸ガスレーザー照射による皮膚の引き締めです。
かさぶたが出来るダウンタイムありの治療法です。


ウルセラリフトは、超音波のエネルギーによる皮下組織引き締め治療で
ダウンタイムはありません。


また、下まぶたのくまやしわなど、厳密に言えば「たるみ」ではありませんが
患者さん側から見て「たるみ」と表現されることがあります。

くまについてはヒアルロン酸注入しわについてはボトックスが有効です。


ところで「下まぶたのしわにヒアルロン酸を入れて欲しい」という
ご要望を受けることがよくありますが、
このようなリクエストをされる患者さんの年齢は概して高く
しわと同時に皮膚のたるみ(余り)もあるため、
しわにヒアルロン酸を入れても、なかなかしわの溝は伸びません。

無理にしわを伸ばそうとしてヒアルロン酸をたくさん入れると
その部分が膨らんで凹凸となったり、目袋の膨らみが強調されて
くまがいっそう目立つようになることもありますので注意が必要です。

もしどうしてもヒアルロン酸で下まぶたのしわを伸ばしたいなら、
まずは余っている皮膚を切除してたるみを取ってからなら少し効果が得やすくなります。

しかし実際は、ヒアルロン酸注射を希望されてこられる患者さんは
そもそもが切りたくないからそのようなリクエストなわけであり、
皮膚切除を勧めてもまずやってみようと思う方がいない点が難しいところです。

そしてもし「手術も可能」ということなら、

1. 下まぶた余剰皮膚切除
2. ハムラ法手術

の2つがお勧めです。

ダウンタイム(腫れ・内出血)はいずれも二週間程度はかかるため、
まとまったお休みが取れる時などですとよいと思います。

今までヒアルロン酸やボトックス、レーザーや光の照射治療で
充分満足な結果が得られなかったという方は
一度は検討する価値のある非常に効果の高い治療です。

下まぶた余剰皮膚切除は、下まぶたの睫毛の生え際ぎりぎりを切開し
余った皮膚を切除しつつ、筋肉を目尻付近の骨膜に糸で引き寄せ
固定することで下まぶたを引き締めます。

ハムラ法手術は、下まぶたの出っ張り(目袋)を構成する脂肪を
くまのへこみに移動しつつ、脂肪を包む膜(眼窩隔膜)を引き締め、
同時に下まぶた余剰皮膚切除で行った皮膚の切除と筋肉の外上方への
つり上げ固定も行います。

下まぶた余剰皮膚切除は、「皮膚のたるみ」と「小じわ」が改善され、
ハムラ法手術は、たるみ・小じわに加え「目袋」と「くま」が改善します。
つまり、目の下の膨らみとへこみがならされてより平らに見えます。

最近行ったハムラ法の症例写真がありますので見てみましょう。

下まぶたのたるみ取りを
以前他院で数年前に手術したことがある50代後半の女性です。

その当時、手術を受けたけれども効果が全く実感出来なかったとのことで
「何か他によい方法がないかしら?」という相談を受けました。

当時の手術の際に皮膚は切ったそうですが、
具体的に何が行われたのか定かではありません。


下は、術前の状態です。

下まぶたのたるみと膨らみ、クマを認めます。(皮膚が余って凹凸が目立つ)
年齢を感じさせる目元です。

上は手術直後の状態です。
切る手術で筋肉より下に入り眼窩脂肪を操作したりするとこの程度の腫れは出ます。
やむなしです。
ちなみに、ただの「皮膚切除によるたるみ取り」では
これよりもはるかに少ない腫れで済みます。

術後1ヶ月後の状態です。腫れも内出血もすっかり引いています。

下まぶたの膨らみ、へこみといった凹凸がフラットになり、
たるみ(=皮膚の余り)が術前に比べて大幅に改善しています。
同時に小じわも消えたとのことで、大変満足して頂きました。


切った部位の傷跡も全く分かりません。

睫毛の生え際ぎりぎりを睫毛の毛根を痛めないように切ることで
1ヶ月目でも傷跡がわからないように仕上げます。

他院手術では、この切開線が睫毛の生え際から
なんと2,3mm下で切られてしまっていることがあり、
傷跡が大変目立ち、患者さんから「なんとかならないの?」とよく相談を受けます。

最初の皮膚切開ですべてが決まるので、切開ラインを寸分違わず
生え際ジャストで切れるようになるまでにかなりの症例数をこなしていても、
意識して行わないと身につかない技術です。

まぶたのフチは遊離縁であり、切るときに皮膚にうまく指で
緊張をかけるのが難しいため、思う通りのラインをメスで切るにはコツがいります。

ハムラ法は、理屈的には一見簡単な治療のように思えるのですが
実際やってみるとかなり難易度の高い手術であり、
これをきちんと出来るようになるまで症例をたくさん重ねたとしても
最低でも10年以上は修業をつまないと100発100中でよい結果を出せるようにはなりません。

それゆえにほとんどのクリニックでは単なる皮膚切除や脂肪除去で
お茶を濁しているところが多いのではないでしょうか。

特に下まぶたの裏側の結膜を切って行う
脂肪除去を勧めるクリニックが多いと患者さんから聞きますが、
この手技は私は決してお勧め出来ません。(経結膜脱脂術と言います)

「皮膚に傷跡が残らない」という宣伝文句で一見よいようにも思えてしまうのですが、
実際には年齢が進んで脱脂を行うと、風船から空気を抜けば風船がしぼんで
しわしわになるのと同じ理屈で皮膚のたるみがいっそう強調されて逆効果となります。

また若いときに脱脂術を行うと、年を取ったときに下まぶたがくぼんだり、
皮下組織のボリューム不足でやはりたるみが目立ったりします。

さらに悪いことに、既に脂肪が抜かれていると、
その後、改めてハムラ法を行おうとしても脂肪移動に用いる脂肪がないので、
もはやハムラ法を行えず「打つ手なし」となることがしばしばあります。

ハムラ法がまだなかった昔の時代にかつて行われていた
下まぶたの経結膜的脱脂術ですが、今の時代に果たして行う価値があるかどうか、
はなはだ疑問を感じます。

術前(目の下のたるみ治療)

術後


当院の「切らない下まぶたのたるみ取り治療」(美容皮膚科治療)詳細はこちらです。
当院の「手術による下まぶたのたるみ取り治療」(美容外科治療)詳細はこちらです。


<本ブログの症例に関する情報>

治療名:下瞼のたるみ取り・ハムラ法 費用:330,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:血腫、外反、皮膚壊死、皮膚の傷跡、後戻り、左右差など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士